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2008/05/16

【第16号】脳内出血の転帰と血腫量

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   〜第16号 脳内出血の転帰と血腫量 〜
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こんにちは、坂本直之です。

医学領域の第一線で活躍している人は、常に目を通しておきたい一流医学雑誌。
でも多忙の日常では、なかなか時間はとれないものです。

そのような方に向けて、クリニカル・アドバンスは、
NEJMやJAMA、LANCETなどの一流医学誌の記事から注目記事を選び、
その概要をお届けします。


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 ◆今回の注目記事(NEJM)
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【脳内出血の転帰と血腫量】 
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遺伝子組換え製剤の活性型第VII因子
(recombinant activated factor VII;rFVIIa)によって、
脳内出血の転帰が改善するかどうかを評価した
試験の結果が報告されています。

↓アブストラクト
http://content.nejm.org/cgi/content/short/358/20/2127

この試験では、脳内出血の患者 841 例を対象とし、
発症後 4 時間以内にプラセボ(268 名)、rFVIIa 20 μg/kg(276名)、
rFVIIa 80 μg/kg(297 例)の3群にランダム化しました。

結果、rFVIIa によって、血腫の増大は抑制されましたが、
プライマリーエンドポイントである不良転帰(脳卒中発症後
 90 日の修正 Rankin スケールでの重度障害または死亡)は、
プラセボ群 24%、rFVIIa 20 μg/kg 群 26%、rFVIIa 80 μg/kg 群 29%と
改善率について群間に差は見られませんでした。

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rFVIIaは、日本では「血液凝因子VIII因子又は第IX因子に対するインヒビターを
保有する先天性血友病及び後天性血友病患者の出血抑制」の適応症で、
既に承認され使用されていて、ノボノルディスクファーマ株式会社が
「ノボセブン」として販売しているものです。

今回の試験は、脳出血の治療薬としての適応を目指した
Phase 3試験の位置づけの試験でした。

Phase 3試験というからには、これまでも脳出血を対象とした試験が実施されて
いますが、先行のPhase 2b試験では、有望な成績が得られています。

その概略は以下のノボノルディスクファーマ株式会社のサイトに掲載されていますが、
その成績は、ノボノルディスクファーマ株式会社のサイトの表現をそのまま引用すると
”予想を上回る結果”でした。

http://www.novonordisk.co.jp/documents/article_page/document/PR_05_06.asp?Print=True

このPhase 2b試験の成績についてもNEJMに掲載されたのですが、
血腫の抑制だけでなく、臨床転帰の改善も認められていて、
死亡率に至っては、プラセボ群に比較しrFVIIa投与群で38%低い(p=0.02)
という成績が得られていました。

このように、有望な結果が得られていたにもかかわらず、今回の試験では
臨床転帰の改善は認められなかったのはどうしてでしょうか。

著者らは、その原因として、ベースラインのインバランスが影響している可能性が
あると考察しています。

論文にはその詳細が考察されていますが、簡単に要約すると、
先行のPhase 2b試験ではrFVIIaが有利な方向に、Phase 3試験では
rFVIIaが不利な方向に臨床転帰に影響する予後因子
(ベースライン時の脳室内出血)が偏っていた可能性に触れられています。

ランダム化は必ずしもインバランスを保証するものではないですが、
このように運悪く臨床的に影響する予後因子が偏ってしまうと、
結果の解釈が難しくなります。

今回の試験と同様のエンドポイントの試験を実施する際には、
割付でベースライン時の脳室内出血のバランスを保つような
試験デザインを考慮することが必要になってくるのでしょう。

ご意見はこちらまで↓
clinical-advance@nifmail.jp

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 ◆あとがき
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明日の週末は子供がベランダ菜園をしたいと言っているので、
何か買いに行こうと思います。

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発行者:坂本直之
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