2008/08/03
末吉武の現場発!MR辛口コラム第5号「MR認定試験導入で何が変わったのか?」
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末吉武の現場発!MR辛口コラム
第5号 2008/8/03
「MR認定試験導入で何が変わったのか?」
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MR認定試験が導入されて10年がたちました。現在MRの総数は6万人
を超えているといわれています。プロパーからMRに呼称が変わり、MR
の質は向上したのでしょうか?
新人導入教育の変化
MR認定試験開始以前の新人導入研修は、ある程度のガイドラインはあ
りましたが、その内容は各社に任されていました。自社品に関連する
薬理薬剤学、疾病、PMSなどを6ヶ月間かけて教育する会社もあれば、
知識よりコミュニケーションスキル研修に力を入れる会社、または実
地研修に力をいれる会社もありました。それぞれの会社が独自の判断
で自社の製品ラインナップにあった研修をしていたわけです。しかし
ながらMR認定試験が開始されると、それら独自の研修スタイルは、大
きな変化を余儀なくされました。当初は共通のテキストを使いつつも、
自社品ラインナップにあった研修をしていた会社でも、各社の認定試
験の合格率が発表されるようになると、認定試験対策の研修に様変わ
りしました。会社によっては認定試験対策の研修を外部委託している
こともあります。いずれにしても業界全体としては、研修の主眼が自
社品に特化した深い知識から、医薬薬学に関する広く浅い知識に移っ
たことは間違いありません。
MRの質は向上したのか?
認定試験導入以前は、一部に不適切な新人導入研修をしていた会社も
あったので、業界全体で考えれば認定試験導入によりMRの質が向上し
たことは間違いありません。しかしながら、特に自社品のスペシャリ
ストとして、関連疾患等の知識を深く研修していた会社にとっては、
認定試験対策の研修を導入研修時に入れなければならないことが、MR
のレベル低下の一因になっているとの意見もあります。そもそも、MR
としては1人前には程遠いたった半年のMR実務経験しかしていない者
に、MR認定を与えてよいのかという声もあります。
導入教育を受ける側の新人のマインドにも変化が生まれています。認
定試験導入以前は、自社品とその周辺知識の習得を一番に勉強してい
ましたが、現在は自社品の知識より明らかに認定試験対策の勉強を優
先しています。この傾向は、導入当初の時期に外資系メーカーがMRの
増員をしていた事と重なったため顕著になったと考えられます。急激
な人員拡大により採用基準が低下したために「認定試験合格すれば転
職できる→認定試験合格すれば一人前」といった間違った認識が学生
や新人に広まってしまったようです。
実際現場において新人MRを見ていても、広く浅い知識を持つようにな
っているのかもしれませんが、一番重要な自社品関連知識については
明らに質が低下しているようです。
変わらない現場の新人育成法
昔も今も新人は現場に出てくると、10月には担当を持ち即戦力とし
て扱われています。私はこの育成方法に大いに疑問を感じます。ベテ
ランMRでも担当交代後はかなりの負担なのに、現在の新人は担当後す
ぐに認定試験まで受けなければなりません。従来通りの育成方法でよ
いのでしょうか?多くの会社では、指導員をつけるなど様々な手立て
を打っているとは思いますが、なかには担当を与えてその後「放った
らかし」の管理職もいます。業界のルールとして、新人MRには担当の
範囲を制限するか、あるいは重複担当をさせるなどして、より丁寧な
指導育成をしなければならないのではないでしょうか。
これからのMR教育
少子高齢化が進み製薬会社を取り巻く環境は厳しくなるばかりで、MR
にも高いレベルが求められています。MR認定試験が導入された頃には
平均レベルの底上げが求められていましたが、これからの時代MRが世
の中にその存在を認められるには、より高い専門性=自社品のスペシ
ャリストが求められています。MR認定試験のレベルが最低限の知識で
あるならば、現場に出る前に試験は終わらせるべきではないでしょう
か。(4月5月でも良いとおもいます)
昨今の御時勢、管理職は新人にしっかり指導もせずに、結果責任ばか
り追及していると「何も教えてくれなかったあなたが悪い」と刺され
ることになるかもしれません。
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