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TS・チャイナ・リサーチの田代尚機がお届けします。中国経済や中国株投資に関するエッセイを中心に、タイムリーな投資情報、投資戦略などをお伝えします。中国株投資で資産を大きく増やしたいと考える方はもちろん、ただ中国が好きだという方も大歓迎です。

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2009/09/18

アメリカにとって米中貿易摩擦激化は命取り

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                     2009年9月18日 第68号

          「中国株投資レッスン」

        TS・チャイナ・リサーチ株式会社 田代尚機 発行
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          目次
          1.アメリカにとって米中貿易摩擦激化は命取り
          2.お知らせ

1. アメリカにとって米中貿易摩擦激化は命取り
 11日夜、アメリカ政府は特別セーフガードとして中国製タイヤに上乗せ
関税を3年間かけると発表した。これに対して中国商務部は13日、
アメリカ製の一部自動車と鶏肉製品について、反ダンピング調査の
手続きに入るなどの対抗措置を打ち出した。

 更に商務部は14日、このセーフガード発動は不当だとして、WTOに
提訴すると発表した。来週G20首脳会議が開かれる予定だが、この問題も
含め、保護貿易主義に対する措置が大きなテーマとなる見通しである。

 米中貿易摩擦の拡大が懸念されるところである。他国が別製品で追従する
ような動きもみられ、中国経済への影響が心配される。もっとも株式市場は
この問題についてほとんど反応していない。

 まず、本土市場について。14、15日における上海総合指数の動きを
みる限り、マーケット全体に与える影響は皆無であったといえよう。
個別銘柄では、14日こそ、タイヤメーカーが軒並みストップ安となる
など、大きな影響を受けた。しかし、そうした銘柄も15日には早くも
大きくリバウンドしている。輸出関連への影響が心配されたが、こちらには
ほとんど影響が出ていない。

 次に、香港市場について。14、15日におけるハンセン指数の動きは
軟調であった。現地のマーケットコメントから下げた要因を探してみたが、
この問題は多少影響しているようであった。輸出関連、特に
海運セクターなどには影響がみられた。しかし、16日以降、
ハンセン指数は大きく上げている。輸出関連も同様な動きとなっており、
この時点での影響はほとんどないといえよう。

 アメリカの貿易統計を調べてみると、今年1-7月の対中貿易赤字額は
全体の赤字額の46.3%を占める。国別輸入をみると中国がトップで
全体の18.7%を占めている。全体の輸入額が32.4%減少する中で、
中国は14.2%しか減っていない。これだけみると、アメリカの憤りも
わからないでもない。

 しかし、輸出をみると、カナダ、メキシコに次いで第3位である。構成比は
6.1%だが、全体の輸出が24.8%減少する中で、中国は
17.2%しか減少していない。そもそもこれだけ密接な貿易関係を
築いてしまっていては、アメリカ経済は中国経済なくして成り立たない。
中国側が指摘しているように、“中国からのタイヤ輸入を制限して困るのは
アメリカ人である”といった面もある。

 また、アメリカの国際収支の推移をみると、2007年までは海外から
有り余る投資がアメリカに流入しており、それが海外への投資として
還流していた。しかし、リーマンショックのあった2008年は海外への
投資が激減した。そこで浮き彫りになってきたのは、アメリカは長年、
多額の貿易赤字を海外からの投資でファイナンスしてきたことである。
つまり、海外の資金が流入してこない限り、アメリカ経済は成り立たない。
海外とはどこであろうか。アメリカにとって一番大事な国は、世界で最も
多額の外貨準備高を誇る中国である。

 2009年6月末時点でのアメリカ国債の保有国トップは中国であり、
23.0%も保有している。ちなみに、第2位は日本で21.0%。
第3位はイギリスであるが、比率はずっと減って6.3%に過ぎない。
ここでも中国の存在は非常に大きい。

 表面的な金融危機は過ぎ去ったのかもしれない。しかし、経済構造、
国際金融貿易構造、財政構造などからみて、アメリカの危機は過ぎ去って
おらず、今後さらに弱体化しかねない状態だ。こんな状態で、アメリカは
中国と関係を悪化させるわけにはいかない。逆説的ないい方をすれば、
アメリカ側から米中関係を悪化させるようなことはないだろう。株式市場が
この問題について、大きな反応を示していないのは多くの投資家が
このように考えているからなのだろう。

 1つだけ心配なことがある。それはオバマ大統領が産業界を抑えることが
できなくなってしまうことである。鉄鋼関連業界なども中国に大きな不満を
持っている。産業界を代表する共和党が勢力を増し、政治が混乱することが
一番のリスクである。中国株といえども、グローバル経済の影響を完全には
払拭できない。


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2.お知らせ
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お伝えします。時間は3分~5分、毎週月曜日、水曜日に更新されます。

【マネックス中国レポート】
 マネックス証券ホームページ上の中国株欄にて毎月中国レポートを配信、
投資戦略、注目5銘柄などを紹介しております。月初めをめどに更新されます。

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 毎週月曜日、サーチナ社中国情報局コラム欄(Yahoo!ニュース、
Yahoo!ファイナンスにも転載)にてレポートを発表しています。内容は、
マクロ経済、株式市場、投資戦略、注目銘柄の紹介などです。

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