家族の絆を深める遺言書の書き方
2009.4.15
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★家族の絆を深める遺言書の書き方★
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おはようございます、行政書士の成田です。
いつも「家族の絆を深める遺言書の書き方」をご愛読頂き、ありがとうございます。
それでは、本日のメルマガ、いってみましょう!
今日のポイント】
● 「任せる」と言う文言は遺言として有効か?
また、「相続させる」と「遺贈する」との違いは?
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相続が「争族」にならないために!
現在、家庭裁判所に持ちこまれる、相続問題の三分の二は、遺言があれば、
解決したと言われています。
私たちには、一生のうち一度は相続の機会があるわけです。
相続のしくみは案外複雑なところがありますので、普段からそのしくみを、
理解しておく必要があります。
相続問題で権利のみを主張して争いになる例や知識不足から主張出来る権利
を主張しないで不利益に甘んじている相続人もいます。
相続と深いつながりをもつものとして、贈与、遺贈、遺言といった問題があ
ります。贈与や遺贈がなされている場合の相続財産の計算について、また、
遺言の書き方、方式や効力についても遺言が無効にならないように相続につ
いて理解しておきましょう。
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◆家族の絆を深める遺言書の書き方Q&A:文言について
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Q 私には息子と娘が1人ずついるのですが、財産については長年世話をしてく
れた娘にすべて相続させたいと思い、「財産はすべて娘に任せる」と遺言状
を書いたところ、知人からそのような書き方はやめた方が良いと言われまし
た。また、「相続させる」と書くのと「遺贈する」と書くのとでは違うとも
教えられました。どういった点が異なるのでしょうか。
A ・「任せる」と記載した場合、任せると言う言葉は多義的であり、常に遺贈
を意味するとは解されてないため、個別具体的な事情をもとに判断されるこ
ととなります。そのため、娘さんが財産を相続出来るかどうかは、不確定と
なってしまうので、お勧め出来ません。
・「相続させる」「遺贈する」と記載した場合には、遺言者の死亡により直
ちに所有権移転の効果が生ずる点では同様です。しかし、対象財産に不動産
がある場合には登記手数料及び登記の登録免許税の点においては、「相続さ
せる」と記載するほうが相続人にとって有利となります。
■「任せる」と記載した場合
「任せる」との文言は、それだけでは財産を遺贈する趣旨を含むのか否かが明確
ではなく、この文言のみで遺言の趣旨を確定することは困難であると言えます。
そこで、遺言の解釈はいかにあるべきかと言う点に戻って考える必要があります
。
すなわち、「遺言は相手方のいない単独行為である。
そこで、その解釈に当たっては、相手方の信頼を保護し、取引の安全を図ると言
うような配慮は全く不要であり、常に遺言者の真意を探求すべきである。
したがって、遺言書の状況の解釈はその文言のみにとらわれることなく、遺言の
趣旨の全体的解釈により、遺言者の真意を探求すべきだ。」とされています。
よって、一般的には、被相続人と各相続人との交際状況、被相続人と受遺者との
関係等の事実関係を考慮した上で、そこに被相続人が受遺者にその全財産を遺贈
し、相続人に何らの財産を相続させないとすることを、首肯するに足りるだけの
具体的事情の有無を判断して被相続人の真意を探求し、「任せる」と記載された
遺言書の趣旨を確定することとなります。
すべての財産を1人に与える趣旨の遺言書を作成するようなときには、「遺贈す
る」などと明確に記載すべきであって、「任せる」と言うような、多義的な解釈
を許す余地のある言葉の使用は極力避けるようにすべきでしょう。
■「遺贈する」と記載した場合
ある特定の相続人に対して特定の財産を与える場合、「遺贈する」と記載されて
いれば、これは民法に定める「遺言」であることが文言自体から明らかです。
したがって、当該財産の所有権は、相続人の遺産分割を経なくても、遺言者の死亡
によって直ちに受遺者に移転することとなります。
■「相続させる」と記載した場合
ある特定の相続人に対して特定の財産を与える場合に、「相続させる」と記載する
こともあります。
この場合には、文言自体からその趣旨が明らかとならないため、遺贈説と遺産分割
方法の指定説とが対立していました。
遺贈説は、遺言者の死亡により直ちに当該遺産の所有権が移転するとの解釈を採り
ました。
