2009/04/14
第21回:収益を上げつつ差別化を実現する方法
こんにちは。「銀行ビジネス鳥の眼/虫の眼」第21回のメルマガです。 前回に続き、バードさんの新しいニューズレター(4月2日)をご紹介します。・ 差別化して収益を上げるという、銀行にとって(永遠に近い)テーマに関する話です。 今回、バードさんはホテル業界における差別化について、自らの体験をベースに 語っています。ややリキが入っているのかいつもよりちょっと長めのニューズ レターですが、読んでみてください。私は面白く読みました。 読後、おそらく色々感じられるところがあるのではないかと思います。 まずはバードさんのメルマガを紹介して、私のコメントはその後で。 ---------------------------------- 2009年4月2日発信 <ACHIEVING DIFFERENTIATION ECONOMICALLY> <収益を上げつつ差別化を実現する方法> −記事要約− 銀行にとって差別化とは、崇高だが実現すべき目標だ。 また実現できれば収益も上がる。 −本文− 世界のホテルの中で私のお気に入りの一つが、バンコクのペニンシュラだ。ホテルは 美しく、部屋は豪華で、部屋からの川の眺めは素晴らしい。良さの理由は様々あるが、 真の差別化はホテルの従業員にある。 銀行業界は、真の差別化を実現して採算を上げようと、長年の間苦労してきた。 しかしコマース・ニュージャージー銀行やアンプクア銀行などのように、明確に 理解できる価値提案によって差別化されたブランドを築き上げて開拓者となった 銀行は数少ない。顧客や見込み客は、これらがどんな銀行であるかを知ったからこそ、 群れをなして集まったのだ。 多くの銀行は「自分たちの商品は差別化できないし、差別化しても採算がとれない」 と主張する。この難しい状況について考えを巡らせていると、ペニンシュラホテルと 私のリレーションシップが頭に浮かんだ。以下に理由を述べよう。 ずいぶん前だが、私と夫は香港に旅行した。そこで名声を確立した最も有名な ホテルがペニンシュラだ。到着した時の私たちは多くの夫婦の中の一組に 過ぎなかったが、レイニー・チャンという活発で非常にプロの女性ルーム マネジャーが応対してくれた。レイニーは私たちをよく見ていて、海岸を見渡せる 素晴らしいスイートルームにアップグレードしてくれた。私たちが過ごした時間は 素敵なものだった。香港には他にも素晴らしいホテルがあるが、私達に他を当たる 理由などなかった。ペニンシュラには私達が望みうる全てのもの:立派な施設、 素敵な食事、美味しいティータイムのスコーン、そして一人ひとりの顧客を 歓迎する雰囲気や気持ちのよさという私達にとって大切なものがあったからだ。 その1年後、私達はバンコクを初めて訪れることにした。2〜3ヶ月前にペニンシュラが 開業したことを耳にしたのだ。私がレイニーに電子メールを送ると、彼女は私達の 予約をアレンジしてくれた。到着すると私達は暖かい歓迎を受け、スイートに アップグレードしてもらえた。 今やバンコク・ペニンシュラは、私達の東南アジア旅行の「基地」である。 ペニンシュラがある都市ならそこに泊まる。行ったことのない都市にペニンシュラが 開業すると、私達はそこを訪れる。到着すれば部屋にはいつも、私のエクササイズ用 踏み台と、お茶のポットと山のようなスプレンダ(人口甘味料(訳注:バードさんは お茶に甘味料を入れて飲む))が準備されている。ホテルは自分たちのポジションを 築くにつれ、価格を上げ始めた。えらく高い都市もあるのだが、私達は ペニンシュラから離れられない。 私達との取引を勝ち取ったのはレイニー・チェンに他ならない。彼女は現在、 香港の旗艦ホテルで初の女性支配人となっている。彼女は現在でも私達に 素晴らしい応対を続けていて、私達もいつも彼女にお願いするが、掛け金 (つまり部屋料金)も上がる。 似たような話はどこの銀行にもあるが、リレーションシップ構築のアプローチを 組織的に行っているところは非常に少ない。ペニンシュラのビジネスのやり方は、 よく旅行する人との関係構築のために初期投資を惜しまないというものだ (AMEXのプラチナカードが最初に始めたものだと思うが)。 彼らは、他社がまともに考えれば採算がとれないと判断することを数多く行っている。 