2009/09/17
2012年大統領選、早めに仕掛けたプーチン首相の焦り、メドベージェフ大統領の反発
★☆★ 「現代ロシア政治・経済の展望」 ★☆★
2009年9月17日 (木)
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★ 2012年大統領選、早めに仕掛けたプーチン首相の焦り、
メドベージェフ大統領の反発
前号で書いたように、プーチン首相は9月11日、モスクワ郊外の
ノヴァ・アガリョーボにある首相別邸で開催された
「国際討論クラブ・バルダイ」の内外の専門家、ジャーナリストとの
懇談会で、メドベージェフ大統領と「話し合い」でどちらが
出馬するか決める、と言明した。
これは失言の可能性が出てきた。失言と言うより、じわじわと
自己主張を強めるメドベージェフ大統領の本音に不安感を
抱きはじめたプーチン首相がアメリカの政治学者の質問に挑発され、
うっかり本音を明かした可能性がる。
2012年3月の大統領選まで実質2年半ある。
経済危機にも拘らず世論調査で圧倒的な支持率を保ち、
メドベージェフ大統領の支持率を常に上回っているこの時期に
何故、実質の2012年の大統領復帰を臭わしたのだろうか。
このような観測を思いつかせたのは、この懇談会から4日後に、
メドベージェフ大統領もまたこの「国際討論クラブ・バルダイ」の
メンバーと懇談会を持ったのである。
しかも、会場は赤の広場をはさんでクレムリン宮殿の反対側にある
ロシア(ソ連時代から)を代表する「グム百貨店」の
「展示場」であった。
会場まで赤の広場を徒歩で向かった大統領の周りには観光客が
いっせいに集まり、写真を取るもの、握手をするものと大騒ぎ。
意図的なものを感じる。会場が近いとは言え、何故、徒歩で?
9月14日、44歳の誕生日を迎えたばかりで、祝福を受ける。
(私注:プーチン首相は10月7日、57歳の誕生日)
懇談会では内外の政治学者やジャーナリストの率直な質問に
ジョークを交えて答えている。
そして、興味を引いた表現は、
「自分の将来に無関心と言うことはない」と、プーチン首相の
一方的な「話し合い出馬」発言をちくりと刺す。
質問したアメリカ人政治学者に対し、「プーチンと私のどちらが
年上か、と訊くのではなく、2012年の大統領選に立候補するのか、
と言う現実的な質問をしてくれましたね」とご機嫌。
「私はどちらかと言うと、ものごとを継続的に進めるタイプの
人間で、自分の考えを最後まで追い続ける」と言明。
ただ、これ以上は深入りせず、「将来のことは推測しないように
したほうが簡単」と結ぶ。
ところが、「ロシアでも政党代表が大統領になると言うことを
イメージすることは可能でしょう。2012年には実現する
かも知れない。何れにせよ、生きていれば分ることです。
傾向はあります。この傾向は人びとが感じること」と
付け加えたことがロシアのマスコミで、
「すわ、メドベージェフ、与党に入党か?」との観測を呼ぶ。
いずれにせよ、メドベージェフ大統領が「兄」、「恩人」の
言いなりになっていると言う批判に対し、明らかに
「自己主張」をしたことは間違いない。
プーチン首相の「勘」(危惧)が当たっていると見るべきであろう。
一人歩きを目指すメドベージェフ大統領の行く手を阻もうとすれば、
プーチン首相は矛盾に嵌まってしまう。
すでに、一般世論調査の支持率とは別に、地方知事やジャーナリスト、
官僚の中に、メドベージェフ大統領へのシフトが目立っているとの
見方が出ている。
大統領府のスールコフ副長官がプーチン首相派から
メドベージェフ大統領派に変身したとの観測が出て久しいが、
イデオーログとして才能を発揮してきたスールコフ氏の動きは
関心を呼ぶ。
★ メドベージェフ大統領、オルガルヒ(寡占資本家、財閥)を批判
前述の「バルダイ・クラブ」との懇談会で、
自論の「資源依存型経済からの脱却」を阻む勢力として、
資源大手の経営者の怠惰を厳しく批判。
資源市況の急回復でどうやら最悪の経済危機から
脱出しつつあることで政府も大統領府も共通認識に達しているが、
大統領は、再び資源市況が急落した場合、ロシア経済は今回の
経済危機を超える壊滅的なダメージを受けると警告。
彼らはソ連時代の遺産を食い潰すだけで、資金を
