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いろいろな人生があります。
お金がなければとても悲しいです。
好きなこともできません。子供の親なら、子供に十分な教育も
させてあげられないと嘆きます。
だからお金のある人が羨ましいです。
お金はあります。だから好きなことはできます。
けれど、いつも病に苦しんでいます。
お金があるから
いい病院をいくつもかけ持ちしています。
でも、病気は治りません。
苦しいと知人に泣きつかれてつい幾らか援助しました。
しかし、その友人の言葉はすべて嘘でした。
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自分だけが知らない何かが自分を取り囲んでいて
それが、とても息苦しい。
その何かは絶対にあるはずなのだ。
しかし、何をどう聞けばいいのか・・・
しかし、誰にどうやって聞けばいいのか・・・
得たいのしれない不安と焦燥感に悩む主人公の人生
あなたはどう思うのでしょうか?
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絡 糸(らくし) vol.1
舞 子
冬の残り風に煽られて地面に伏した桜の花びらを冷たい雨が、さらに叩き
のめしてた。僕は、そこにあるすべてのものに無性に腹を立てながらその
光景に見入っていた。
その時、突然に、地面の桜の花びらを蹴散らすような音がして、僕は我
に返った。それは、車の急ブレーキの音と、女性の悲鳴だった。その女性
は、僕の母だった。
なんの前触れもなく、僕の心に複雑で切ない後悔だけを残して、母は息
を引き取った。僕は、また、癒しきれない深い傷を心の奥にしまい込んだ
まま歩いていかなければいけなくなった。
父もまた、僕の深い傷とは違う深い傷を負っていた。
「雨の雫で、しんなりとしていた桜の花びらが、一瞬にして粉々になった
よ」と、数ヶ月が過ぎてもなお立ち直り切れない父は言った。
そんな父も、半年後、母を追うようにして息を引き取った。
その父が逝く数日前に、僕に言った。
「お前には、十分な金を用意してある。だから、遺産相続は放棄してくれ。
それがみんなの幸せに繋がるんだ。幸太郎は、あれでも必死に頑張ったん
だ。だから幸太郎を許してやれ」と。
僕には、どういう意味かわからなかった。さらに父は言った。
「それが、おまえの幸せにも繋がるはずだから」
兄の何を許せというのだろうか。兄の僕に対する長い間の攻撃に、嫌が
らせに、意味があるというのだろうか。兄を許すということが、僕の幸せ
に繋がるとはどういうことなのだろうか。僕の幸せはどこにあるのだろう
か。わからないことだらけを僕には解明する時間もなかった。でも、僕は、
そういうことの煩わしさをすべて心の隅に追いやった。臭いものには蓋を
して、忘れる。それが、僕の幼い頃に学んだ処世術だった。
兄を愛し、兄だけを慈しみ、兄にわがままの限りを許した僕の母だった。
幼い頃、僕は、そんな母を不思議な目でみていた。
僕は、何もしなかった。できなかったのだ。困ったことが起きて、母に
相談しようとすると、そこには必ず兄がいて、その後ろで母が、僕のこと
を怪訝そうにじっと見ていた。だから、僕は、いつのまにか、母には何も
言えないようになってしまっていた。
僕は、高校生になると、無性にそんな母から逃げたいと思い始めていた。
そして大学に入るのを理由に僕は家を出る決意をした。
その時、母は「ごめんね」と、言って泣いた。初めて、僕のためになく
母を見た。もっと早くに、こんなしらけた男になる前に、泣いて欲しかっ
たと僕は思った。いまさら、母の傍でかわいい子供の振りはできない。い
まさら、母の傍で親を守りぬく世間体のいい子供の振りはできない。
僕は、二度と戻らないつもりで家を出た。母は、そんな僕の心を知って
しまったのか、いつまでも泣いていた。
僕は、すすり泣きする母の声を後ろに玄関のドアを開けた。庭の片隅で
咲き誇っていた桜の花びらが、僕をめがけて舞い降りてきた。
空けるような蒼い空にくっきりと浮かんだ桜の花が、やけに哀しい。僕
は、この桜を無心な心でみたことはあったのだろうか。
もどらないつもりで家を出て三年後、僕は、父が病に倒れたという連絡
でやむなく帰りたくもない我が家に戻った。そして、母の事故に遭遇した
のだった。
そんな僕に兄は言った。
「おまえは、災いをもたらすために、生まれただけだな」
そうなのだろうか。僕が生まれたことによって、兄にそう思わせる何が
あるのだろうか。
母が逝って三年、父が逝って二年半。また、性懲りもなく僕は、今はす
でに兄の家である実家に戻っている。
あの兄が、自分の結納の式に僕を招待したのだ。
兄は、変わったのだろうか。父も母もなく、広い屋敷に一人でいて、兄
はいろんなこと考えたのかもしれない。そして、いくらかでも兄の陰険な
性格は直ったのかもしれない。僕は、少しだけ希望を持っていた。
次回に続く
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時空を超えた時代恋愛小説「至上の微笑」 北條舞子著 の紹介
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真実の愛はあるのだと信じたい。
生まれ変わってもなお愛は生き続けるのだと信じたい。
運命の人は絶対にいるのだと信じたい。
そんな奇跡の愛があってもいいのじゃないかと私は願う。
中世の時代からその愛だけにいき続ける彼と、その彼を助けて一緒に生き続
ける彼の執事・・・その二人の飽きないウイットに富んだ会話と友情と、愛
する女性への一途すぎるほどの思いがひしひしと伝わってくる小説。
読んでほっとする小説です。
読んで心の底がキュンと鳴る小説です。
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