行政法(行政手続法 行審法 地方自治法等)専門メルマガ 3号 H20・6・2
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行政法(行政手続法 行審法 地方自治法等)専門メルマガ 3号 H20・6・2
◆◇◆目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆◇◆◆◇◆
1.行政行為の違法性の承継…先行行為の違法が後行行為に影響を及ぼすか
(参考:最判昭和25年9月25日判決)
2.創刊の挨拶と第1回発行メルマガ「行政法の改正の流れ止まらず」のご紹介
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1.行政行為の違法性の承継…先行行為の違法が後行行為に影響を及ぼすか
(参考:最判昭和25年9月25日判決)
行政行為が連続して段階的になされたときに、先行の行政行為の違法が後の行
政行為の違法に引き継がれるかどうかという問題があります。
次の判例は、戦後の農地改革にて、ある村が自作農創設特別措置法によって不
在地主の土地を買収処分にしたところその前行為の買収計画の違法が明らかであ
るから買収処分も違法であると主張したものです。
判例を見てみましょう。
(3)判例(最判昭和25年9月25日)
■「裁判要旨」
自作農創設特別措置法第五条に違反した買収計画にもとずいて買収処分が行わ
れたときは、所有農地を買収された者は、買収計画に対する不服を申し立てる権
利を失つた後も、買収処分取消の訴において買収計画の違法を攻撃することがで
きる。
ア.事案
本件農地は被告人先代Aの所有に属したところ桃園村農地委員会はこれを自
作農創設特別措置法第二条第一項第一号に該当する農地として買収計画を立てた
ので同人は右農地は法第五条第六号に該当するから買収計画から除外さるべきも
のと主張し同委員会に対して異議の申立をしたが却下の決定があつた。
同人はさらに三重県農地委員会に対し訴願をしたが同委員会は昭和二二年九
月一七日付で却下の裁決を下し、右裁決に対しては出訴期間内に訴が提起されな
かつたのである。
そして右買収計画に対し三重県農地委員会の承認が与えられ、三重県知事は
昭和二三年三月二四日買収令書を同人に交付して買収を行つたのであるが
原判決は本件農地については法第五条第六号に該当する農地として買収を免
るかべきものであると判断し従つて桃園村農地委員会のした買収計画は違法であ
り、この買収計画にもとずく三重県知事のした買収処分もまた違法であるから右
買収処分の取消を求める被上告人等の本訴請求は正当であると判定した。
★参照条文
自作農創設特別措置法(昭和21年法律第43号)
第一条 この法律は、耕作者の地位を安定し、その労働の成果を公正に享受させ
るため自作農を急速且つ広汎に創設し、又、土地の農業上の利用を増進し、以て
農業生産力の発展と農村における民主的傾向の促進を図ることを目的とする。
第三条 左に掲げる農地は、政府が、これを買収する。
一 農地の所有者がその住所のある市町村の区域(その隣接市町村の区域内の地
域で市町村農地委員会が都道府県農地委員会の承認を得て当該市町村の区域に準
ずるものとして指定したものを含む。以下本条、第四条及び第七条第二項におい
て同じ。)外において所有する小作地
第五条 政府は、左の各号の一に該当する農地については、第三条の規定による
買収をしない。
一 国又は公共団体が公共用地又は公用に供してゐる農地
…
六 自作農が疾病その他命令で定める事由に因つてその自作地に就き自ら耕作
の業務を営むことができないため賃貸借又は使用貸借により一時当該自作地を他
人の耕作の業務の目的に供した場合、市町村農地委員会が、その自作農が近く自
作するものと認め、且つその自作を相当と認める当該農地但し、その自作農の所
有する農地の面積が第三条第一項第三号の面積又は同条第三項の規定により当該
区域につき定められた同号の面積に代るべき面積を超えるときは、その面積を超
えない面積の当該農地に限る。
第七条 第六条の規定による農地買収計画に定められた農地につき所有権を有す
る者は、当該農地買収計画について異議があるときは、市町村農地委員会に対し
て異議を申し立てることができる。但し、同条第五項の縦覧期間を経過したとき
は、この限リでない。
…
イ.判決(一部引用)
ところで法第五条はその各号の一に該当する農地については買収をしないと規定
しているのであるからこれに該当する農地を買収計画に入れることの違法である
