2008/12/10
管理会計と起業家精神
組織が起業家精神を持つためのツールについて、お話させてください。 よく新聞などで聞く内容ですが、 企業が大きくなり、安定してくると、首をもたげてくるのが「大企業病」です。 永続的に事業を続けていくという、going concernの原則を達成するために、企業は存続するために内部留保を溜め込みます。 この内部留保が厚くなるのは倒産の危険性が遠ざかるので喜ばしいことですが、 しかし堆積しすぎると企業内に緊張感がなくなっていきます。 このまま劇的な変化をせずとも、今のほどほどの仕事ぶりで生活を続けられる。 そんな会社の状態を、社員は皮膚感覚で感じ取り、「ゆるんで」いくのです。 大企業病=官僚的組織の対義語は、起業家的組織でしょうか。 強い組織とは、社員一人ひとりが社長のように考える起業家集団である、と言う専門家もいます。 本当の仕事は誰かから与えられるものではなく、自らが生み出すものであり、勝ち取るものですし、 与えられる仕事は、そのままでは単に作業の域を出ません。そこにいかに工夫を忍ばせるか。 その社長の発想に一番近いフレームワークは何だろうと考えると、ひとつ浮かび上がりました。 valuable costing 直接原価計算の発想です。 この発想を社員一人ひとりが真に意識できたとき、会社の生産性は変わってくるハズ。 いうまでもなく、直接原価計算は、固定費は考えず、売上から変動費を引いたもの(貢献利益)を最大化させるのに有効な原価計算手法です。 この発想を、事業部門や部署はもとより、営業マンやスタッフなどの個人レベルにまで落とし込むことは出来ないだろうか? 必要になるもの ・売上と変動・固定費用の特定・分析 ・単純に組織や個人にひもづけ出来ない売上げや費用の配賦ロジック 問題になるのは、費用の配賦ロジックです。ここが一番議論・不満のもとになります。 この問題を解決する方法として、ドラッカーが推奨していた「活動原価計算」がヒントになりそうです。 これは低付加価値の業務が洗い出される、管理会計の手法です。 ●起業家精神を持った個人であるための、直接原価計算の発想。 ●付加価値の高い仕事を特定できるようになる、活動原価計算の発想。 (直接原価計算と活動原価計算は沢山の参考書が出ていますが、 『アメリカの管理会計』というUSCPAの参考書は、コンパパクトにまとまっていて非常に分かりやすいと思います) この二つを、低コストに業務へ落とし込むためには? そしてこの会計手法をもとに、社員が起業家のように発想し行動するためには? これが今の私の試したい課題です。 仕事は与えられるものではなく、自分で創るもの。 真に組織に貢献するために、3ヶ月後、半年後を見据えた仕事を心がけたいと思います。