しかし、それらは顧客リテンションのための長期的戦略の一部なのだ。そして それはうまく機能している。友人がアジア旅行をする時や特別な経験をしたい時には、 私はペニンシュラを勧める。ホテルは素晴らしい応対をするから、私は紹介した 相手にヒーローのように思われ、新しいペニンシュラ・ファンが誕生するわけだ。 このアプローチは公式に述べられてはいない。が、ペニンシュラの役員は皆それが ゴールであることを理解しており、日々その実現に勤しんでいる。成功の方程式の 中には数限りない小さな要素が取り込まれる。以下に紹介するフィリップ・ セジウィックの事業哲学は、細部にこだわることで企業戦略を日々の活動として 実現し、競争上の強みを継続的に高める方法の例として素晴らしいものだ。 フィリップは、バンコク・ペニンシュラの総料理長(エグゼクティブ・シェフ) である。彼は傑出したシェフであり、素晴らしいホストであり、そして 最も際立っているのが優秀なビジネス・エグゼクティブであることだ。 彼は自分のビジネスを単に食事ではなく、この上ない顧客経験を提供して リピートオーダーをもらうことだと考えている。ということは、料理が素晴らしい だけでは十分でないということだ。料理は究極的な差別化要因ではない。 差別化要因となっているのはむしろ、以下に述べるようなことだ。 ・パートタイム従業員とフルタイム従業員 : ホテルも銀行と同じように、 フルタイムのスタッフを雇用することも、はるかにコストの低い時間給のスタッフを 雇用することもできる。厨房も同様だ。セジウィックのスタッフのフルタイム従業員 比率は85%と高い。 通り向かいの競合大手では50%だ。セジウィックの方が高コストだが、逆に教育・ 育成支出は遥かに少ない。さらに重要なのは、スタッフが企業戦略をより適切に 遂行できることだ。スタッフは皆、ビュッフェの食事客が次の料理を取りに行く時に 皿を下げるタイミングや、食事客がテーブルを離れる度にナプキンを折り整える やり方を知っている。「お客様が何かご要望に対して絶対に『No』と言わない」という 最重要原則を理解している。これが大変なのは、私のような客がやってきて、 バケツほどのホイップクリーム(ホイップし過ぎていないこと)や、ほんの少し 強めに焼いてカリカリ感が出たパンとかを要求するような場合だ。 彼らに「はい、承ります」という姿勢があるからこそ、そこが香港で私の お気に入りのレストランになっているわけだ。たとえ他所でもっと美味しい料理が あるとしても、彼らのように私に対応してくれてあらゆる細かい要望(実際に 細かい要望は一杯あるのだ)を聞き入れてくれる所はない。 ・決して安っぽくしない : セジウィックは「ちまちま節約する」のが嫌いだ。 彼の価値提案は「経済的な富裕さ」だ。例えば彼はビュッフェレストラン向けにさえ、 食材としては値の張るメーン産ロブスターを買い付ける。ただし彼にこれが 可能なのは、彼がタフな交渉をして納入業者の価格を50%以上も値切ることが できるからだ。 ・細部へのこだわり : フィリップのスモークサーモンは完璧にカットされて いるので、個々の切り身の後ろの方にある魚っぽい味のする色の濃い部分が 口に入ることは全くない。事前に取り除けられているのだ。 バターはノルマンディー産で、機械で注意深くスライスされ、見栄えよく (顧客価値)、そしてムダなく(株主価値)使われる。 ・明確な顧客ターゲティング : ホテルの名は中国人旅行者や他のビジネス客には よく知られているが、地元には強力なファンがいなかった。そこでセジウィックは 地元客向けにすばらしいアイデアを導入した。日曜ブランチをシャンペン飲み放題に したのだ(シャンペンはバンコクで最も高価なドリンクである)。 彼は地元の人に来てもらい、レストランがどんなにユニークで際立ったものであるかを 経験してもらいたかったのだ。言葉ではその素晴らしさを伝えられないので、 ホテルとその食事を見込み客に経験してもらうために、ターゲット市場に対して 価値のあるものを提案したわけだ。顧客は大挙してやってきて、ホテルは レストランの通常の採算時間帯よりもはるかに忙しくなった。 他の同業者ではないことだ。 ・イノベーション : ホテルがより広い範囲のゲストにアピールし、世の中の 嗜好の変化に対応しようとし続けるかぎり、厨房も進化し続ける。セジウィックは トレンドの最先端にいる。「オーガニック」では十分でない。「ケミカル・フリー」 (人工物が材料の4.5%までならばオーガニックと呼べる)つまり化学品ゼロが目標だ。 ホテルはカロリーとサイフに敏感なハイ・ティー顧客向けにも「天然・新鮮」な セットメニューを登場させた。失敗するだろうと思っていた私自身が、雑穀入りの スコーンの虜になってしまった(笑ってもらっても構わない。ホントに美味しいの だから)。 ・顧客からのフィードバックに耳を傾ける : ビュッフェの顧客からは、もっと 新鮮な料理がよいとか、事前調理済でないものがよい等の要望が出された。 セジウィックは三つの新しいビュッフェ料理の島をつくった。「お好みグリル」と 「お好みアレンジヌードル」と「オーダーメイドサラダ」だ。 ・顧客ニーズを予測する : セジウィックは休む間もなく先のことを考え、 他のホテルに対する差別化を拡大していく。例えば彼が考えているのは、 個々のゲストが自分の好みを事前に入力し、部屋のミニバーをカスタマイズできる サービスだ。既に述べたが、他のペニンシュラホテルでも私はよくそのようにして おり、私が支払う金額の増加に照らせば投資リターンは多額になるはずだ。 ・トレンドに逆らう : どこのホテルでもレイオフが行われている。しかし ペニンシュラはレイオフしない。それどころかホテルは追加投資を行って顧客経験の 洗練化を続けており、フィリップの厨房予算も例外ではない。こうした投資は今日、 これまで以上に際立ったものだ。 ・「お試し価格」で誘うことはあっても、価格競争はしない : ホテルと レストランが高価であることは否定のしようがない。価格では競争していないのだ。 ペニンシュラは地域で最も高価なホテルとレストランの一つであるが、空港から ホテルまで連れて行ってくれるタクシードライバーでさえ、ふだん使わない英語で 言ってくる。「ナンバーワンのホテルですね」と。おカネで買えない広告だ。 これを読んで読者の皆さんが自問していることは間違いない。「このペニンシュラ 賛歌の一体何が自分たちと関係あるんだ?ホテルはこのニューズレターにいくら 広告料を払ったのだろう?」最初の質問に対する回答は、「ペニンシュラは 持続可能で採算に乗る差別化を行ってブランドを築き上げる方法を見つけた」 ということだ。彼らは「私達のサービスは差別化されています」(よく耳にする 文句だ)などとは言わない。その代わり彼らは、リレーションシップ構築に役立つ 変数や要因を見つける。その変数や要因が単なる「サービス」を超えた領域に つながり、他の競合が対抗できないものとなるのだ。 高級ホテルはどこも豪華なバスルームや風呂床タオルを備えているが、ターゲット 顧客に対して彼らがまさに望むものを提供して価値を創造しているところは非常に 少ない。かつてのリッツ・カールトンがそうであったように、ペニンシュラは イノベーションをし続け、採用を行い、顧客を喜ばせるという明確な指示を出して、 素晴らしい顧客リテンションと収益を実現しているのだ。 銀行であれ、同じことは可能なはずだ。そのためには、ターゲット市場とその 価値要因に関して理解を高めると同時に、様々な商品・サービスの収益性の メカニズムをより深く理解していなければならない。ペニンシュラは○○%の 客室稼働率が採算水準であること、売上の○○%は厨房が上げていること等を 把握している。 銀行の複数の事業ラインの目標設定を同様の方法で行い、十分な結果が 得られないときは機動的にそれを変更することが肝要だ。同じように、景気循環に 対抗し、困難な時期に投資を行い、競合より先を行くことも重要である。 ---------------------------------- さて。 バードさんが語ったペニンシュラの話をどのように受け止められた でしょうか? 「こりゃ超富裕層向けのサービスだ。リテールバンキングには合わないね」とか、 「相手が価格に糸目をつけず品質だけを大事にするならこの方法も成り立つけど、 我々の顧客はまず価格ありきだ。このやり方ではムリだよ」あるいは「ホテルと 銀行では違うでしょう」等々の印象を持たれた方もあるのではないかと思います。 