ベンチャー企業や国民に必要な商品の製造に投資する気がない。
ただ、これはオリガルヒに対する宣戦布告ではなく、
「ニュービジネスは面白いではないか」と考えるから
言うのだと、若干の修正。
最後に、「皆さんも機会あるごとにこのことを話し、
また記事にして下さい」と呼びかけた。
メドベージェフ大統領は明らかに、西側ジャーナリストの支持を
テコにじわじわと自己の改革路線を浸透させようとする戦術を
とっていると言う見方が出ている。
プーチン首相の焦りはその辺を感得してのものであろう。
★ 北コーカサスのテロ頻発、地元行政機関の連邦資金の
流用を臭わす、メドベージェフ大統領
イングーシ共和国、チェチェン共和国、ダゲスタン共和国で
自爆テロが頻発しているが、メドベージェフ大統領は
連邦から相当の資金が注ぎ込まれているが、雇用の増大などで
実効を挙げていないと慨嘆。
その理由は、資金の一部が「効率的に使われていない」
(私注:闇に流れる)ためでもあると行政の暗部を示唆。
イングーシ共和国のエフクーロフ大統領を襲ったテロは
「汚職勢力」が如何に正義感の大統領が眼の上のたんこぶか
であるかを証明したと、同大統領の奇跡の快復を歓迎。
★ ブッシュ前大統領とは形式的会談、オバマ大統領は話せる、
メドベージェフ大統領の告白
ブッシュ前大統領は自分の取り巻きが用意したテーマで話が
終わるので、1時間半で話題は尽きた。
それに対し、オバマ大統領はそのような「紙」を持たず、
自由に自分のペースで会談を進めるため、モスクワに
来たときには、8時間も話し合ったと。
★ ユーシェンコ・ウクライナ大統領をけちょんけちょん!
メド大統領
前述の「バルダイ・クラブ」メンバーとの懇談会、
「ユーシェンンコ大統領は4年間に国内での政治経済政策で
下がるに下がるとこまで落ちた。・・・」
★ ロシア経済、危機脱出、第4・四半期は
GDP+2.4%に(対3・四半期比)
クードリン財務相(副首相兼務)は9月15日、下院で報告。
8月は1.5%の伸び(対7月)。
★ サッチャー首相、ゴルバチョフ書記長に
東西ドイツ統一阻止を懇願、ザ・タイムズ紙
最近、英国外務省の公文書が公開され、1989年のベルリンの壁
崩壊を前に、「鉄の女」サッチャー首相(当時)が、
「ドイツの統一は英国も欧州も望んではいない。
世界秩序の安定に不安」と指摘、ゴルバチョフ書記長(当時)に対し、
「ベルリンの壁」の開放を認めないよう懇願したとのこと。
歴史の皮肉。サッチャー女史の生存中にこのような史実が
明らかになるとは。
★ ロシア株式市場、過熱?資源市況回復で連日、
年初来高値抜く
9月16日の
RTS指数 1246.81
MICEX(MMVB)指数 1217.67
MICEX市場
ガスプロム 181.99
ノルニッケル 3569.79
ズベルバンク 61.75
ロスネフチ 224.40
VTB 0.06
スルグートネフチ 27.90
ポリュスゾーラタ 1407.00
ただ、RTSは MICEXを抜いたが、
6月18日の高値 1445.56 まで未だ届かず。
★ サヤン・シュシェンスク水力発電所、修復困難?
新設が現実的?
75人の死者確定。未だに事故原因が不明。
ダムのコンクリート遮蔽ブロックの劣化が水圧に
耐えられなかったと言う説も出始めており、
ソ連時代の巨大建造物の劣化に対する現実的危険性が
囁かれている。
重工業施設も含め、損害保険をかけるのがベターと言われる。
プーチン首相は、この種の事故は、技術的管理の緩み、
操業規則の軽視など、人的要因も排除されないと警告。
しかし、至急、修復を指示。
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文責 ヨーゼフ・サハロフスキー
メドベージェフ大統領も人の子。プーチン首相が
国民の支持率の高さに油断し、自己変革を怠ると、
逆転の可能性が出てくる。
プーチン首相の能力は高いし、まだ若い。
改革派に転ずる可能性は残っている。
それにしても、意外と2人とも率直な語り口。外国人には?
いや、官営メディアも意外と2人の発言は上手く
編集して報道?
メドべージェフ派が蠢いているのでは?
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