2009/05/29
中国株投資レッスン
//////////////////////////////////////////////////////////////// 2009年5月29日 第52号 「中国株投資レッスン」 TS・チャイナ・リサーチ株式会社 田代尚機 発行 //////////////////////////////////////////////////////////////// 目次 1. 悪いのは統計局ではなく、統計作成システムだ 2.お知らせ 1. 悪いのは統計局ではなく、統計作成システムだ 現在、セミナーの準備に忙しい。今回のセミナー(ユナイテッドワールド 主催オンラインセミナー、29日19:30〜21:00開催)では、“景気回復が ほんものかどうか”といった点が一つの焦点であり、できるだけ詳しく 分析したいのだが、なかなかうまくいかない。 景気に関して、細かく統計を見れば見るほど、納得がいかなくなる。 一番手っ取り早いのは、政府の発表通りに評価することである。政府系の エコノミストも、各メディアで解説をしているので、それを参考に すればいい。しかし、それで済むなら、素人と変わらない。生産、支出の 動向を示す統計データをグラフ化して、その水準や傾向を比べることで、 経済の実態を丁寧に説明したいのだが、いくつかの点で矛盾が起きてしまう。 一番困るのは発電量が昨年の10月以降、マイナスとなっている点だ。 実質GDPも工業生産(付加価値ベース)も、減速傾向が著しいがプラスを 維持している。マスコミは、“経済は底打ちし、回復基調を強めている”と 喧伝しているが、発電量のチャートを見る限り、“底打ち”とまでは 言い切れない状態。政府やマスコミの説明と実際のデータの動きとの 間には、かなりの温度差がある。 電力消費(発電量ではなく、電力消費を指標として使用)とGDP成長率 との乖離については、欧米のマスコミが早くから注目している。 5月15日、ある国際機関がこの点を指摘、そのことをウォールストリート ジャーナルが大きく報道したようだ。手元には、5月26日、証券時報に 掲載されたこうした報道に対する反論記事がある。統計局の責任者は、 乖離の理由として、次の2点を指摘している。 1.今年の第1四半期、産業構造が大きく変化した。電力使用量の比較的 少ない第三次産業のウェイトが高まり、その三次産業の成長率が高かった。 2.電力消費の大きな産業の生産が減少し、電力消費の小さなハイテク産業が 大きく成長した。 “アメリカでも、2001年には電力消費が3.6%減少したが、GDPは 0.8%上昇しており、1991年には電力消費が5%増加したが、GDPは 0.2%減少している。日本でも韓国でも似たようなケースがあった・・・”。 この説明ではちょっと苦しい。まず、第三次産業が伸びたというが、 工業生産だってプラスである。それに構造変化というものは、そんなに 短期間で顕著に表れるものではない。 工業生産と発電量とをチャートにしてみると、明らかに昨年前半より かい離が始まっている。電力消費の小さなハイテク産業が大きく成長した という主張であるが、昨年前半から直近の第1四半期までの企業業績を 見ても、そんな形跡は見られない。そもそも、その前の数年間は物価を 考慮にすれば、非常に似通った動きをしていた。ハイテク産業の生産が 少し伸びた程度で影響を受けるような不安定な関係ではないであろう。 海外の例を引き合いに出しているが、実質GDPが6.1%もの高い 伸び率であるのに対して発電量は2%もマイナスである。月次でみれば、 10月からマイナス成長が続いている。乖離の程度が先進国よりも大きすぎる。 こうして考えてみると、残念ながら、後から理由を探しただけのように 見えてしまう。国家統計局が悪いのだろうか。 今回の景気回復は言うまでもなく、政府主導による回復である。投資や 消費を引き上げるために、政府は必死になって政策を打ち出している。 結果が出なかったとしよう。政府の指令・指示は伝わったのだろうか。 誰が責任を負うべきなのだろうか。 政府の指令・指示系統と統計の作成系統は非常に近い。電力のように 精度の高い統計から、設備投資のように精度の低い統計まで、統計精度が 均質でないからどうしても矛盾が起きてしまう。統計局が故意に結果を 捻じ曲げようとしているのではなく、統計作成システムに問題があるのだろう。 中国のような社会主義国ですら、政策によって、経済を動かすのは 容易ではない。時間がかかる。しかし、相対的にみれば、主要国の中で中国は、 経済に対して最も大きなコントロール力を持つ国である。時間の問題である。 