2009/05/11
【書店塾便り】337:「すごい本屋」に行ってきました
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 【書店塾便り】vol.337 2009.05.11 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ おはようございます、【書店塾】です。 今日のテーマは、『「すごい本屋」に行ってきました』です。 ------------------------------------------------------------------------- 5月5日、和歌山のイハラ・ハートショップへ行ってきました。ここはご存知『すご い本屋!』の書店です。ブログに長い書評を書いたのがきっかけで、店長さんとメ ールのやり取りをするようになりました。機会があればいつかは行きたいと思って いましたが、なにせ遠い。でも、機会は待つものではなく作るもの。今年はGWに 連休が取れたし、高速道路の上限1000円の割引もあります。人はしてしまったこと への後悔よりも、しなかったことへの後悔の方が大きいもの。 ということで、下の娘と一緒に和歌山へ行ってきました。混むかも知れないと朝4 時50分に出発。しかしやっぱり高速道路は渋滞し、サービスエリアは満車、食堂は 一杯で行列。途中道に迷ったり、ガソリンスタンドを探して引き返したりしながら、 ようやく午後2時半頃に到着しました。なんと9時間半も掛かりました! お店は本の写真の通り。でも、思っていたよりも開けている感じがしました。山深 い峠の本屋のイメージではありません。途中2車線から1車線になったりはします し、山中は山中ですが、すぐ傍にダムがあったり、国道が通っていたり、真向かい に大きな保養施設があったりして、空間が広いのでそう感じられるようでした。そ れにすぐリフレッシュエリア美山の里の「ふじまつり」というイベントをやってい て、人出があったからでしょう。 店長さんはお話好きの陽気な方でした。こちらが質問する前に、どんどんいろんな ことを話してくれました。お店の中は『すごい本屋!』に書かれている通り。その 日は原ゆたか先生原画展」をやっていて、店内に白い幕を張って原画を展示してい ました。確かに児童書のシェアが大きい。本好きの娘は「アレックス・シアラーや オグ・マンディーノがあるのにびっくりした」と言っておりました。 ひっきりなしにお客さんが訪れてきて、中には私達のように地元以外のお客もいる ようです。「『ねずてん』は無いんですか?」「すみませ〜ん、今品切れで、、、」 という会話が聞こえていました。実は私もここで『ねずてん』を買おうと思ってい たのですが、残念。代わりにこの店の「ロングセラー」という「ちゃいなマーブル」 を買いました。いやぁこれは懐かしい。 前日に行われたイベントも成功だったようです。次の企画も既に練っているという ことで、一体いつ休むのですか?と聞くと、休みのことなんか考えた事が無いとの こと。定休日は学校回りや企画の準備で結構忙しいらしい。これまた「すごい店長」 です。恐れ入りました。ただ、休みが取れない分、他所へ出かける機会が少ないの が残念ですと言われていました。 1時間くらい店内に居て店長さんのお話や店長さんとお客さんとの会話を聞くとも なしに聞いていて、なるほどそういうことか思いました。なぜ周辺人口100人の集 落で本屋が成り立っているのかという理由です。それはこの書店がただ本という商 品を置いているだけではないということなのです。書店というセルフ形式の小売業 で接客販売をやっているのです。当然ながらお客さんとの距離も近い。店に来る子 供達やお客さん一人一人をよく知っている。新刊配本に頼らず、お客さんの顔を思 い浮かべならが1冊1冊仕入れるという仕入れの基本を実行しているのです。私の 子供の頃の近所の駄菓子屋・雑貨屋のおばちゃん達の雰囲気に近いでしょうか。 「この本面白いよ、ちょっと見て」というような商品の勧め方はまさしく接客販売 です。「これは2800円もするよ。本当にいいの?おおきに」と、商品を買ってくれ ることへの感謝と同時に、こんな高いものを買っても大丈夫?というお客さんへの 心配。果たして街の本屋で、2800円の本をレジにお客さんが持ってきた時、店員さ んはそういうことを思ったり言うでしょうか?店へ来てくれることへの感謝、買っ てくれることへの感謝、地域の子供たちへの暖かい眼差し、そういうものがこの山 の本屋さんを成り立たせているのではないかと思った次第です。商売の原点とは何 かということを考えさせられました。 帰りもまた8時間。なんと往復で1041km。さすがにくたびれはしましたが、大い に得るものがありました。百聞は一見に如かずです。大切な事は自分の足と目と耳 で確かめなければなりません。手段の安直さは質の低下を招くもの。本やネットな どで安直な手段で得た知識や情報は身にはつきにくいものです。実際に時間をかけ て「山の本屋」イハラ・ハートショップを訪ねてみて、道中も含めて沢山の気付き を得ることができました。それにこんなに長い時間を娘と一緒に居て、いろんなこ とを話したのも初めてだったような気がします。 ------------------------------------------------------------------------- 【書店塾便り】 発行者:【書店塾】塾長 【書店塾】書店人のための応援サイト http://syotenjuku.web.fc2.com/ 【本の一言】書店人のための実務と朝礼のヒント http://syotenjukuword.blog.shinobi.jp/ 【伊予路の音】 旅と歴史とお酒の話(番外編) http://gado.blogzine.jp/iyojinote/ -------------------------------------------------------



