2008/07/20
ゼロアカ道場第三回関門
■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□ 不定期刊行物【賞なしコネなしやる気なしで作家を気取る100の実験】 第186号 2008/7/19日発行 ■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□ 1ゼロアカ道場第三回関門 http://shop.kodansha.jp/bc/kodansha-box/zeroaka/kanmon_03.html の感想など書いてみようと思う。 これは、思想地図 http://www.nhk-book.co.jp/home_files/info/2008/oshirase_8.html と同時期に東浩紀さんが始めた批評家のオーディションで 当初は、思想地図との違いが分からないという批判もあったのですが ゼロアカの方は、WEBとの連動性が高く、 当選者&落選者の提出文を全文公開し、 選考過程を見せることで、選考の透明性確保や 選考中のスターの登場を煽っていて、 講談社BOXの太田克史さんから 「批評界のおニャン子クラブを作りたい」 という発言まで出る。 そういう意味で、思想地図よりやや軟派な印象のイベントになっている。 ネットで、観客からいじられるのが前提のイベントだし いじらないと失礼だろうぐらいの勢いなので、 今回ネタにさせて頂く訳ですが。 第二関門の写真を見ると http://shop.kodansha.jp/bc/kodansha-box/zeroaka/kanmon_02.html http://shop.kodansha.jp/bc/kodansha-box/zeroaka/profile/18.html ラウドネスの高崎晃かマキシマム・ザ・ホルモンの亮君か http://www.vap.co.jp/1129/bio/bio.html というベタにドレッドな人がいて、 腕には刺青だか刺青シールだか入れてて 絵作りしている人の絵にあえてツッコムのもダルいけど まあ、そういう人もいると。 取りあえず第三関門を見ると 一番高い評価を与えられているのが藤田直哉さん http://d.hatena.ne.jp/naoya_fujita/ http://shop.kodansha.jp/bc/kodansha-box/zeroaka/youyaku/05.html 評価は「自著要約A/書評A/総合A」。 一度、一緒にお酒を飲んで名刺交換もした人が 出世していく姿を見るのは、嬉しいなと思いつつ。 でも、個人的に売れる売れないの話をすると 文尾実洋さんや斎藤ミツさんの腐女子論が一番売れると思う。 パンドラのキャッチコピー 「思春期の自意識を生きるシンフォニー・ マガジン」から 講談社BOXの想定読者を高校生男子ぐらいだと考えれば 腐女子にモテたいという欲望は絶対に強いはずで モテないまでも、腐女子と共通の話題でおしゃべりしたいとか あるはずなんだ。 BLという話題を共有し、腐女子にモテるにはどうすれば良いのか? 「egg」とか「men’s egg」を読んでいるコギャルやギャル夫は http://www.eggmgg.jp/mgg/ 彼らなりの生き方なりファッションなりがあるわけで そこに向けてのファッション誌は多いと思う。 でもさぁ、講談社BOX読んでいる高校生は、 髪黒いだろうし、日焼けサロン行かないだろうし、 コギャルと付き合いたいとも思わないだろうし、 同じクラスで図書委員とか保健委員とか飼育係やってるような女の子と 付き合いたいはずなんだよな。 その層に向けての恋愛マニュアルやライフスタイルマガジン的な物を 女性視点で書いてもらえるのは、ありがたいと思うんだよ。 ギャル夫を生み出した「men’s egg」のコンセプトは ギャルにモテたきゃ、男自らギャル化しろって話じゃん。 文尾さんの「あなたも腐女子になっちゃおう!」 「男も女も、みんな腐女子になっちゃいな」 辺りは、高校生男子を想定読者とした「men’s egg」のオタク版として 非常に正しいと思う。 で、東さんのコメントを見ると 「評論の質は、作品との関係、読者との関係だけではなく、 まわりの評論との関係でも図られる。」 とあって、要約の第三章では「ゲイ男性」について書かれている。 ゼロアカ道場の「ゼロアカ」は1980年代の「ニューアカ」を 当然、意識しているわけで、その代表者である浅田彰さんが ゲイカルチャーについて、どういうことを書いているのかという 話になると、触れてはいけない地雷がいっぱい埋まっていそうで 嫌だなぁとか、基本腐女子は ファンタジーとしての同性愛が好きなのであって リアルな同性愛者、物理的な意味での男性同性愛者は嫌いでしょう。 文尾さん自らバイセクシャル腐女子としての立場から 腐女子による同性愛者差別の問題に三章で踏み込んでいるが、 リアルな同性愛の問題に踏み込んでいくと、 「腐女子、もしくは腐女子萌え」という想定読者から 離れていくと思う。 