2009/07/05
【書店塾便り】348:潰れた書店を書店で再生できるか
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 【書店塾便り】vol.348 2009.07.05 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ おはようございます、【書店塾】です。 今日のテーマは、『潰れた書店を書店で再生できるか』です。 ------------------------------------------------------------------------- 当地で30年近く営業してきた天下のK書店が7月で撤退するというニュースに驚いていたら、今度は同一ビルに大手のJ書店が9月 にオープンするというニュースが飛び込んできました。K書店は当地では一番品揃えが良い書店だったので非常に残念に思ってい ました。それだけに地元ではJ書店の出店は大いに歓迎されています。ただ、J書店にとっては530坪の売場では小さいのではない かと思われるのですが、コミックを置かずに専門書を充実させるようです。 K書店の撤退で既存書店がぬか喜びしたとか、既存書店の社員の転職希望などの話が聞こえてきたりしますが、私の関心はもっぱ ら潰れた書店の跡地を書店で再生することができるかという点にあります。潰れたと言うのは語弊があるかも知れません。表向き は契約期間の満了ということですから。でも利益が出ていれば契約を延長するはずで、赤字だから撤退するのでしょう。立地は一 等地で、このビルはK書店のための建て貸しだったと思われ、家賃も相当高かったと思われます。ここ数年は利益が出ていなかっ たということで、改装したり、各フロアにあったレジを1Fと5Fにだけにしたりしても黒字にならなかったようです。 契約期間の30年で建物の償却も終わったでしょうから、J書店への家賃はK書店よりも安くなったのではないかと思われますが、 出版不況と言われる現状の中でどれだけ売上をあげることができるか。また、J書店の図書館のような店作りが当地に受け入れら れ支持されるかが注目されます。ネット書店がある今は、書店の廃業は以前ほどの深刻さを感じさせないのですが、しかし、とも かくいろんなリアル書店がある方が地域にとっては良いことです。どんなに繁盛している書店があっても、アンチは必ず居るもの ですから。 一般的に潰れた店を同一業種で再生するのは難しい面があります。例えば、家具屋でダメになった所を同じ家具屋で再生するのは 至難の業です。そこには需要が無い、顧客が居ないと考えられるからです。例外はもちろんあります。前の店がよほどひどかった 場合、後の店が繁盛することはあります。いわば「弱→強」の場合です。しかし、今回は前のK書店は日本一のチェーン店であり、 当地でも一番の品揃えでした。その後に入るJ書店も日本有数のチェーン店で品揃えには定評があります。「強→強」です。しか も、今J書店は印刷会社の傘下に入ったのに、出店している余裕があるのだろうかと思ってしまいます。この交替劇からは暫く目 が離せません。 ------------------------------------------------------------------------- 【書店塾便り】 発行者:【書店塾】塾長 【書店塾】書店人のための応援サイト http://syotenjuku.okoshi-yasu.com/ 【本の一言】書店人のための実務と朝礼のヒント http://syotenjukuword.blog.shinobi.jp/ -------------------------------------------------------



