「現代ロシア政治・経済の展望」  RSSを登録する

遂に、国民の大義で再選決断したメドベージェフ大統領!既にプーチン首相、2012年大統領返り咲きを実質表明で暗闘状態に!経済危機はプーチン政権に変革をもたらすことなく、他力(中国・インド他)と金融努力で脱出。国営企業の株式公開で第2次民営化の波!保守派(既得権益死守派)と改革派(国益・私益の拡大と機会平等派)のせめぎあい活発化。プーチン前大統領の功罪も歴史的必然。急がば回れ、「民主化」こそ、救国の道!

  • 発行周期 週刊
  • 最新号 2009/11/13
  • 部数 197部
  • メルマガID 0000265174
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2009/06/18

「上海協力機構」、中国経済圏拡大のトロイの馬、ロシアの焦り


     ★☆★ 「現代ロシア政治・経済の展望」 ★☆★
     2009年6月18日 (木)

     ★ 「上海協力機構」、中国経済圏拡大のトロイの馬、ロシアの焦り

     6月15日〜16日、ロシア・ウラル地方のエカテリンブルグ市で開催
     された国際会議で、中国国家主席の控えめな行動に比べ、開催国の
     ロシア側は、メドベージェフ大統領の力みが目立った。

     勿論、主催国であるから、どの場でも主役。ところが経済大国中国の
     胡錦濤主席は物静かで、感情を抑え、ジェスチャーも小さく、あくまでも
     控えめ。
     カザフスタンのナザルバーエフ大統領は年功から結構目立っていた。

     さて、ロシア、中央アジア、中国による同地域の政治経済協力と地域の
     安全を柱にしたこの組織の目的は価値観において、反米、反欧州なのか、
     グローバリズムの地域限定連合なのか。

     イランのアハマドネジャフ大統領の出席が特筆されたように、ロシアの
     狙いは反米地域連合が見え隠れする。ところがインド、アフガニスタンも
     オブザーバーとして招待されており、その内実は意外と矛盾に満ちている。

     ここで一人勝ちは中国である。
     経済危機が一山超えた中国の余裕が随所に見られた。まず、上海協力機構
     に100億ドルの供出を宣言。慌てたロシアは、ドゥヴォルコーヴィチ
     大統領経済補佐官が、「この資金を経済危機対策に回してはならない」と
     苦しい胸の内を吐露してしまった。

     カザフスタンは既に200億ドルの融資を受け、トルクメニスタンも30億
     ドルの融資により天然ガス田開発を促進。タジキスタンは電力不足解消の
     切り札「水力発電所」建設の支援を約束されたようである。これは、ロシア
     の権益とぶつかる問題だが、経済事情の苦しいタジキスタンは一向に腰を
     上げないロシアへの牽制球を投げたものと見られる。

     このように、経済危機がもろに国内製造業を襲ったロシアの窮状を見透か
     したような中国を前に、プーチン首相も心穏やかならず、と言った風で
     あった。

     胡錦濤主席との会談で、皮靴が落ち付かなく絨毯を叩く。
     そのプーチン首相は10月、訪中の予定。

     ★ 韓国と中国を天秤にかけるカザフスタン、ウズベキスタン

     カザフの油田の20%が中国資本。中国脅威論が未だに消えないこの国
     では、日本、韓国などの経済進出を大歓迎。

     中国との激しい競争入札で、バルハシュ火力発電所建設を受注。
     2454億円相当。

     ウズベキスタンは韓国車が主流。

     ★ 中ロ国交樹立60周年でモスクワ入り、胡錦濤主席、史上最大の
         100億ドルエネルギー関連契約

      エカテリンブルグ市で開催された上海協力機構、BRICs会議を終えた
      胡主席は6月17日、モスクワ入り。今年60周年を迎える両国の国交
      樹立記念式典に参加予定。

      メドベージェフ大統領は両国の経済関係の拡大と国際貢献について意見
      交換。そこで、アメリカ・ドルに替わる国際決済通貨問題で具体的提案。
      両国間の貿易決済はルーブルと元で行なうと言うもの。すでに、財務省と
      中央銀行に検討を指示したとのこと。

      果たして、中国がルーブルを決済通貨として認めるか、関心のあるところ。
      ところが、胡主席は「中国へのパイプライン敷設は計画期間内に完工しな
      ければならない」と述べている。エネルギー戦略が最優先とみえる。

      売る側のロシアは資金不足。どうしても中国が有利な条件で交渉を進めて
      いるように思える。

      それとも、石油、天然ガスの供給が開始されれば、その後からは、
      「止めるぞ」の脅しでイニシャティブを取れると言う「深謀遠慮」の
      ロシア戦略?

