2008/09/16
末吉武の現場発!MR辛口コラム 第8号「エビデンスとデータの違い」
前号に引き続き配信が遅くなってしまいました。
申し訳ございません。
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末吉武の現場発!MR辛口コラム
第8号 2008/9/16
「エビデンスとデータの違い」
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私たちMRが医療従事者に提供するエビデンスは、医療従事者がEBM
(Evidence-Based Medicine)「根拠に基づく医療」をする上で、手助け
になるべき情報でなければなりません。ところが多くのMRはエビデンスと
単なるデータを混同し、なかには「証拠」とはなり得ないデータでDetail
をしているMRもいます。ドクターの立場から考えれば、MRがエビデンス、
エビデンスと日々宣伝していても、実際の診療に影響を与える「真のエビ
デンス」は年に1報あるかないかであり、最近ではエビデンスと聞いただ
けで、興味を失うというドクターもいるぐらいです。
ガイドラインとエビデンス
EBMが論じられるようになったのは欧米では90年代の初頭から、日本でも
90年代の後半に盛んになり、その後2000年から厚生労働省の補助金事業と
して各疾病の診療ガイドラインの作成が始まりました。
EBMが論じられる以前、MRは単なるケースレポートや、論文の中のデータを
抜き出し、処方アップの根拠、他剤との差別化などをしていました。ところ
が診療ガイドラインが登場すると、薬剤の処方にはガイドラインが重要視さ
れるとともに、臨床上参考にするべき試験のエビデンスレベルの評価方法が
示されました。そのため多くの会社ではそれまで頻繁に用いられていた再現
性の低い試験結果や、データの切り抜きなどを使った宣伝を慎むようになり
ました。
崩れたエビデンスの概念
ところが最近ではエビデンスという言葉の意味が、知ってか知らずか、乱用
されるようになっています。これはMRレベルに限った話ではありません。わ
ざとエビデンスという言葉を誤用している会社もあります。
ひどい会社では、単なるケースレポートをエビデンスとしてプロモーション
の根拠としているところがあります。また最近多く見られるのが、それなり
の雑誌に掲載されれば、エビデンスであるという会社もあります。(たとえイ
ンパクトファクターの高い雑誌に掲載されたとしても、必ずしもエビデンス
と言えるかどうかはわかりません。)その他、試験結果から導き出された結
論があるのに、その結論と違う中間データを用いてプロモーションしてしま
うことや、本試験のエビデンスレベルが高いのを良いことに、サブ解析を同
等のレベルがごとく利用していることもあります。ひどい場合にはさらに、
独自にサブ解析をしてしまう会社もあります。
業界にはプロモーション委員会があり、他社への誹謗中傷はチェックしてい
るようです。しかしながら、各製剤の臨床試験の結果については、まさに言
いたい放題の状況になっているのではないでしょうか。
データとエビデンスの使い方
今更ながら医療従事者は、MRが持ってくる「エビデンス」を鵜呑みにしている
ことはないと思います。しかしMRも自分が宣伝に利用しているデータについ
て、エビデンスレベルを認識してDetailするべきではないでしょうか。単な
るケースレポートでも実際の診療に役立つことは良くあることです。ガイド
ラインが確立していない疾患であれば、どのようなデータであれドクターの
診療の参考になるでしょう。ただ不必要に重要なエビデンスがごとく伝える
ことは、MRに対するドクターの信頼をなくすばかりか、診療の妨げになるこ
ともあります。
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