銀行ビジネス鳥の眼/虫の眼  RSSを登録する

「銀行を変えたい!」と願う人、「銀行はどうなるの?」と考えたい人を応援するメルマガ。米国Anat Bird氏のメルマガ翻訳版(本人承諾に基づく)を紹介しつつ、銀行ビジネスについてのやぶにらみ的観察・感想を綴る。

  • 発行周期 隔週刊
  • 最新号 2009/11/19
  • 部数 125部
  • メルマガID 0000263585
  • 個別ページ
最新号をメルマガでお届けします    
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。
2009/06/09

第24回:顧客コールの高度化

こんにちは。「銀行ビジネス鳥の眼/虫の眼」第24回のメルマガです。

今回は、バードさんの新しいニューズレター(5月29日)をご紹介します。・

今回のテーマは、顧客訪問活動(「コール」と呼ばれる)です。顧客訪問を一定の
規律の下に行えば、より効率的・効果的な営業活動ができるという話です。

米国の銀行は外訪活動をしていないのではないかって?

いいえ。行っています。

ただし、日本ほど顧客1軒当りの訪問頻度は高くありません。で、頻繁ではない
からこそ、1回のコールをいかに効果的に行うかと、一連のコールの流れを
いかに無駄なく進めていくかが重要になります。

日本の銀行の営業活動についても参考になる話です。

ではいつものように、まずはバードさんのメルマガを紹介して、私のコメントは
その後で。

----------------------------------

2009年5月29日発信

---------------------------------------------

<PROFESSIONAL CALLING>
<顧客コールの高度化>

−記事要約−

事前に十分考えないままに顧客および見込み顧客に対するコールが行われている
場合が少なくない。営業マネジメントを効果的に行って結果を出すためには、
コールについてプロとしてのアプローチを持つことが不可欠だ。

―本文―

顧客および見込み顧客双方に対するコールは、複雑で難しい活動だが、銀行取引に
おける顧客リレーションシップ強化実現の中核となるものだ。
最近私は、担当者の顧客コール方法を確立する興味深くて効果的な方法について、Central Trust and Investment CompanyのCEOであるボブ・ジョーンズから学んだ。
その方法は法人、富裕層、リテールいずれの担当でも有効だ。
 
方法論の中心には4つのコール領域が設定されており、領域毎に異なる配点が
されている。
 
社内キーパーソンとのミーティング   :1点
顧客キーパーソンとのミーティング   :2点
見込み顧客との2回目以降のミーティング :3点
提案説明のミーティング        :4点
 
コールは全て対面であることが求められる、ただし顧客や見込み顧客が事前に
準備された電話でのコールを望む場合は例外となる。
 
コールに別の事業ラインの同僚を連れて行く場合には、2点が加算される。
 
コールの最低目標数は1日当り4件、週当り24件である。休暇による件数減はなし
とする。休暇の場合、担当者は24点分の追加コールを事前に準備して行うことが
求められる。厳しいように見えるが、実績を上げているスタープレーヤーを
分析すれば、彼らが言われなくてもそれをやっていることが分かる。
これは顧客コール管理において守られるべき規律の一部なのだ。
 
この目標設定があるために、顧客担当者は毎年実施可能な約200回のコールを
最大限活用しなくてはならなくなる。なぜなら、1点しかとれないコールを
数限りなく繰り返していては、要求最下限のポイント数を達成できないからだ。
 
目標設定は、コールプログラムに成功をもたらすための第一歩に過ぎない。
次に重要な項目は、先を見越してコール計画を作ることだ。全てのコールは
次の3つの要素を備えていなければならない。 
・事前のコール計画ミーティング
・テーマ・項目の設定
・コール後のレビュー
 
事前のコール計画ミーティングにはいくつかのポイントがある。
・誰がコールを実施するか
・誰がどの質問を担当するか
・誰が「ストップサイン(話し手をストップさせるシグナル)」を出すか
・誰が顧客の反応を「読む」か
・クライアントの心理的傾向はどうか(例:数値指向/細部へのこだわり/
 話し上手か聞き上手か等)
・コールのゴールは何か
・コール時間:誰がコールを予定時刻に終わらせるか
 
次に、計画ミーティングの結果から、コールのテーマと項目を組み立てる。
 
コール終了前には、コールのリーダーは顧客/見込み顧客に対して重要な質問を
二つ尋ねること。
・面談は有益な時間でしたか?面談から何かバリューを得られましたか?
・他に我々にできること/もっとこうすればよいということがあるとすれば
 何ですか?
 