経済の回復がマスコミの言うほど早くないからと言って、心配する 必要はない。 ---------------------------------------------------------------------- 2.お知らせ 【ベトナム不動産セミナー&視察ツアーのご案内】 5月23日(土)、5月24日(日)、アジアンバリュー社主催、日本アジア証券 後援による「ベトナム不動産セミナー(無料)」で、ベトナム経済を中心に 世界、アジアの経済について講演しました。 中国と隣接するベトナムは、今後中国の発展によって大きな恩恵を受ける国 の一つであります。一方で、輸出主導型経済から内需主導型経済へと 構造転換を図る中国から輸出産業を大きくシフトさせることで、ベトナムは 成長を大きく加速させようとしております。 ポスト金融危機で大きく台頭するだろう中国。その中国との結びつきを 強めようとしているアセアン諸国。とりわけベトナム。工業化の初期段階、 経済がこれから大きくテイクオフしようとしているベトナムは、中国と並び 最良の投資先だと思います。 7月(7日〜12日)には視察ツアーが行われます。一度この目でベトナムの 成長を確かめてみようとお考えの方にはぜひともお勧めのツアーです。 ちなみに、私も同行する予定です。 詳細・お申し込みはこちらです。↓↓ http://r26.smp.ne.jp/u/No/65274/f7RWgBaEGt10_2681/090424002.html 【平日毎朝配信!無料メールマガジン『Daily MONEY JAPAN』創刊!】 いよいよ「MONEY JAPAN」が復活するそうです。 ご興味のある方は、一度、ご覧になってみてはいかがでしょうか。 (以下のご紹介は、5月25日よりも前にかかれたものです。) > 〜“マネー情報発信”は新たな時代へ!〜 > > みなさん、こんにちは。 > MONEY JAPAN編集長の辻森です。 > > 6月号(4/21発売号)で休刊となった > 月刊誌『MONEY JAPAN』は、 > メールマガジンを中心とした新たなメディアに生まれ変わります。 > > これまで毎週金曜日に配信していたPDF型メールマガジン > 『マネーエクスプレス(MONEY EXPRESS)』をリニューアルし、 > 平日毎朝配信とし、的確な情報をタイムリーにお伝えしていきます。 > > 今後は、 > ●速報性を重視した平日毎朝配信 > 『Daily MONEY JAPAN』(テキスト形式) > ●1週間を振り返り、翌週の戦略を考えるための > 毎週配信『Weekly MONEY JAPAN』 > を発信し、 > 読者の皆さまのニーズにお答えします。 > また、じっくり読みたいというニーズには > ムック、新書、書籍を製作するなど、 > 幅広い形でのマネーコンテンツの展開を考えております。 > > 『Daily MONEY JAPAN』では、以下の情報を準備中です。 > ・日本株、為替など、前日ニューヨーク市場の動きや > 当日朝までのニュース解説と分析を行ない、 > 投資に必要な情報をコンパクトにお届けします。 > ・アナリスト・木下晃伸氏による「今日のニュース早読み」や、 > 投資情報会社「FISCO」による「今日の特選・注目銘柄」を連載します。 > 毎朝届くホットな情報で、投資力がみるみるアップ! > > 『Daily MONEY JAPAN』の > グランドオープンは5月25日(月)の予定です。 > > ぜひご期待ください! 【セミナー】 5月29日(金)、19:30より、ユナイテッドワールド証券主催のオンライン セミナーで講師を務めます。テーマは「景気回復の信憑性を探る」です。 詳しくは、ユナイテッドワールド証券ホームページをご覧ください。 (申込は終了しました) 【チャイナビ】 ユナイテッドワールド証券ホームページ上の中国株情報コーナー 「チャイナビ」を担当しています。チャイナビでは、映像で中国株情報を お伝えします。時間は3分〜5分、毎週月曜日、水曜日に更新されます。 --------------------------------------------------------------- 中国株投資レッスン 発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/ 配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000265585.html ---------------------------------------------------------------