要約の一章で書かれているのは一夫一婦制の限界についてなのですが そもそもこれが腐女子固有の問題なのか。 男性向けラブコメの歴史を見ても、 婚姻関係のない男女の同棲や共同生活が多く描かれていて、 その中には男一女一の関係だけでないものも多い。 漫画「タッチ」において、上杉家と浅倉家の間に子供達のための 勉強部屋が建てられ、そこには男二人女一人の共同生活があるし、 「めぞん一刻」においても、複数の男女がアパート内において、 部屋の鍵をかけずにお互いの部屋を行き来する 共同生活の形式をとっている。 東さんが一時期取り上げていた美少女ゲームをみても 多くの美少女ゲームにおいて、一人の男性プレイヤーに対し 複数の女性キャラが登場する仕組みになっている。 ベトナム戦争の副産物として生まれたヒッピームーブメントにおいて 彼らはルイス・ヘンリー・モーガン的な原始共産体を目指しており、 その指向の中には、原始乱婚制度も含まれていた。 マックを売りまくった「フリーセックス」ヒッピー・コミューンの歴史 http://wiredvision.jp/archives/200204/2002042405.html 日本のヒッピーコミューン「部族」 http://www.wacca.com/88/10/chernobyl/chernobyl.html 多夫多婦性について語るとき、どうしてもヒッピーの話は出てくるし 腐女子というテーマからは離れると思う。 文尾さんが第一章で 「BLに教わろう!新しい恋愛★新しい家族」 と書いている物は実は少しも新しい物ではなく むしろ歴史的に見て古いものだと思う。 ここで彼女が提唱しているのはある種の大家族制度だ。 彼女自身が母子家庭の中で多くの親戚や地域の人に支えられて 育ってきたことを明かしているが、 この種の制度は太平洋戦争時と明治期に作られていて、 どちらも戦争と関連している。 一夫一婦制の中、夫が戦争にとられた未亡人が大量発生する。 夫が戦死しないまでも、戦場に行ったまま 一年二年、母子家庭状態になるとすれば、 その間、母子の扶養義務を誰が負うのか? 戦争を実行した国家ではなく、地域社会や母子の縁者・親戚に 義務を転化したのが大家族制度・家父長制度だ。 豊かな社会は集団への所属よりも個の充足へ価値を見出すようになる。 戦後の家父長制度から、ニューファミリーの一夫一婦制、 その先を見るなら、未婚の父や未婚の母といった独身者の子育て制度を どう確立するのかだと思う。北欧では未婚の母に対して国は養育費を払う。 日本のように出産費用を一時的に払うのではなく、 毎月の養育費を払うので、地中海で相手を見つけて、 本国で出産と育児を行うのが流行りだという。 映画監督のジョージ=ルーカスも、孤児院から三人の子供をあずかって 自分の子供として育てている。 もちろん、孤児をあずかる側に扶養できるだけの収入があるかや 未成年者に対する性犯罪歴などの審査はあるが 方向としてはこちらがむしろ新しいのだと感じる。 執筆方針にある 「より多くの読者に訴えるために、わかりやすい印象になるよう、 口語に近い文体にする。」 という部分が、他のゼロアカ参加者と比べて突出しており 電波系であることを怖れない姿勢に共感を覚える。 雑誌「m9」のコンセプトが、 http://news.ameba.jp/cyzo/2008/05/13564.html より 「『大文字の文学とライトノベル』の対比関係になぞらえた、 『大文字の言論とライトオピニオン』という位置付けです。」 とあるように、個人的には講談社BOXはラノベだと思っているので (純文とラノベの壁を越えるハイブリッドという話もあるし、 小説と漫画と評論とノンフィクションの枠を超える ハイブリッドという話もある) あえて口語を選んだ側を応援したい気がする。 2おしらせ ずっと使っていた メルマガ天国 http://melten.com/m/12826.html が7月末でなくなるので、 まぐまぐ http://www.mag2.com/m/0000265076.html さんに登録し直して頂かないと、 8月頭からは、このメルマガは届かなくなります。 現在、メルマガ天国さんの登録者数が60人で まぐまぐさんの登録者数が11人。 ■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□ 【賞なしコネなしやる気なしで作家を気取る100の実験メルマガ】 登録ページ http://www.pat.hi-ho.ne.jp/kidana/mmg.htm 登録と解除は上のページで。 関連HP:掲示板に感想・御批判入れて下さい。 http://www.tcup3.com/356/kidana.html ■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□■■■■□



