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ミウはナオに恋をした。ミウとナオが付き合い始め、ただただ幸せなはずの恋、のはずが、どうやらそうはいかない恋へと展開していく。ナオを信じられないのに消えないミウの恋心の結末は?

  • 周期 不定期
  • 最新号 2008/06/26
  • 発行部数 13
  • マガジンID 0000263605
  • 個別ページ
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2008/06/23

恋心 (59)

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nanaデス!



☆☆☆・・・☆☆☆・・・☆☆☆・・・☆☆☆・・・☆☆☆・・・☆☆☆


家の中は熱気がこもっていた。
一旦窓を全て開け放し、
またすぐ閉めてエアコンを入れた。

最近ようやく本棚に本を並べる作業を始めた。
並べながら読み返したりしているうちに、
結局眠ってしまった。

また週末がやってきた。
土曜日、マミに電話を入れると思いの他、
元気でいる。

「今どこにいると思う? 
北海道。カズのところ」

マミは遅い夏休みを取って、
カズのところへ遊びに行ったのだ。

「復活? 」

「そういうんじゃないけどね。
ミウもくればよかったのに、
ってカズ言ってたよ」

「そう。よろしく伝えて」

「オーケイ。じゃ、お土産買って帰るね」

「楽しんで来てね」 

マミは凹んでいても、
すぐにスイッチを切り換える術を
身につけているようだ。

語学留学の経験があり、
現在勤める高校でも
留学の窓口担当をしているリョウに
これまで相談をしてきた。

信頼できる学校の次のスタートは、
一月だった。
私はリョウのアドバイスから
英国の学校に一月から入学することに決めた。

山の方でヒグラシの鳴く声が響く。
夢の中、かと思ったが、
目が覚めて現実だと気づく。
物悲しい蝉の声。
寂しげなオレンジ色の夕方の日差し。

ケータイが鳴っている。
マミと話した後、
雑誌をめくっているうちに
眠り込んでしまったのだ。

リョウからの電話だった。
「今日は店でメシ食わないの? 」
と言うので、
「今から行く」と返事をして、
支度をして家を出た。

外は少し涼しい風が吹いていた。
夏も終わりが近いのかも知れない。

「いらっしゃい」

いつものマスターの声にホッとする。

「あれ、マミは? 」

「マミは今、北海道です」

「いいねぇ。旅行か」

「そうです。
マスターは店休まないんですか? 」

「休まないねぇ。
若い頃、のんびりし過ぎたからね」

「マスターは浪人した上に
大学に七年いましたからね。
それに、好きで始めた店だからね。
ほらあんまり仕事と思ってやってないから」

リョウが口を挟む。

「まぁ、そんなところだね」

「マスター、私、リンさんのパン大好きなんです。
殆ど毎日朝食用のパン買っているんですよ。
まさか、マスターの彼女とは思いませんでしたけど」

「それは、どうも。リョウ、喋ったな」

「まずかった? 」

「いいや、別に」

マスターは目を伏せて
照れた微笑を浮かべている。

「マスターとリンさんは、
マスターがお店で出すパンを注文するようになって、
お付き合いが始まったんですか? 」

「きた。ミウちゃんの質問攻め」

「私、恋バナ聞くの好き」

「そう、じゃないんだねぇ。
リンとはね、前に勤めていたレストランで
知り合ったんだ。
俺は料理の方だったけど、
リンはパティシエだった。
俺もリンも他のやつと付き合っていたんだけど、
何となくお互いに気になる存在ではあったんだよね。
でも、だからこそか、
ほらお互い相手がいたから、
気になるからこそ避けていたっていうか。
それで、リンは付き合っていたやつと結婚した。
同じ頃俺は付き合っていた女と別れた。
ちょっとしたことから連絡を取り合うようになってね。
それからしばらくして、
リンは離婚することになった」

「もうちょっとツッコミたいところだけど、
今日はこのくらいにしておきますか。
結構ドラマティックですよね」

「そんなことないよ。
成り行き、成り行き」

「本当に好きな人とは、
やっぱり最終的には
一緒に生きていくことになるんですね」

「そうだね」

「リンさんにはお子さんがいますよね? 
こんなこと聞いたら失礼かも知れないけれど、
お子さんのことは気にならないんですか? 」

「俺は全然気にならないんだけどね。
今4歳で可愛いよ。
ただ、リンの親が結婚には反対しているから。
俺、リンの親と仲はいいんだけどね。
でも、何故か結婚したいって言うと、
今のまま付き合っていればいいじゃない、
って言うんだ」

「リンさんはご実家にいるんですか? 」

「そう」

「一緒に住んでいるのかと思った」

「そうしたいところだけどね。
まぁ世の中、
何から何までうまくいくなんてあり得ないからね。
次はミウちゃんの番だよ」



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恋心
nana



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