確かにその通りかもしれません。 しかし、事例をみるときに着目すべきなのは「いかに自分達と違うか」ではなく、 「我々はどこが応用できるか」なのです。「どうすればよい部分を違いを乗り越えて 取り込めるだろう」と考えてこそ事例の意味があります。そうした観点からこの 差別化に関するニューズレターを眺めてみましょう。 私は、ニューズレターから読み取れる差別化のヒントを次の4つに整理して みました。 1)顧客ターゲット層が明確に設定してあり、その顧客層が重視する 「価値」を把握していること 2)価値提供のための独自の仕組みを作り上げていること 3)顧客価値実現のために常に努力すること 4)コスト対効果の関係を理解し、顧客が納得する価格をつけること それぞれ簡単にみていきましょう。 1)顧客ターゲット層が明確に設定してあり、その顧客層が重視する「価値」を 把握していること ペニンシュラの中心となるターゲット顧客層は、世界を旅行し、自分に重要な 価値の実現にはお金をかけても構わない人たち、あるいは食事に関して 同様に考えているホテル所在地の地元の人たちです。自分の好みや 商品・サービスの品質には非常にうるさく、最高のものを要求し、細かい独自の 注文もわんさか出しますが、納得すれば言い値を払うという人たちです。 顧客層をみれば、確かにプライベートバンキングの顧客層と重複しているでしょう。 しかし重要なのは、顧客が重視する「価値」を理解していることです。 ニューズレターの例では、バンコクペニンシュラのシェフは、週末のブランチ顧客を 増やすために「シャンペン飲み放題」を提案します。ここでのターゲットは 明らかに上記の顧客層とは異なります。ホテルの収益を上げるためには、 日曜午前のレストランの稼働率を高める必要があり、そのためには地元客の 取込みが必要になったということでしょう。ただしホテルとしては顧客層を大きく 落とすわけにはいかない。そこで「価値を理解すればリピーターになってくれる」 地元の準富裕層をターゲットとし、その人たちは「いいものがお値打ち価格なら 来てくれる」と考えた結果のキャンペーンだったと想定できます。 つまり、新しい顧客層を取り込むために、その顧客層が重視する価値を理解し、 価値観に合致した提案をしているわけです。この点は、富裕層であれその他の 顧客層であれ同じことです。 単に保有金融資産や預金の金額で顧客を層別するのではなく、属性で セグメンテーションしたなら、その中で「どのような顧客を」狙うのか。あるいは、 どのような顧客を固定化すれば収益が上がるのか。ここまで入ってくると、 他の競合とは異なるセグメンテーションができるようになります。 そして、ポイントは価値の把握です。顧客が必要な「機能」ではなく、顧客が求める 「価値」を把握することです。言い換えれば、ターゲットとする顧客層が何を重視して いるのか。何が満足されればリピーターになってくれるのか。こうした情報は ターゲット層の顧客の声に耳を傾けることで得られます。顧客が大事にしている 「価値」を明確にできれば、競合に先んじて、差別化の第一歩を踏み出したことに なります。 2)価値提供のための独自の仕組みを作り上げていること 次に、価値を提供する仕組みをつくることです。マーケティングでいう4P(Product/ Price/Place/Promotion)の設計です。サービス・マーケティングではさらに3P (Process/Participants/Physical Evidence)を加えて7Pということもあります。 この辺りはマーケティングのテキストを読めばよいでしょう。 ニューズレターの例で言えば、フルタイム雇用を増やす(より顧客の嗜好に合った サービスを提供するための教育が施せる)、食材の仕入れ値の低減努力をする、 レストラン内での顧客サービスを高いレベルで標準化するなどの施策がそれらに 当ります。 またホテルが重要と判断した顧客にはより高いサービスを提供しています。 顧客配室担当のレイニー・チェンは、バード夫妻の部屋をアップグレードします。 夫妻を観察した結果、今後重要なリピーター顧客になりうると判断したということ でしょう。リピーター化するための価値の提案方法も、アップグレードをはじめ いくつか用意されていると考えてよいでしょうが、同時にそうしたサービス提供の 権限が配室担当に与えられているということでもあります。 