2008/05/29
自分の心にむなしく抵抗する母
不登校ライフの幕。 その幕は、わずかな音も聞こえないくらい静かに上がったものの、 その先には、壮絶な舞台が用意されていました。 その壮絶な舞台では、やがてやかましい音が鳴り響くのですが、 それは、まだ先のことです。 幕が上がり、舞台が見えても、いまだ音は静かなままでした。 母親に「やっぱ、今日も熱があるみたいやわ…(語尾は方言)」と言い、 「今日は休んだら?」という言葉を待つ朝。 そんな朝がつづきました。 私の心は、 「なんとなく、このまま世界が終わってくれないかな…」という思いでした。 「このまま静かに世界が終わってくれたら、なにもかもから逃げられるのに…」 という感覚でした。 その一方で、少しずつ母親の顔に不安が見え隠れするようになります。 はじめのころは、母親も、たいしたことのないように考えているようでした。 「ちょっと、学校に行きたくないのかな…」 その程度に考えていたのでしょう。 私の家族は、父の仕事の関係で土地を転々としていたので、 転校を余儀なくされている息子に「申し訳ないな」 という思いもあったんだと思います。 「転校して、新しい学校になじめなくて、少し学校が嫌になっているんだろうな…」 と、その程度に考えていたのかもしれません。 本当のところは分かりませんが、 とにかく初めの頃は、母親は落ち着いていました。 その表情は、「私の息子が不登校になんて、なるはずがない」 と訴えかけているようにも見えました。 でも、そんな母の気持ちは、私の手によって無残にも切り刻まれていきます。 (つづく)


