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2008/12/15

NICU的生活

最近話題のNICU 
これはニクとかナイクとは呼ばないんです。
エヌ アイシーユー 
NICU (Neonatal Intensive Care Unit) と呼ぶんですね。
新生児用の集中治療室のことです。


もううん十年以上前になるが、僕も大学を出たとき
NICU勤務を誘われたことがある。
でも、あのとき、NICUの医者にはなれない、、としみじみ思ったもの。

新生児の治療では、
研修医の頃心臓外科や小児外科でローテーションで働いたことがあります。

これはそのときの話、記憶の中の話。
もううん十年前のことで、今とは違うかもしれないが、、
今の実際の所はもう分からない。


ほんのちょっとだけやっただけなのだけど、
それでも、
新生児の治療はあまりの神経を使い、あまりに体力を
そして精神力を使った。


例えば、
点滴
大人でも血管が細くて点滴の入らない人っていっぱいいるけど
新生児の血管は、、、
といっても、だいたい病気があって問題となる子は更に小さく、
また、通常より早くに生まれてそのままでは生きられない子供が
集中治療室にはいる。
2000gの新生児の血管なんて想像できるだろうか
両手を広げてみるとその上に横になって乗ってしまうような
そんな新生児の血管を想像できるだろうか
ナイロン糸のように細く、
今の僕のへたった白衣のボタン糸よりももろい
そんなところに点滴を刺す。
でもすぐ漏れる、次はもっと条件が悪くなる、
そんなところに点滴を刺す。
でもすぐ漏れる、次はもっと条件が悪くなる、、、、
ふっと気がつくと、点滴入れるだけでも一時間くらいあっという間
それが夜中だと、目もしょぼしょぼになっていく、




例えば、
そんな新生児は、自分で呼吸ができないから
だいたい人工呼吸器がついている
その、挿管したチューブの細さ!!
直径数ミリ!

点滴が入った!!
と思うまもなく別の人工呼吸器のアラームがなる!

痰が詰まった!!
体の中の酸素の余裕がないから見る間に顔色が悪くなる。
数ミリの挿管したチューブの内径はもっと細く、
そこに入れる痰を取るチューブは更に細く、
その内径は更に細い。
そんな細いチューブで痰を取る
時間がかかる
どんどん、顔色が悪くなる、
細い細いチューブで取れる痰には限界があり
心臓の脈も乱れてくる、、、
ベビーも必死だろうが、痰を取る我々も必死だ!!!

ちょっと状況が良くなると
小さな小さなバックをつけて100%の酸素で換気を助ける、
不整脈がなくなる。
残った痰を取る
これを繰り返す、、


ただこれだけ、点滴を入れる、痰を取る、
たったこれだけのことでも
集中治療室はてんてこ舞いで、夜が明けていく
しみじみあのころを思い出すが、

NICUというと、
こんなベビーベッドがいくつも並んでいる部屋 のはず。
アラームの音がなるとどこだっ? って ドキッとする


こうして体力をすり減らしへとへとになって、
目に隈をつけながら朝ICUから出て行く。

外には一晩中待っている母親、、
家族との説明も大変だと思った。

そんなところで
毎日毎日、一日36時間勤務で頑張っている医師。
NICU勤務の医師から「一緒にやらないか」
といわれても
頭の中にあるのは、

今はいい、できるかもしれない。
20代は体力があるからなんとかなるだろう、
30代は何とか乗り切れるかもしれない
40代は? 過労死ということばなどないころだったけど
そんな意味の気持ちが心の中に生まれる
このNICUにいる先生は、
そんな生活がいったいいつまで続くんだろう、
年取ったあとはどうなるんだろう?
という思いだった

とても自分には何年もそんなことがやれるとは思えなかった

有り余る情熱がないと、
とてもそんなことはやり続けられない
生まれてきたベビーには罪はない
何とかして助けてあげたいと思ったものだけど
とても、NICU勤務はできないと思った。

いくら設備があっても
そんな情熱のある医師、スタッフは簡単には揃わない

そんな、ぎりぎりの状況を
ぎりぎりにしないですむ体制、
もっと普通の医師や看護師などのスタッフでも
普通に働ける様な体制が整わなければ
僕のような人間にはNICUでは働けない。

そんな制度が少しでも整備されること祈っている。



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

編集後記

研修医の頃の思い出
大変なこともあった、つらいこともあった
楽しいことも嬉しいこともあった
そして何とかここまで来てしまった。

まだまだ頑張らなくては、、、、、、

と思うが、
だんだん目も見えなくなるだろう。
手も動かなくなるだろう。
技術も落ちるだろう。
世の中だけじゃなく、病院の医師の高齢化も進む
早く次の若い医師が来てくれないと、
今の技術も伝えられなくなる
今のレベルも維持できなくなる、、、










ホームページ作ってます。

現役医師と一緒に特定健診を上手に使ってメタボリックシンドローム予防!
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痔主とさよなら、現役医師の痔のお話
http://seiten.xsrv.jp/ji-mochi/

癌の知識、情報、診断、治療、などなど、、
http://www.hokkariko.com/

病院で話す英会話
http://eikaiwa.hokkariko.com/


よろしくお願いします。



では、また来週お会いしましょう。
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