遺産分割方法の指定説は、さらに、遺言者の死亡により直ちに当該遺産の所有権が
移転するとする立場と、遺言に基づく遺産分割を経なければ、当該遺産の所有権が
移転しないとする立場とに別れていました。
ただし、学説上の対立にもかかわらず、登記実務上は「相続させる」との文言の場
合にも、遺産分割協議なしの所有権移転登記を受け付けてきていました。
そして、最高裁平成3年4月19日判決は、この実務上の取扱いを承認し、「相続
させる」との文言は「遺産の分割方法の指定」であると解しつつ、当該財産の所有
権は何らの行為を要せずに、遺言者の死亡によって直ちに受遺者に移転すると考え
る立場を採用し、実務上もこの扱いが定着しました。
■「遺贈する」と記載した場合と「相続させる」と記載した場合との差異
平成3年の最高裁判決の考え方によりますと、「遺贈する」と記載される場合と
「相続させる」と記載される場合とでは、所有権移転時期は同じ結果となります。
しかし、以下の点については違いがあります。
1 登記手続きについて
「遺贈する」の場合 → 受遺者と全相続人(又は遺言執行者)との共同申請が
必要「相続させる」の場合 → 受益者から単独で申請し登記が出来る
2 登記の登録免許税について(平成18年4月1日以降)
「遺贈する」の場合 → 不動産の評価額の1,000分の20
(登税別表1(二)ハ)
「相続させる」の場合 → 不動産の評価額の1,000分の4
(登税別表1(二)イ)
3 第三者対抗要件について
・「遺贈する」と記載した場合
→ 「遺贈する」旨の遺言によって不動産を相続した場合、その所有権の取得を
第三者に対抗するためには、登記が必要か否かについては学説の対立がありました
。
しかし最高裁判所は、「遺贈の場合においても不動産の二重譲渡等における場合と
同様、登記をもって物権変動の対抗要件とするものと解すべきである」とし、対抗
要件必要説を採りました。
よって、この場合に所有権の取得を第三者に対抗するためには、登記が必要となり
ます。
・「相続させる」と記載した場合
→ 「相続させる」旨の遺言によって不動産を相続した場合、その所有権の取
得を第三者に対抗するためには、登記が必要か否かについてはこれまでは明らかで
はありませんでした。
「相続させる」旨の遺言により「当然に遺産が承継される」点を重視して、相続登
記を具備していなくても遺産承継を主張することができるとする説(対抗要件不要
説)がある一方、遺言をもって法定相続分とは異なった処分をする以上、相続登記
なくしては遺産承継を第三者に対抗できるとするべきではないという説(対抗要件
必要説)もありました。
しかし、最高裁判平成14年6月10日判決(判時1791・59)は、「『相続
させる』趣旨の遺言による相続分又は指定相続分の相続の場合と本質において異な
るところはない。
そして、法定相続分又は指定相続分の相続による不動産の権利の取得については、
登記なくしてその権利を第三者に対抗することが出来る。」として、対抗要件不
要説を採りました。
よって、この場合には、相続登記を経なくてもその遺産の取得を第三者に対抗することが出来ます。
以上の点から、遺言によってある特定の相続人に対して特定の財産を与えようとす
る場合、「相続させる」との文言を用いた方がメリットの多いことが分かります。
このため、実務上は、この表現が専ら使用されているようです。
!!平成3年最高裁判決により、遺言者が死亡した場合、直ちに所有移転の効力が
生じることが肯定され、平成14年最高裁判所により、対抗要件不要説が採用
されましたから、実務では現実的なメリットのある「相続させる」が専ら使わ
れることとなるでしょう。
次回は、遺言の内容が相続分を侵害する場合の効力いについて考えてみましょう。
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◆編集後記
最後までお読みいただきありがとうございました。
みなさん!熊笹(クマザサ)の効能についてご存じですか?
本来は生薬として日陰干しした熊笹を煎じて飲む民間治療法のひとつでした。
その中にある葉緑素とササ多糖体、免疫力を高める効果のあるバンフォリンや各
種ビタミンが豊富で、糖尿病の予防や高血圧の予防などに効果があるようです。
特に熊笹に多く含まれているササ多糖体は細胞膜を強化し、免疫機能を活性化さ
せてくれるそうです。
この季節の変わり目、風邪も流行るこの時期にはあったかーい熊笹茶なんてどう
ですか?
風邪なんかも吹っ飛んでしまうのではないでしょうか。
でも本格的な熊笹茶ってとてもにがそう・・・
ご感想・ご意見はお気軽にお聞かせください。
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「家族の絆を深める遺言書の書き方」
◇発行責任者:成田 樹
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