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2008/05/09

時々、読書ライフ

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『不連続殺人事件』

著者:坂口安吾
出版社:角川文庫
定価:540円(税込)
2006年10月発行
ISBN:978-4041100196 



今回紹介する本は、日本ミステリー史に残る名作と言われている、
「不連続殺人事件」です。
著者は「白痴」や「堕落論」で知られる坂口安吾。
無頼派の純文学作家というイメージの強い彼が、推理小説を執筆していたことは、
意外と知られていません。


本書はいわゆる名探偵もの。
ある夏、有名な詩人の大豪邸に、ドロドロした人間関係で繋がっている
複数の人間、それも一癖も二癖もある変わり者達が、一斉に招かれます。
ただでさえ何かが起こりそうな予感。しかも殺人予告ともとれる
不気味な手紙が、豪邸に送りつけられるのです。


困り果てた詩人の息子が、物語の進行役である「私」に相談をするところから、
物語は始まります。
「私」は、いわゆるホームズでいうところのワトスン役ですね。
小説家である彼の一人称で、物語が進められてゆきます。
そしてホームズ役は、巨勢博士(こせはかせ)という、
小説は下手だが天才的な推理力を持つ青年です。チビで女好きで
お調子者という風変わりな彼が、豪邸で起きる不可解な殺人事件の謎に
挑んでゆきます。


登場人物の数が多く、また人間関係が複雑なため、
相関図を把握するのに最初はやや手間取るかもしれません。
実際僕も、最初は何度もページをさかのぼって、
人間関係を確認しなおしてから再び物語を読み進めていました。


物語の舞台となる豪邸では、タイトルの「不連続殺人事件」の名の通り、
無秩序で無計画に思える殺人が次々と行われます。
しかし一連の殺人は、実は「不連続殺人」ではなく、
緻密に計算された「連続殺人」だったのです・・・。
この物語で、犯人はある大きなトリックを使っています。
一見すると単純な、しかし見事に盲点を突いた、心理トリックです。
クライマックスで巨勢博士がそのトリックを暴くのですが、
「あぁ、そうか!」
と思わず唸ってしまうことは間違いないでしょう。


本書を読むと、安吾が根っからのエンターテイナーであったことが伺えます。
彼だけではなく、夏目漱石も芥川龍之介も太宰治も、
根本はエンターテイナーであったのだと僕は思っています。
そして僕はそういう作家が好きで、
またそういう物書きであり続けたいと強く思っています。




☆最後までお読みいただき、ありがとうございました。
ご意見、ご感想など、下記のメールアドレスよりお気軽にご連絡下さい。
kazuyukirock-swing@hotmail.co.jp
なお、ライターとしても活動中ですので、
執筆依頼も併せてお待ちしております。

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『時々、読書ライフ』

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発行所:オフィスムーンバーク
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