ポイントは、これらが個人の能力に依存するものではなく、「仕組み」として 作り上げられていることです。仕組み化することができれば、普遍化し、 横展開することができます。横展開できれば、競合よりも高いレベルで組織として 安定した品質の商品・サービスを提供できることになります。こうして、 さらに差別化が進みます。 3)顧客価値実現のために常に努力すること 価値提供の仕組みは、いったん構築したらそれで終わりではありません。 環境は変化するでしょうし、競合が真似をするかもしれませんし、顧客は より賢くなるでしょう。変化に対応し、自らも変わらなければなりません。 継続的な差別化を実現するために最も重要なのがこの点です。 現在あるものが成功していても、さらによいものがあれば躊躇なく 置き換えていく。業界は異なりますが、i-Podの製品革新はその例です。 初代i-Podの後にi-Pod Miniが登場し、それがまだ売れているのにアップルは Pod Nanoを投入してMiniを自ら陳腐化させてしまいました。しかしその結果 Nanoは大成功を収め、他社が次々と参入する中で圧倒的なシェアを獲得しました。 そして、この自己革新自体を「仕組み化」すれば最強です。常に差別化を続けて 他を引き離す仕組みが、組織の中にビルトインされている。企業にとっては 大きなチャレンジですが、このステージに達すると滅多なことで競合に劣後することは なくなります。ディズニーランド、セブンイレブン、ヤマト運輸などは、絶えざる 自己革新で圧倒的な差別化を実現してきた例と言えるでしょう。 4)コスト対効果の関係を理解し、顧客が納得する価格をつけること 最後に、上記の1)〜3)全ての背後にあるものとして、収益性を実現しながら これらの仕組みを作り上げることです。 顧客は価格と品質の関係(コスト/ベネフィット)を判断して商品・サービスを 選択します。 対象とする顧客層がもっている品質と価格のバランスに見合ったプライシングをする (「納得価格」をつける)ことです。 とは言え、顧客に他の競合よりもコスト/ベネフィットが高いと感じてもらえる 仕組みを収益的に実現しなければなりません。コストとベネフィットはトレード オフの関係にあります。コストを下げることで、顧客が重視する価値に関する ベネフィットを大きく削ってしまうのは誤りです。したがって、コストと ベネフィットの関係を動的に理解する(どこにどれだけコストをかける/削減すると、 どれだけ顧客価値が上がる/下がるか)ことがここでのカギです。 これら4つの原則はあらゆるビジネスに共通と考えてよいでしょう。リテール バンキングにおいても同様です。 よく耳にするのは、「銀行は顧客を選べないから、こうした差別化は難しい」 という議論です。そうでしょうか。現在でも銀行は、金融資産の多い層には プライベート・バンキングを提供しようとしています。大事な顧客、より収益を もたらしてくれる顧客には離れて欲しくないと考えているはずです。 銀行は口座をつくる顧客を選べないでしょう。 しかし、収益を落としてくれる顧客により多く応えることは可能なはずです。 最後に一つ。 バードさんは「真の差別化はヒトにある」と断じています。私も賛成します。 ヒトによる差別化を、個人々々の属人的能力によってではなく、組織として より多くのヒトが能力を発揮する仕組みによって実現すること。 仕組みが差別化をつくり、それを持続させるのです。 では、また次回。 ---------------------------------------------------------------- このメルマガの転送・コピーは自由です。 (ニューズレターの著作権はバードさんに帰属しますので、無断での商業利用は ご遠慮下さい)。 何か感じられた方は、コメントを送っていただけるとすごく嬉しいです。 (メールアドレスはbankingview@aol.comです) あと、私がこのメルマガで翻訳しているニューズレターの原著者、Anat Birdさんの サイトも訪れてみてください(http://www.anatbird.com/)。英語だけど面白いです よ。 それでは、また。


