2009/12/04
銀行株(H株)は買いか?
//////////////////////////////////////////////////////////////// 2009年12月 4日 第79号 「中国株投資レッスン」 TS・チャイナ・リサーチ株式会社 田代尚機 発行 //////////////////////////////////////////////////////////////// 目次 1.銀行株(H株)は買いか? 2.お知らせ 1.銀行株(H株)は買いか? 先週のコラムで当局の銀行への規制強化について触れた。 銀行業監督管理委員会は、商業銀行に対して、自己資本を充実させるよう 指導していること、そのために銀行は増資しなければならないかもしれない ことなどを指摘した。当局がもっとも心配しているのは、資産価格の上昇。 不動産価格、株価が急騰するのを恐れている。 そもそも全人代で決めた今年の金融政策目標は、M2の伸び率が 17%前後、新規貸出増加額が5兆元。実際どうであるかといえば、 10月のM2の伸び率は29.4%、新規貸出増加額(1~10月累計)は 8兆9000億元に達している。 上半期を終えた時点で、当局は、銀行に対する管理を強化、貸出増加速度を 抑えようとした。それが8月の上海総合指数急落の主要因となった のであるが、その後の当局の規制強化はそれほど性急なものではなかった。 中国では、実績が当初の計画を上回ることが多い。足元での規制強化の 動きは、この時期恒例の引き締めなのか。あるいはそれを超える 厳しいものなのかで、市場関係者の見方は大きく分かれている。 こうしたやや緊張感のある状態で、2日、政府投資会社であり銀行株を 大量に保有する中央匯金投資有限責任公司(CIC)が、4大商業銀行 (ただし、上場3社)の利益分配分を資本金に充当させるかもしれないと マスコミは報じている。 東方早報の試算によれば、中国銀行における2009年の純利益は 789億元と予想、うち、50%を配当に回したとする。CICの 持ち株比率は67.5%。これらのデータから計算すると、中国銀行の 自己資本比率は0.5ポイント引き上げられることになる。同じような 試算によれば、工商銀行の自己資本比率は0.52ポイント、建設銀行は 0.56ポイントそれぞれ引き上げられることになる。 人民銀行、銀行業監督管理委員会など金融監督部門は資産インフレを 心配している。だから自己資本比率規制を使って、銀行貸出を抑えよう としている。銀行の立場としては、当局の支持どおり、自己資本を 充実させましたよといいたいのであろう。しかし、もしこの内容が本当で あったとすれば、CICの行動は金融監督部門の管理強化に水を指すような ものと言えなくもない。国務院の中でも、金融政策を巡り、意見の対立が あるようだ。 金融は引き締め気味となるのか、或いは若干ペースダウンするだけなのか。 来年の金融政策如何によって、株式市場は大きく左右される。来年の 方針は、中央経済工作会議を経てはっきりするのであろうが、投資家の 関心は非常に高まっている。 今後の見通しについて、コメントすれば、引き締め気味の金融政策が 採られる可能性はそれほど大きくないであろう。先週、ドバイ・ショックが 起きたばかり。経済はV字回復を果たしたとはいえ自律回復には至って いない。来年も金融面からのサポートは不可欠である。 また、金融監督部門が警戒しているのは資産バブルである。必要なところに お金が流れるようにするには金融を緩和した状態に保たざるを得ない。 しかし、銀行管理を通じ、株式市場、不動産市場に流れる資金を調整する といった別の政策ルートがある。株式市場に資金が大量に流れ込むことは 期待できないかもしれないが、金融緩和状態に見合った程度には、資金は 流れ込むであろう。 政府は本土株式市場が穏やかに上昇トレンドを描くことを期待している。 “金融政策の転換により、株価(本土)が天井を打つ”ことを心配する 必要はないだろう。 こうした前提に立てば、銀行の好業績は続くであろう。人民元上昇期待の 高まりも、銀行株には有利である。また、現在のH株大手3行(工商銀行、 建設銀行、中国銀行)のバリュエーションは来期予想PERでみると、 13、14倍程度。成長性、注目度などを考えれば、割安水準である。 ドバイ・ショックによる影響は軽微。各行の株価(H株)は先週の急落から かなり戻してしまったが、中長期投資としては依然として買い場であろう。 ---------------------------------------------------------------------- 2.お知らせ 【セミナー】 12月9日(水)、20:00より、マネックス証券主催による 中国株オンラインセミナーで講師を務めます。詳しくは、 マネックス証券ホームページをご覧ください。 https://seminar.monex.co.jp/public/seminar/view/1311 【チャイナビ】 ユナイテッドワールド証券ホームページ上の中国株情報コーナー 「チャイナビ」を担当しています。チャイナビでは、映像で中国株情報を お伝えします。時間は3分~5分、毎週月曜日、水曜日に更新されます。 【マネックス中国レポート】 マネックス証券ホームページ上の中国株欄にて毎月中国レポートを配信、 投資戦略、注目5銘柄などを紹介しております。月初めをめどに更新されます。 【サーチナコラム】 毎週月曜日、サーチナ社中国情報局コラム欄(Yahoo!ニュース、 Yahoo!ファイナンスにも転載)にてレポートを発表しています。内容は、 マクロ経済、株式市場、投資戦略、注目銘柄の紹介などです。 --------------------------------------------------------------- 中国株投資レッスン 発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ 配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000265585.html ---------------------------------------------------------------


