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頻発する救急患者の受け入れ拒否。地方から消える小児科医や産科医。これら全ての原因を「医療訴訟の増加」「コンビニ受診」など患者側に押し付け、さらなる待遇を獲得していく医師たち。医療にまつわる最新の出来事を取り上げ、医療問題の核心に迫ります。

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2008/07/22

救急救命士の活躍を妨げる医師たち 朝日7月18日

 朝日新聞7月18日の三面「あしたを考える」
は、救急救命士の能力が活用されていない現状
を取り上げていました。


 救命救急士は17年前に生まれた国家資格で、
1)管をのどに入れ呼吸を助ける、2)輸液(静脈
路の確保)3)アドレナリン注射、などの救命処
置を医師の指示の下で行うことができる資格です。


 しかし、救急救命士法に「救命処置ができる
のは救急車で向かった現場と病院への搬送中だ
け」との記載があるため、現場と搬送中以外は
その技術が発揮できない、というのです。


 認定された技術が場所によって制限される、
という奇妙な国家資格。一体全体、どうしてこ
のような制限が加わったのか? 同記事は、
「17年前の法成立時、重篤患者の緊急搬送の
みが念頭にあったからだ。」と説明しますが理
解に苦しむ説明です。


 仮に、記事が指摘するように、その当時、重
篤患者の緊急搬送だけしか念頭になかったとす
れば、わざわざ「現場と病院への搬送中だけ」
などの制限を付け加えるはずがありません。何
らかの思惑があったとしか思えないのです。

 
 では、一体どういう思惑が…?


 仮に、この制限がなかったら、救急の現場は
今ごろどうなっていたか考えれば分かりやすい
と思います。
 
 救急医が足りないとあれば、救急救命士が救
急医療の現場で活躍していることはまず間違い
ありません。このような事態、すなわち医療の
現場に医師以外の人間が入ることを彼ら医師た
ちが快く思うはずがありません。


 こうした制限にも関わらず、彼ら救命救急士
に活躍の場を与えている病院が紹介されます。
日本医大多摩永山病院救命救急センターーです。


 ここでは、3年前に夜間当直に救命士が加わ
り、現在、医師2人、看護師1人、救命士1人
の計4人で夜間の重症患者に対応している、と
いいます。



 さぞかし活気的な取り組みと思われるかもし
れませんが、そこには従来の医師を頂点とする
ピラミッドが厳然と存在します。


 「…ここで働く救命士は救命処置こそできな
いが、知識が生きるる。運ばれてくる患者の状
態を聞くだけで、医師がいちいち指示しなくて
も必要な道具や薬が準備できる。医師が治療を
している間も、あうんの呼吸で補佐できる。二
宮宣文センター長は『大きな戦力になっている
』と話す。…」


 救命処置を施す技術を有しながら、救急車以
外では患者に手を出すこともできず、あくまで
医師が使う道具や薬の準備をする救命士たち。
医師に従属する救命士のままではプライドもあ
ったものではありません。


 記事の最後では、日本救急医療医学会幹事の
島崎修次・杏林大学教授が、救命士たちの活用
を訴えますが、医師による医療行為の独占を継
続させたい意向が見え隠れしています。「しか
し、早急な拡大も、また危険だ。現在の救命士
教育は、救急車内で働くための技術や知識に力
点が置かれている。…」


 つまり、現在の教育では救命士は能力不足で
救急車内以外での措置はできない、というのです。

  
 しかし、そこまで救命士に求めるのならその
前にやるべきことがあります。

 それは、医師ならば専門教育を受けていなく
ても、救命処置の経験がなくても救急処置をす
ることが許される、という医師法の改正です。


 この調子でいけば、救急医不足に悩む病院側
がリタイヤした耳鼻科や皮膚科の医師を連れて
きて、処置は救命士に押し付ける、といった名
義貸しの状態が横行しかねません。もちろん、
リタイア後の医師にとってこれほどおいしい話
はありません。

 

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