コール実施チームの中では、忌憚のない追加意見(うまくいったこと/いかなかった
こと/こうすればもっとよかったこと)を共有すべきだ。結果から価値を引き出す
ためには、コール後のレビューを厳しいくらいの率直さで行うことが欠かせない。
加えてチームに求められるのは、次のステップにおけるやるべきことと、
その責任者となるメンバー(誰もコミットしないために放りっぱなしとなって
しまうことがあまりに多い)を決定することだ。
 
単独であれチームであれ、顧客/見込み顧客の双方をコールすることは、
顧客リテンション/顧客獲得の生命線である。明確な目標のセットと
上記のようなシンプルなプロセスがあれば、コールの有効性を高め、
部門間のチームワークを向上し、最終的に顧客満足度を高めやすくなる。

----------------------------------------------------------------

ずいぶん前に、米国のウェルズ・ファーゴ銀行で話を聞いたことがありますが、
法人顧客チームは新規担当と既存担当に分かれていました。既存担当のチームは、
既存顧客の通常取引を担当しており、ほとんどの取引を電話・FAXとネットという
リモート手段で行います。
いっぽう新規担当チームは案件ベースで活動し、案件が発生すると多くの場合顧客を
直接訪問し、話を聴いて融資などの提案を行います。このチームは、既存顧客から
新規案件の話が出てくる案件も担当します。

こうした顧客訪問(コール)を、きちんと計画を立てて実施するとともに、
個々のコールを効果的に行おうというのが今回のニューズレターの主張です。

ボブ・ジョーンズの方法のポイントは三つあります。
1)計画・レビューを複数の人間が入って行うこと
2)コールの種類によって評価ポイントを変えていること
3)個々のコールを効果的にするためのチェック項目を明確にしていることです。

担当者以外の人間も入って計画やレビューを行うことで、担当者にスキルや
ノウハウが移転されますし、ある程度の客観性を持たせることができます。
コールを効果的に行うとともに、担当者の育成に有効な方法です。

また、コールの種類を明確にすることで、「今回はどのような種類のコールか」
というコールの目的がはっきりしますし、種類別に評価ウェイトを変えることで、
「得点の高いコールを行うためにはどうすればよいか」ということを考える必要が
生じます。なぜなら、評価1点のコールに時間を使い過ぎると、年間目標の点数を
達成できなくなるからです。どんなコールに時間を使えば最適な結果が得られるか
というコールのマネジメントを担当者に自ら考えさせ、工夫させるには、
かなり効果的な方法だと思われます。

さらに、個々のコールについてどんなポイントを押さえておけば、効果的なコールが
行えて、次回につなげられるかも明確にされています。一人でなく、複数で役割を
分担して、見落としややり残しがないようにする方法も挙げられています。

米国らしいと思うのは、コールの種類によって配点を変え、効果的な方法を
個々の担当者に自分のアタマで考えさせるように仕向けているところです。
おそらく実際の業績評価は、活動の結果としての実績に基づいて実施しているものと
思われますが、それをどう自分で組み立てて実現するかは、個人に任されている
わけです。面白い方法です。

日本の銀行においても、営業活動の組織化は必要であり、上記3つの点はかなり参考に
なると考えられます。特に、これまで属人的な能力に依存して営業活動を行ってきた
中で、ベテランがそのスキルやノウハウを継承しないままに退職していきつつある
現状では、彼らの営業活動を単なるマニュアルに落とし込むのではなく、現実の
活動の中で、属人的でない皆が使えるスキル・ノウハウの形で組織の中に残していく
ことが必要になります。

営業活動の方法論については、以前のメルマガ(第16回)の中で述べましたので、
そちらをご覧下さい。

では、また次回。

------------------------------------------------------

このメルマガの転送・コピーは自由です。
(ニューズレターの著作権はバードさんに帰属しますので、無断での商業利用は
ご遠慮下さい)。

何か感じられた方は、コメントを送っていただけるとすごく嬉しいです。
(メールアドレスはbankingview@aol.comです)

あと、私がこのメルマガで翻訳しているニューズレターの原著者、Anat Birdさんの
サイトも訪れてみてください(http://www.anatbird.com/)。
英語だけど面白いですよ。

それでは、また。
最新号をメルマガでお届け
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。

最近の記事

上へ戻る