2009/04/16
ロシア国防省、将軍、将校の退職金支払い不能 !
★★ 「現代ロシア政治・経済の展望」 ★★
(2009年4月16日)
★ ロシア国防省、将軍、将校の退職金支払い不能
経済危機の影響により、「徴兵制」から「職業軍人制度」への
転換を図るロシア国防省は、予算不足のため、歴史的制度改革を
無期限に延期することを余儀なくされている。
また、人件費削減では大ナタを振るいたいセルジュコフ国防相、
抵抗する幹部らを解任もできず、退職金を支払う義務のない
「自主退職」を待つのみ、とか。
★ ロシア・ソチ市長選、大混沌 !政権側による違法大量
「不在者投票」の強制
4月26日(日)まで11日あるが、選挙運動は2日前の4月24日
(金)まで。候補者登録が認めれれたゴルバチョフ元大統領の同志
(社会民主主義改革派、富豪)であるレーべェジェフ氏が、
ビジネスのトラブルからある実業家に告訴され、ソチ市中央区
裁判所により「候補者」資格の停止処分をうけている。同氏は
クラスノダール州裁判所に意義申したてを行なっているが、どう
なることか。
権力側の陰謀か、それとも民主派「連帯」共同代表ネムツォフ候補を
有利にするための民主改革派の戦術か?勿論、ネムツォフ氏は、
「レーベジェフ氏の立候補を妨害する裁判所の裁定は違法である」と
強調している。
また、準与党「正義のロシア」党候補クルプトコ氏とロシア共産党
候補ザガーニヤ氏の両氏もまた、ソチ市中央区裁判所により、
「候補者登録資格なし」の裁定で、実質的に選挙運動が出来ない
状態に。
共産党は、「すでに政権側による露骨な選挙妨害が行なわれて
いる証」と糾弾。
興味深いことに、ソチ市選挙管理委員会がこのソチ市中央区裁判所の
決定に対し、クラスノダール州裁判所に「裁定」取り消しを求めている。
勇敢な行動と、驚き。
このような混沌とした選挙戦の中、行政官庁(幼稚園、文化会館など)
職員や民間会社に対して、集団不在者投票を強制する動きが活発化して
いるとのこと。
選挙規則では、投票所まで車による「集団」移動は禁止されていると
いうのだが、連日、バスを連ねて、300人、500人単位の集団
不在者投票が行なわれているらしい。
投票用紙の準備やその点検などが不十分なまま、強行されているこの
不在者投票、大きな闇に包まれており、4月27日(月)以降の開票結果
次第では、ソチ市が「熱いモルドバ」の二の舞になる可能性が出てきた。
★ チェチェンはロシアから結局離脱の運命?ロシア憲法より
チェチェン首長律が優先
カディーロフ大統領は、モスクワは言うに及ばず、海外でさえ亡命した
政敵を白昼堂々と暗殺する「暴君」と化している。この行為は
FSB(ロシア連邦保安委員会)の「黙殺」がなければ不可能とさえ
言われており、FSB協力説が囁かれるゆえんである。
しかし、プーチン首相の信任は厚く、沈静化したチェチェン国内情勢を
背景に、イスラム圏との交流を活発化させている。ロシアからの離脱は
無理としても、相当の独立性を獲得する可能性が噂されている。石油
利権の配分が鍵?
★ ベラルーシ、ルカシェンコ大統領のしたたかさ、南オセチア、
アプハジアの承認渋る
焦るロシア政権の圧力にも拘らず、西側とロシアの援助を天秤に掛け、
7ヶ月経っても、「グルジア領内」の両共和国の独立を承認していない。
★ グルジア野党、サアカシビリ大統領辞任でも西側志向は強化?
ロシアが期待するグルジア大統領の交代。しかし、それでロシア側に
接近すると考えるのは早計?EC,NATO志向の外交方針に大きな
変化はないとか。
★ モルドバ、ヴォローニン大統領の「ダダでは起きない」巧妙さ
先頃の青年暴動は諜報機関による陰謀説も。これによって、
ルーマニアへの楔を打ち込めたし、弾圧せずに国民のガス抜きにも
成功した?
★ 沿海州ダーリキン知事、解任の危機
地元企業「タングステン工場」の経営者行方不明と職員給与未払い
問題が民主派系マスコミを通して知ることとなったプーチン首相が
直接、知事を詰問。対応の遅れを厳しく糾弾されたとのこと。解任は
時間の問題?
★ ロシア鉄道会社、6月から全国で5万人の人員整理開始へ
すでに、モスクワ鉄道局管内では、運転助手が廃止され、電車の
ワンマン化が導入された。組合は安全性の低下を指摘している。
★ ロシア政権内で経済政策論争、ドゥボルコーヴィチ大統領補佐官
(メドヴェージェフ派)vsクードリン副首相(プーチン派)
簡単な構図にはならないが、明らかに大統領側は今回の経済危機の
対処法で、プーチン首相の「経済危機の認識の遅れ」にいらだって
いる可能性がある。
そのため、クードリン財務相は今になって、「経済危機は思ったより
影響が大きく、この先2年で底を脱することは出来ない」と悲観論を
展開している。
今年、28%の歳入減と年間予算が8%の赤字となるが冷厳たる
事実を目の当りにしている財務相としては、誰よりも「予算」の
やりくりで「眠れない」日々を過ごしているはずで、どうしても
「歳入確保」が最優先課題となるのは理解できる。
一方、ドゥボルコーヴィチ補佐官(モスクワ大学経済学部卒)の方は、
若干「評論家」的発言が可能な立場に居るのかもしれない。
4月15日、サンクト・ペテルブルグで開催された「ロシア産業・
企業家同盟」年次フォーラムの席上、「2009年は付加価値税を
現水準にしておくのは良いが、2011年以降は引き下げるべきで
ある。」と発言。
冷静なクードリン財務相(レニングラード大学経済学部卒)が直接、
会場から「それでは歳入不足を深刻化させる」と異議を挟むほど
「感情」をむき出しにする珍しい場面となった。
また、「ロシア産業・企業家同盟」のショーヒン会長(モスクワ大学
経済学部卒)は、「経済危機からの脱出に、余り国が介入するのでは
なく、民間主導で努力させるべきだ」と発言しているのは注目される。
一方、ナビウリーナ経済発展相(モスクワ大学経済学部卒)は、
金融機関による高金利の貸し出しとそれを資金として経営してきた
企業の今後の行くへは悲観的で、世界経済危機とは関係なく、
このような高金利に頼る経営に、そもそものリスクが存在して
いた、と指摘。今後とも不良債権が急増するだろう、と警告。
これは、プーチン首相に対する反乱?
金利政策はロシア中央銀行(ゲルマン・グレフ総裁はナビウリーナ
大臣の前任者)とクードリン財務相の管轄事項とすれば、このような
爆弾発言は、「経済論争=政権闘争」とみられても「当たり」 ?
文責 ヨーゼフ・サハロフスキー
ロシアだけがデフレではなく、「スタグフレーション」。
経済危機が深刻なのは、ルーブル下落を防止すべく20%の
高金利で資金が出回る金融政策の無理がたたり、年率13%の
高インフレ退治からも金利を下げられない。まさに、
スタグフレーション。
ところが、株式市場だけは急回復。
MICEX(MMVB)指数は 932
RTS指数は 817
ガスプロム、ロスネフチ、ルクオイル、ノリリスクGOKなど
年初来高値。ただ、3大銀行の一つ、外国貿易銀行(VTB)
だけは低空飛行。気になるところ。
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