2008/05/15
【第15号】頸動脈雑音の有用性はいかに
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【クリニカル・アドバンス】 http://clinicaladvance.blog43.fc2.com/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 〜第15回 頸動脈雑音の有用性はいかに 〜 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ こんにちは、坂本直之です。 医学領域の第一線で活躍している人は、常に目を通しておきたい一流医学雑誌。 でも多忙の日常では、なかなか時間はとれないものです。 そのような方に向けて、クリニカル・アドバンスは、 NEJMやJAMA、LANCETなどの一流医学誌の記事から注目記事を選び、 その概要をお届けします。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆今回の注目記事(LANCET) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【頸動脈雑音の有用性はいかに】 -------------------------------------------------------------------- 頸動脈雑音と心血管イベントとのリスクとの関連を評価した メタアナリシスの結果が報告されています。 ↓アブストラクト http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140673608606911/abstract その結果、100患者年あたりの発症率は 心筋梗塞 ・頸動脈雑音あり: 3.69 (95% 信頼区間 2.97?5.40) (8試験) ・頸動脈雑音なし:1.86 (95% 信頼区間 0.24?3.48)(2試験) 心血管死 ・頸動脈雑音あり:2.85 (95% 信頼区間 2.16?3.54) (16試験) ・頸動脈雑音なし:1.11 (95% 信頼区間 0.45?1.76)(4試験) と頚動脈雑音ありの方が発症率が高いことが示されました。 また、頚動脈雑音の有無で直接比較した4つの試験を用いた 解析によるオッズ比は、心筋梗塞で 2・15 (95% 信頼区間 1・67?2・78)、 心血管死で2・27 (95% 信頼区間 1・49?3・49)でした。 このように、頸動脈雑音がある患者はない患者に比べて、 心筋梗塞・心血管死のリスクが約2倍であることが示唆されました。 -------------------------------------------------------------------- この研究結果から著者は、ハイリスクの心疾患患者に対する頸動脈雑音 の聴診は、心血管リスクの積極的な管理が必要な患者を選別するのに 有用である可能性があると結論しています。 米国の高コレステロール血症診療ガイドライン(NCEP-ATP III)では、 今後10年間の心疾患イベントの発症リスクが20%を超える、あるいは 1年間の心血管イベントの発症リスクが2%を超えるものをハイリスクと 定義しています。 NCEP-ATP IIIで提示しているハイリスクの因子は 糖尿病(心疾患イベントの年間発症率:2.5%)や 末梢血管障害(心疾患イベントの年間発症率:2〜3.8%)です。 今回の研究で示された頚動脈雑音が存在する患者の心血管イベントの 年間発症率は3.7%であるので、NCEP-ATP IIIの定義にあてはめると、 頚動脈雑音の存在は、糖尿病や末梢血管障害と同レベルのリスク因子と 言うことが出来ます。 このことから、頚動脈雑音が存在した場合には、ハイリスク患者として 積極的な治療が推奨されるべきとも考えられます。 ハイリスク患者を特定する因子として、糖尿病、末梢血管障害と同レベルというのは なかなかインパクトのある結果ではないでしょうか。 ご意見はこちらまで↓ clinical-advance@nifmail.jp ―――――――――――――――――――――――――――――――――― クリニカル・アドバンス http://clinicaladvance.blog43.fc2.com/ ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆あとがき ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 四川省の大地震、痛ましい状況ですね。 日本でもいつか大地震がくると思うと恐ろしいです。 子育て発見伝 http://childdiscovery.seesaa.net/ でも取り上げましたが、 娘に地震が来たらどうするか聞いてみたら、 泣き出しました。 ニュースの映像などを見て 子供ながらに恐怖を感じたのでしょう。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――― クリニカル・アドバンス http://clinicaladvance.blog43.fc2.com/ 発行者:坂本直之 clinical-advance@nifmail.jp ―――――――――――――――――――――――――――――――――― <<本メルマガについて>> ※本メルマガの内容は作者の興味に基づいて主観的に取り上げたものです。 ※本メルマガの内容は医学的なアドバイスを意図したものではありません。 ※医学的な行為は必ず医師・専門家の指導のもとに行ってください。 ※作者の勘違い等で本メルマガの内容に間違いが含まれている場合もあります。 ※間違いにお気づきの方は作者宛にメールを頂けると幸いです。 こちらもよろしくお願いします! ↓ ―――――――――――――――――――――――――――――――――― 子育て発見伝 http://childdiscovery.seesaa.net/ メルマガ登録 http://www.mag2.com/m/0000264236.html 発行者:坂本直之 child.raising.discovery@gmail.com ――――――――――――――――――――――――――――――――――