ことは勿論これが買収処分の違法であることは言うまでもないところである。
従つて右の如き違法は買収計画と買収処分に共通するものであるから買収計画
に対し異議訴訟の途を開きその違法を攻撃し得るからといつて買収処分取消の訴
において、その違法を攻撃し得ないと解すべきではない。
法第七条が買収計画に対して異議訴訟を認めているのはただその違法の場合に
行政庁に是正の機会を与え所有者の権利保護の簡便な途を開いただけであつて異
議訴訟等の手続をとらなかつたからと言つて買収処分取消の訴訟においてその違
法を攻撃する機会を失わせる趣旨であるとは解せられない。
買収計画に対し異議申立や訴願をせず又は訴訟裁決に対する出訴期間を徒過し
たときは当事者はもはや買収計画に対しその取消を請求する権利を失うのである
からその意味では確定的効力があるのであるがその確定的効力は買収計画内容に
存する違法を違法なしと確定する効力があるものではない。
買収の計画は買収手続の一段階をなす市町村農地委員会の処分に過ぎないので
更に都道府県農地委員会の承認及び都道府県知事の買収令書の交付を経て買収手
続は完結するのである。
しかして買収計画の確定的効力は前記の如くその内容に存する違法を違法なし
と確定する効力がないのであるから都道府県農地委員会の買収計画承認の権限は
買収計画の内容の適否を審査する権限を包含するものと解すべく更に都道府県知
事は買収計画又はその承認の決議に対しこれを再議に付して是正させる権限を有
するのである(農地調整法第一五条ノ二八)故に都道府県農地委員会や知事が右
権限の適正な行使を誤つた結果内容の違法な買収計画にもとずいて買収処分が行
われたならばかかる買収処分が違法であることは言うまでもないところで当事者
は買収計画に対する不服を申立てる権利を失つたとしても更に買収処分取消の訴
においてその違法を攻撃し得るものといわなければならない。
(4)この問題の考え方
ア.原則として承継されないとする考え(通説)
行政法の伝統的な学説(美濃部・田中二郎等)につながる通説では、先行の
行政行為と後続の行政行為とが結合して一つの効果の実現を目指し、完成させる
ものである場合には、違法性の承継が認められ、先行の行政行為と後続の行政行
為が別の効果の発生を目指すのであれば、違法性の承継は否定される、そしてい
ます。
イ.判決の考え
上記判例は、通説のような行為の類型論はとっていません。むしろ、実体法の
側面と手続法の側面をともに考慮して、買収計画に対する異議申し立てができな
くなってもその行政行為は形式的に確定するに過ぎず、内容的な違法性は争えな
くなるものではないので、買収処分で買収計画の違法の主張は可能としたのです。
ウ.違法性の承継を遮断効と考える有力説
これは、私の行政法の講義の最新版で詳説したように近時の有力説は次のよう
に考えます。
行政処分が出訴期間後争えなくなるのは、行政事件訴訟法が取消訴訟の提起を
一定の出訴期間内に限定したことの反射的効果である。法がこうした出訴期間の
制限を設けたのは、行政上の法律関係を早期に安定させるためと考えられる。そ
うすると、取り消されなかった先行処分に続く後続の処分がある場合などには、
後続の処分において先行処分の違法を理由とする取消訴訟を封じなければ、その
趣旨が達成されない。
そのため、先行処分の違法を理由として、後続処分の取消しを求めて争うこと
ができないとされるのである(遮断効)。
このように、違法性の承継の問題を遮断効の問題として捉えなおしたとき、次
のような実践的な差異が生じてくる。
第一に、先行行為が取消訴訟の対象とならない(処分性がない)ときには、先
行行為の違法を理由とする後続処分の取消しが禁じられることはないこととなる。
なぜなら、先行行為が取消訴訟の対象でない以上、遮断効を働かせる前提に欠け
るからである。
第二に、先行行為が取消訴訟の対象となるからといって、常に遮断効を働かせ
る必然性はないこととなる。なぜなら、国民の権利救済の利益と行政上の法律関
係の早期安定の利益との比較衡量によって、取消訴訟の対象でありながら遮断効
が働かない場合を観念する余地が出てくる。
(たとえば、処分の根拠となる法規が遮断効を否定する趣旨と解される場合や、
一般に取消訴訟の対象とならないとされている行政指導が国民の権利救済の観点
から例外的に取消訴訟の対象とされた場合などに、遮断効を否定する余地が出て
くる。)
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2.創刊の挨拶と第1回発行メルマガ「行政法の改正の流れ止まらず」のご紹介
