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人はなぜ「死」から逃れられないのか?何のために「生」があるのか?考えれば考えるほどわからなくなるこの問題を、キートン先生、パブロ君、そして死神タナトス、この3人の会話という形で、大まじめに論考します。

  • 周期 毎週火曜日
  • 最新号 2008/07/22
  • 発行部数 18
  • マガジンID 0000264760
  • 個別ページ
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2008/07/22

生と死を語る 11

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          生と死を語る 11




                      発行人  猫サル



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キートン先生 :「…」

   パブロ :「ねえ、先生ってば」

キートン先生 :「悪い夢を見ていた…そういうことにしよう」

   パブロ :「え?」

キートン先生 :「ゼウスだの、ハデスだの、タナトスだの…彼等が実在すること

        は認めよう。しかし、いずれも今の我々とは関係ない、異世界の

        住人だ」

   パブロ :「…」

キートン先生 :「何億年も、何兆年も生きる。それこそ、太陽の寿命より長い。

        我々とは違う。いってみれば、化け物だ」

   パブロ :「僕は15年しか生きていない…」

キートン先生 :「そんな連中の話を聴いたところで、我々の人生には何のプラス

        にもならない。我々は、生と死を、もっと身近なこととして

        考えるべきだ」

        
         (ノックの音)


キートン先生 :「はい?」

(誰かの声) :「あのー、キートン先生の事務所は、こちらですか?」

キートン先生 :「そうですが…どちらさまで?」

(誰かの声) :「私はジェイミーと申します。死というものを研究しています」

キートン先生 :「ほう…ジェイミーさん、お入りください」

 ジェイミー :「では入らせていただきます。驚かないでくださいね」


          (ドアが開く)


   パブロ :「わあああ!!!」

キートン先生 :「こ、これは…!」

 ジェイミー :「だから驚かないでください、と言ったでしょう」

キートン先生 :「一体あなたは…そ、その顔は…」

 ジェイミー :「あなた方に危害は加えません。私はゾンビです」

   パブロ :「ゾンビって…死んでるの?」

 ジェイミー :「厳密に言うと、そうではありません。私はブードゥー教の罰

        として、呪術師により、ゾンビにされたのです。生きていない、

        けれど死んでもいない、という状態です。人目に触れない静か

        なところで暮らしておりましたが、どうもこの辺りに、強い

        エネルギーがたくさん集まってくるのを感じましたので…」

キートン先生 :「あなたも相当なものですよ…」

 ジェイミー :「ゾンビは、食べたり飲んだりできません。このように声は出せ

        ますが、呼吸もできません。当たり前ですが子供も作れません。

        死んで神のもとへ行くことも、できません。私にあるのは、

        空虚な『永遠』だけです」

   パブロ :「そういうのも、かわいそうだね…」

 ジェイミー :「私に、なすべき事はないか、と探していました」

キートン先生 :「い、いや…歓迎いたします、ジェイミーさん」

 ジェイミー :「生と死について、話し合っておられるのですね? ならば、

        私が加われば、たいへん興味深い話し合いができるかと

        思いますが…」

キートン先生 :「た、確かに…しかし、呼吸が整うまで、少々お待ちください」



(つづく)
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来週もよろしくお願いいたします。



  発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/


    配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000264760.html

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