      ★ ベロルーシの乳製品輸入再開、ロシアの駆け引き?ルカシェンンコの
         勝ち?

      ベロルーシが1996年から中断していたロシアとの国境検問の再開と
      税関検査の強化の動きを見せて2日後、何があったか、急遽、ロシアは
      ベロルーシの乳製品の輸入を許可した。ドライミルクは9月一杯禁止は
      変わらずとか。

      プーシン首相は閣議でクードリン財務相の方をみながら、「言葉は慎まな
      けりゃならない。例え相手が何を言おうと、感情的になっては
      ならない・・・」。

      ニヤリとした表情。それはベロルーシのデフォルト可能性を口走ったこと
      への忠告なのか、それとも、「ベロルーシには、もう大統領の席に
      飽きた人がいる」(ルカシェンコ大統領への恫喝)と言った
      メドベージェフ大統領への忠告なのか、それとも最近の自らの感情爆発を
      自省してのものなのか、意味不明。

     それにしても、最近のプーチン首相、やたらと感情を爆発させ、TV映像で
      それを放映させているが、国民受けを狙ったものとすれば、現代政治体制
      からはどんどん後退した「先祖返り」(共産党書記長型)になると危惧する
      向きが多くなっている。

      ★ ダーリキン沿海州知事、夫人の資産で「ロシア・タングステン工場」
        再開

      美談?いや、プーチン首相が来る前に解決せざるを得なかっただけ。
      それにしても、自分名義の不動産も自家用車もなく、清潔知事と思いきや
      ウラジオの劇場で女優業の傍ら、ビジネスで財を成した奥さんが結構な
     「古いマフィア」系とか。

      ★ 極東管区、賃金未払い状況、イシャーエフ極東大統領全権

      ヤクート共和国が最大で5億ルーブル(約15億円)。ハバロフスク州
      (注:「地方」と訳すのには抵抗があるので、失礼。因みに、
       ウクライナ大使を解任された元首相のチェルノムイルジン氏は、
      「Na」ウクライーネ 、とは言わず、「 V 」ウクライーネ、と
      訂正している。時代の流れ。「地方」と訳すなら、正直に「辺境」と
      訳したほうが正しい?)の賃金未払い金4億ルーブル(約12億円)の
      ほとんどが「ダリアビア」(極東航空)と「コムソモールスク・ナ・
      アムーレ造船工場」の倒産によるものとのこと。

      ★ ロシアの工業生産、5月 17%下落(対前年同期比)、自動車工業は
         64%の下落

       確かに、悲観論が出てくるのが理解出来る。製造業の崩壊に近い
       このような数字、ロシアが抱える産業構造の転換の遅れがここまで事態を
       深刻化させているとは。

       トラック製造は72%下落(対前年同期比)。

       フリステンコ工業大臣の悲観論はもっともなこと。プーチン首相の国内
       産業保護の掛け声にも一定の理解が出来る。

      国外に流失したオルガルヒー(寡占資本家、成金資本家)の資産を
     「税の控除」政策で還流させるか、タックスヘーブンの規制をアメリカと
      一体となって実現するのも一つの手ではないだろうか。

      本当は、経済の自由化と経済マフィアの跋扈、汚職官吏の蔓延が同時に
      発生したことが悲劇の始まり。しかし、解決できないことはなし。
      国民の声を反映する議会。それには政治の自由化が「急がば回れ」の
      解決策ではないだろうか。 

        ***************************

      前号での「日経平均もこのまま上昇は無理。ロシアもそろそろミニ
      バブルの調整を予見しておいた方が無難。」は当たったようです。

      RTS指数、MICEX指数は1000台を割ってもしばらく反発は
      弱いと思います。

      いつものとおり、自己責任でお願い致します。

                   文責    ヨーゼフ・サハロフスキー

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