■行政法(行政手続法 行審法 地方自治法等)専門メルマガ「創刊の挨拶」
みなさん、はじめまして。このたび、行政法の専門メールマガジンを発行する
ことになりました。発行は、中川総合法務オフィスです。
憲法の予定している議会制民主主義は、行政国家現象の中で大きく憲法制定当
初の意図から変容しています。
それを憲法の変遷という捉え方もありますが、ここでは民主主義の観点から国
家の積極化を肯定した上で、行政権を市民的コントロールに置きながら法を市民
の手に渡し、国民主権的再構成を図りたいと思います。
分かりやすくいうと、もう一度、「法律に基づく行政」を国民や市民に視点を
置いて具体的に実現していくということです。
そのため、政治も含めた法的関連現象を正確に射程内に入れて、現行の行政法
を理解してそれを活用していく縁にこのメルマガがなることを祈っています。
■第1回目は「行政法の改正の流れ止まらず」です。
東京で弁護士をしている後輩のN君は弁護士会の研修の役職を担当しているの
ですが、会社法の研修がずーと続いていた後は「行政法」の研修だそうです。
なぜだか分かりますか。
ある司法研修所教官レベルのかたは「行政法の訴訟は増やす」と断言しています。
この深い意味が分かりますか。
「行政紛争が増えて、行政訴訟が増えていく」という見込みでなくて、「行政
紛争を行政訴訟にしていく」という意思の発言なのですよ。
…略
いままでは、泣き寝入りだったのです。官は強く民は弱しです。
そこで、「行政法の訴訟は増やす」ために、まず実務家の養成です。不動産や
債権などの民事で食っているのがほとんどの弁護士ですから、行政法は知りませ
ん。やっと、新司法試験の科目になりましたが。
次に法整備です。行政事件訴訟法の大改正はご存知の通りです。行政手続法も
もう制定されて15年目です。私の、司法試験の論文で行政手続法の制定が望まれ
ると書いたのが夢のようです。
そして、行政手続法の小改正も続きますが、いよいよ「行政不服審査法」も大
改正されます。
なんと、異議申し立ても再審査請求も廃止です。審査請求1本です。ダメなら間
口を広くした行政事件訴訟法による行政訴訟でしょう。弁護士も大量生産時代で
すから、実務家の新仕事になります。
これからは、もう六法時代はおわったのでしょう。行政法が必須の法律科目の
時代です。
………………………………………………………………………………………
● 新「行政法」CD講義 http://gyosei.rima21.com/gyoseiho2008.html
● 「行政書士試験プレミアムCD講座」製本版
http://gyosei.rima21.com/sub5seihon.html
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■編集後記(コラム)
●行政法・地方自治法から政策法務までの担当で、日本全国で自治体研修をする
団体に依頼され研修講師を担当予定です。
裏金騒動が続くO市で行政法の研修講師は準備終了ですが、もっとパワーの出
る研修したくてセッションなどの工夫をしたいと思っています。
今回これくらいです。それでは、次回は来週発行予定です。お楽しみに。
◆◆ホームページを大幅にリニューアルしました。
http://rima21.com/
(さらにUsabilityの高いホームページに衣替えするために改定中)
⇒間もなくオープンします。
◆事務所のブログもぐっと魅力的にしましたよ。
http://nakagawaoffice.seesaa.net/
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★中川総合法務オフィス(ネットワークで全ての法務問題を承ります)。
無料法務相談(初回30分無料)は電話又はメールでお願いします。
お急ぎのときは携帯までご遠慮なく。⇒090−5156−7593
(行政書士法に基づく法的守秘義務で完全秘密保持)
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月曜〜金曜◆9:00〜19:00◆
土曜:9:00〜14:00(週末しか来訪できない方はどうぞ)
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る場合は、事前にご予約があれば可能です。
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