パニック障害と信仰との関係
★死の恐怖 から 乗り物恐怖へ★
ところが 二十歳になったある日、
突然 違うパターンの恐怖感が襲ってきたのです。
自分がいつかは死ぬんだ、という恐怖感です。
必ず「この先に死があること」を自覚したのでした。
今までは、今病気じゃなければ良いというものでしたが、
初めてこの人生の延長上に 「死」 があるのだと実感したような恐怖感です。
寝ていた私は、ガバっと起き、
あまりの恐怖感で、息が止りそうになりました。
それからの毎日は、夜が来ることがとても怖く、
できれば夜はゲームセンターのような
明るく賑やかな場所に身を置きたいような心境にかられ、
いつも自分をごまかしていたい、そんな気持ちでした。
でも、朝がくると嘘のように怖くなくなるのでした。
それは、まさに小学校四年のあの夏の日、
あの恐怖のロケットから飛び出した時の
あのカンカン照りの暑さの安心感と全く同じものでした。
これが、私の第二の恐怖・不安感の体験です。
それから、段々とエスカレートし「乗り物」がだめになっていきました。
その頃から、私は絶対に「飛行機」なんて乗り物に乗れるわけはない
と信じこんでいきました。
想像するだけで 息苦しさ を覚えるのです。
飛行機の窓が開けば良いのに・・と真面目に考える日々が続きました。
電車に乗っていても、外の空気を感じることができれば
いくらか 落ち着きを取り戻すことがあったためです。
それからの日々は、思い起こせば 普通の人のように過ごす日も
たくさんあったのですが、常になんとなく不安・・という感じで
思い切りすべてを楽しむことが
あまりできないように思えました。
ですから 逃避だと思うのですが、
気持ちのよい感覚を欲していました。
楽しいこと、恐怖を忘れられるような恍惚感
そんなものを求めているかのようでした。
外から見れば、遊んでばかりいるね、という感じです。
★信仰との出会い★
二十一歳の頃、一人暮らしをしていました。
その頃は、自由気ままな生活。
幼い頃から ピアノをやっていたことから 楽器店に就職し、
ピアノと電子オルガンの講師をしながらの、
不規則な一人暮らしをしておりました。
当然、お金は少なく、家賃を滞納することもあり、
時には 電気代が支払えないために
電気を止められる日があっても、
若い私は キャンドルを灯しながら、
楽しみながら生活をする日もありました。
それでも、一人で家にいることの寂しさから
恐怖になることが多く、
常に男性友達と過ごしたり
遊びに明け暮れていたように思えます。
そんなある日、私の父が大嫌いだった、とある仏教のメンバーと
音楽関係で知り合い、ある女性に電話で その仏教の話をされました。
ちょうど、私が恐怖で一人泣いていたときに、電話があったのです。
私自身、小さい頃から何かに祈る気持ちはありましたが、
父が嫌いだったこともあって(その信仰は特に大嫌いでしたので)
話半分に聞いていたのですが、
その話をする女性の賢さと 理路整然と話す説得力に
気持ちが揺らいでいきました。
「あのね・・仏法は 宇宙を説いているの。
科学よりもすごいものなの。
電話を切ってから、東に向かって
南無妙法連華経と唱えてみなさいね。」と言われ、
わらをもすがりたかった私は 素直に「南無妙法連華経」と
三回唱えてみました。
それからの私は、その仏教の教えをまじめに勉強し、
日蓮大聖人の説いてきた仏教をまじめに勉強し始めました。
言われるとおりに「勤行」というものをし、勤行をしない日は罪悪感にかられ、
あまり好きになれない信仰の活動も
「修行」と思い取り組みました。
入会したのが、二十三歳の頃だったので、
約十二年間位はその仏教の会員でしたが
結局その間、パニックが治るということはありませんでした。
(ここで誤解とならないように説明させてください。
これはその信仰を否定しているわけではありません。
確かに私は宗教をやることで、生きる力が湧いたし、
負けない気持ちを持つことができました。
それは事実です。
ただ、日々の 「勤行をやらなければ罰が当たる」と勝手に思い込んだり、
信仰の活動をやらなければ、「修行にならない」などと、
自分をどんどん追い込んでしまうような私には、
効果のないものだったという、そういう意味です。
私自身には必要がなかった という意味です。
事実、その宗教をやりながら、
飛行機に乗れたわけではありませんでした。
その後、自力で乗り越えたことが事実だからです。)


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