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2008/07/15

時々、読書ライフ

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『今夜、すべてのバーで』
著者:中島 らも 
出版社:講談社 
定価:560円(税込)
1994年3月発行
ISBN:978-4061856271 



「酔いどれ」という言葉の持つ響きがたまらなく好きです。
酔いどれと聞くと、陽気でありながらもどこか物悲しい、
夕焼け空のようなイメージが浮かぶのですが、皆さんはどうでしょうか?


作家の中島らもさんが亡くなってから、早や四年が経とうとしています。
らもさんが亡くなられたのは、ご存知の方も多いかと思いますが、
酒を飲んで酔っ払った末に、階段から落ちて頭を打って、
脳挫傷を起こしたのが原因です。
コピーライター、コラムニスト、小説家、役者、バンドマンなど、
様々な肩書きを持ち、酒に溺れたかと思えば、大麻の合法化を声高らかに叫び、
自由奔放に生き抜いたらもさんらしい、
畳の上で迎える最後とは対極にある亡くなり方でした。


本書は、重度のアル中に陥った物書きの青年、小島が入院するところから始まり、
個性的な医者や患者との騒動を描きながら、退院までの日々を描いた物語です。
ドキュメントでもあり、文学でもあり、そして喜劇でもある本書は、
中島らもさんの自伝的小説とされています。
酒好きの僕は、本書を楽しく、一息に読み終えました。


けれど、どうしても分からないことがあります。
太宰治は「人間失格」で半生を告白し、
三島由紀夫は「金閣寺」で自らの性癖を告白しましたが、
中島らもさんは、一体どういった心境で過去のアル中体験を告白したのだろう?
ということです。


飲みすぎ注意の警鐘?過去を吐露したかった?
あらゆる角度から考察してみても、僕にはさっぱり分かりませんでした。
けれど、それで良いのです。良い意味で、分からなくて良かったと思える作品でした。
本作がフィクションかノンフィクションなのかも、どうでもいいことです。


圧巻なのは、僕が大好きなラストシーン。
退院した小島と、亡き親友の妹さやかが、
バーのカウンター席の止まり木に並んで座ります。
さやかに向かって、冗談とも本気とも付かない気障な台詞を吐いた小島の足を、
さやかが蹴り・・・この終わり方は、考えうる限りのハッピーエンドです。
本当に、心憎すぎる!





☆最後までお読みいただき、ありがとうございました。
ご意見、ご感想など、下記のメールアドレスよりお気軽にご連絡下さい。
なお、ライターとしても活動中ですので、
執筆依頼も併せてお待ちしております。

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『時々、読書ライフ』

written by カズユキロック
発行所:オフィスムーンバーク
公式サイト:http://kazuyukirock.com/
メールアドレス:kazuyukirock-swing@hotmail.co.jp
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