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2008/11/24

成形の功徳

恥ずかしながら、私は整理整頓が苦手で、特に書類やノートもそこらじゅうに散逸させてしまっています。

探し出そうとするだけで一苦労です。


仕事上周囲を見回すと、本当に仕事が出来る人というのは、基本として整理整頓がしっかり出来ているようです。

特に、「以前のこの資料の根拠はなんだったっけ?」と上長や顧客に問われた際、

書類・ファイル管理に優れた人ほど迅速に回答できます。




さらに一歩広げ、特に業務上の必要があるわけでもなく、自分の義務でもないけれども、

一所にまとめられずバラバラの資料や成果があったとします。

時が立てば、そのまま散逸してしまう類のものです。



そんな時、ちょっとした自分の手間や工夫で、人知れず取りまとめたり製本しておくとどうでしょう。

無形のモノをに形を与える行為であり、自分や他者に計り知れない恩恵を与えてくれます。



つまりきっちりと集約されて閲覧・検索可能になった資料は、内容は同じでも、新たな価値を生み出すことがあるのです。




これは私の仕事上の経験です。

会議では議事録を作る、

業務は他者に説明できるようにマニュアルや手順書として落とし込む、

自分のための日々の日報を書く・・・



こうした些細な記録・文書化の積み重ねは何を生み出すのでしょうか?

それは、自分・グループ全体の仕事を、客観的に理解できるようになるのです。



内部にいる人間には、些細な資料の蓄積が業務効率化のヒントとなります。

日々の忙しさに流されそうになっても、まとめられた仕事の資料を見れば、

意外と生産的な仕事をしていないことが分かるかもしれません。



外部の人へは、皮膚感覚に頼らず、自分たちの業務を明確に説明できるようになります。

外の目を意識することで、仕事の内容の質がプラスへ変化していきます。

他者に説明できない仕事、成果を形として提示できない仕事は、品質も怪しいものです。




こうした無形のものに適切な形を与えて中身を活かすことを、森信三先生は「成形の功徳」と読んでいます。







同じく形を与えるにしても、そこにいかなる形を与えるかによって、

内容は同じでも、その働きの上に相違を生じるわけです。




ここがいわゆる「成形の功徳」というものであって、

内容の上には何ら相違を加えることなくして、唯外から形を与えるだけのことでありながら、

しかもそれによって、内容そのものを活殺する意味が出てくるのです。

(『修身教授録』P184)




どんな些細な資料、ノート、記録も、綴っていく。まとめてみる。

こんな地味な作業が、内容を「活殺」するのです。

仕事の成果、創造物に対して生殺与奪の権を握っているのは、日のあたらないファイリング担当者かもしれません。

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