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2008/12/26

もう一歩先へ ~松田優作最後のトーク番組から

このメルマガは「読書を行動につなげること」が目的ですが、読書以外に強い影響を受けたコンテンツがありましたので、ご紹介させてください。

人生観、恋愛観、結婚観について考えさせられ、行動が変わった経験についてです。




死去する直前(1989年)に収録された、松田優作のトーク番組を偶然見ました。


病を知らないMCは、15年前に彼が演じた『太陽にほえろ』の有名な殉職シーンを見せて、感想を尋ねます。


MC「かつてないほど、死をリアルに演じた自分を見て、どう思いますか?」


優作「・・・がんばってるなー ・・・って感じですね」


MC「必死だったんですね」


優作「誠実にやるしかないもんね」



VTRの自分の熱演を、まるで他人事のように、そして慈しむように、彼は眺めていました。


恥ずかしがるような彼のリアクションを期待していたMCは、なにか拍子抜けしたようでした。


乾いたコメントに、死期を悟っていた男の心持を見た気がしました。

死を前に、「自分ってがんばってたな」と振り返ることができるなら、人生を燃焼しつくしたことになるはず。

そのためには、1日1日、やはり必死で自分を越えていかないと。
そう思わされました。




もう1つ、家庭について話題が飛びました。


優作「家庭にも、演技は必要ですね。

これまで何十年も個人で生きてきた他人同士が一緒になるんだから、お互い素のままじゃすぐに行き詰る。」




MC「そんな場合、やっぱり気を使う必要はあるんですかね?」




「始まりは気を使う必要がある。ぎこちなく、大変だが、なにかもうちょっと先に行くためには、無理して作んないと」




優作「だんだんスムーズになっていくと、面白くなってきますよ」




「無理して作っていく過程がくるしいから、みんな途中で他の新しいほう(異性)に行っちゃう。

それだと、結局同じことだよね」



彼の言葉には、ひどく身につまされるものがありました。



自分の恋愛遍歴を振り返って、彼の言葉がぴったりと当てはまったのです。



相手と「もうちょっと先(の段階)」に行くためには、私には何かが足りなかったのだと。。



MC「家庭での演技には、いろんなスキルをつかうんですか?」と問うと、



優作「五感を働かせるのではなく、逆。相手が怒っているなって感じることさえ、止めちゃう。


目をつぶっちゃうっていうか。あえて感覚を鈍くしちゃうっていうか」



MC「スキルじゃないんですね」



優作「そう、スキルじゃない」




死期を悟った人間が紡ぎだす言葉は、真に心を打ちます。



私の恋愛観、そして結婚観が大きく変わった瞬間でした。


松田優作の言う「演技」を、家庭はもちろん、職場でも、恋人に対しても試してみる。

他者と、もう一歩、もう1つ先の関係に進むために・・・。
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