2009/01/16
第34号『恥をかけ』~プロフェッショナル 仕事の流儀7
仕事では大プロジェクトで心身ともにぎりぎりの状況におかれ、一方でUSCPAの受験は不合格が続く。 昨年は、社会人経験でも1,2を争うつらい時期でした。 そんな時、私を支えてくれたのは、今思えばそっと見守ってくれた彼女でした。 厳しい状況におかれていた私に、彼女は1冊の本をプレゼントしてくれました。 NHK編の『プロフェッショナル 仕事の流儀』でした。 読んでみると、非常に勇気付けられる箇所が多く、心底ありがたいなと思ったものです。 特に、『プロフェッショナル 仕事の流儀7』のカーデザイナー奥山清行さんと、棋士の羽生善治さんのエピソードがしびれます。 カーデザイナー奥山清行さん。 GM,ポルシェ、フェラーリでデザイナーとして活躍。多くの外国人部下を抱えて仕事した自分を、「猛獣使い」と言っています。 この回で非常に印章に残った言葉があります。 「日本人が海外で活躍するには?」との問いにたいする返しです。 「とにかくコミュニケーションをとること。そして、1日20個恥をかきなさい、と言っています。 小さな間違いで恥をかくと、大きな間違いが分かってくる。だから、恥をかけばかくほど、大きな間違いを犯さずにすむんですね。 ところが、特に日本人の男性はプライドが邪魔をして、海外に出ても「恥をかきたくないから」と話さないでしょう。 自分から恥をかこうと思うくらいでないと、新しいことを学ぶ機会に飛び込んでいけないと思うんですよ。 もちろん、心の奥にプライドを持ち続けることは結構ですが、もっと表面的な部分でどんどん恥をかくことも大切なんですね。」 奥山さんの言葉を読んで、私は厳しかった新人営業時代の上司を思い出しました。 今も頭が上がらない、私の人生の恩師です。 この上司、とにかく私に恥をかかせました。 ちょっとしたミス、失敗も大勢の前で、あえて叱る。貶める。 恥ずかしさのあまり顔が真っ赤になり、あまりの理不尽さから泣きそうになったことも数え切れません。 いまではパワハラの一言で片付けられるかもしれませんが、これは上司が私の弱点を見抜いていたからこそ、あえて行ってくれた指導だったのです。 酒の席で、私はその上司にこう厳しく叱られました。 「お前のクソみたいなプライドは、営業にはいらねえんだよ。 オンナを落とすのも、営業で売るのも、同じことなんだぞ。 そんなことじゃ、貴様などオンナにもてるわけもねえ。まして営業で売れるわけもねえ。」 「なんでお前が営業で売れないか、そしてオンナにもてないか教えてやろうか? それはな、お前が恥かいてねえからだよ」 この上司は、お世辞にも美男子とはいえないのですが、とにかく女性にもてていたし、売れていた。 女性だけでなく、男からも惚れられるタイプの人でした。 この人は、どこまでも恥がかける人だったのです。 この人の指導のおかげで、私は結局営業成績で表彰され、本社で新しいキャリアチェンジの機会を得ることが出来ました。 昨日数年ぶりに飲んだ際、酔ってこう言ってました。 「オンナってのはな、みんなズル賢いところがあるよ。だがな、そのオンナにもてあそばれてやるのが、男ってもんだよ。」 ああ、この人は顔は怖いけど、ほんとに優しい。 ここまでの境地に至るには、まだまだ修行が足りません。 この上司と、そして奥山清行さんに共通する、「とにかく恥をかけ」という言葉。 魅力的な男子たるには、日々どこまで恥をかけるかが勝負なのでしょう。 十年一日の如く過ごしていたら、恥などかく必要も機会もない。 恥を20個かこうと思ったら、人は新しいことにぶつかって行かざるを得ません。 私は自分の行動基準に、「1日20個、恥をかく」ことを設定しています。


