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2008/05/12

遺言書作成倶楽部 第5号 今回は秘密証書遺言について解説します

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ときに遺言の内容を秘匿したまま遺言書を残したい場合があります。
例えば配偶者以外に、懇意にしていた女性に財産の一部を相続させたい場合や、法定相続人以外の者に遺贈したい場合などです。
遺言の内容を秘密にしたまま遺言を作成する方法としては、自筆証書遺言及びこの秘密証書遺言が考えられます。
少なくとも遺言を作成した事実だけは明確にしたいのなら、秘密証書遺言が適当でしょう。

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〜作成手続〜
秘密証書遺言の場合、遺言者自身の署名押印が必要とされますが、自筆証書遺言とは異なり本文については自書であることが要求されていません。
したがって代筆、ワープロ、タイプライターによって作成することもできます。
遺言者以外の者がワープロを操作して遺言書を作成することも可能です。
しかしその場合、ワープロを操作した者を筆者として、その氏名住所を公証人に申述しなければなりません。
これを欠くと、遺言は無効になります。
作成された証書は、原則として遺言者自身が封筒に封入し、証書に用いた印鑑でこれを封印しなければなりません。
次に遺言者は公証人1人、証人2人以上の前に封書を提出して、自己の遺言書である旨及び住所氏名を申述します。
そして公証人が、その遺言書を提出した日付及び遺言者の申述を封紙に記載した後、遺言者及び証人とともにこれに署名押印します。
秘密証書遺言の場合、かならずしも日付の記載をしなくても構いません。
これは、公証人が封紙に記載した日付が確定日付になるからです。
証人の資格については、公正証書遺言と同様です(第4号参照)。
証人2名のうち、1人でも証人適格を有しなければ遺言は無効になりますので、くれぐれも注意してください。
また公証人は、遺言書の存在を記録するだけで、内容の適法性を保証するものではありません。
自筆証書遺言と同様、文言に疑義が生じる可能性もあります。
作成に関しては、弁護士、行政書士などの法律専門家に相談するのが無難でしょう。


〜秘密証書遺言作成に際して用意しなければならないもの〜
・遺言者の実印及び印鑑証明
・証人の住民票及び認印
・公証人手数料(一律11,000円)


〜秘密証書遺言のメリット〜
・遺言書の存在については明らかにしながら、内容を秘密にしておける
・代筆やワープロでも作成できる(自書能力がなくても作成できる)
・遺言書の存在が公証役場に記録される


〜秘密証書遺言のデメリット〜
・証人を2人以上用意する必要がある
・若干の手間と費用が必要になる
・内容については公証人が関与しないため、形式不備の可能性がある
・執行にあたって家庭裁判所の検認が必要になる


==========今号の特集==========


〜検認義務〜
遺言執行の際、公正証書遺言の場合を除いて、家庭裁判所に検認の申し立てをしなければなりません。
封印されている物については、家庭裁判所において、相続人またはその代理人の立会いがなければ開封することができません。
遺言書の保管者は、相続の開始を知った後、遅滞なく遺言書を家庭裁判所に提出し、検認の請求をしなければなりません。
保管者がいない場合に、遺言書を発見した者にも同様の義務があります。
この義務を怠った場合、「5万円以下の過料」に処せられます。
検認は遺言書の有効、無効の判断をするものではなく、偽造や変造を防止するため、遺言書そのものの状態を確定するための手続きです。
遺言書が封印されていなくても、検認の手続きは必要です。
提出する家庭裁判所は、被相続人の住所を管轄する家庭裁判所です。
検認の費用は、印紙代の800円と相続人に検認通知書を発送する切手代のみです。
封印されている遺言書を検認前に誤って開封した場合や、検認前に相続を開始しても、遺言そのものが無効になることはありません。
しかし、検認は法的に義務付けられた手続きです。
また不動産の場合、検認のない自筆証書遺言を相続を証する書面としての所有権移転登記の申請は却下されます。
検認が確実に行われるよう遺言書の封筒には、開封せずに家庭裁判所に提出して検認の申し立てを行う旨を書き添えておくとよいでしょう。

次回は遺言書の保管について解説します。

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