2008/10/05
癌の生存率
だんだん涼しくなって、 外来でも風邪を引いてる人が増えてきました。 私も、急な温度差は体がついていきません、 皆さんはいかがでしょうか、おげんきですか? さて、 最近各病院のいろいろな成績、データが公表される様になってきた。 情報の公開をすることで、各施設のモチベーションがあがり ひいてはレベルも上がり、患者さんのメリットになるのならば良いことだと思う。 ただ、このような情報は受け手の側がどうあつかうかも問題だ。 厚生労働省研究班(主任研究者・猿木信裕(さるき・のぶひろ) 群馬県立がんセンター手術部長)は、 専門病院などでつくる「全国がん(成人病)センター協議会(全がん協)」加盟施設の一部について、 施設別の胃、肺、乳、大腸、子宮頸(けい)-の計5種類のがんで 治療5年後の生存率を集計し、3日付でインターネットで公表した。 とうことで、 いろいろな癌の生存率が公表された。 でもこの数字 数字だけ見てると各施設に差があるけど 普通のことやってると、そんなに差があるもんじゃないというのが 実際に関わってるものとしての実感。 日本は世界にもないほどの標準化した医療が得られる国だと思う。 データも、例えば、 肺がんでは、大阪府立成人病センター(51・5%)と 群馬県立がんセンター(21・9%)は29・6ポイントの差だった というと、ものすごい差のように見えるけど、 ここにもう一つのデータ、 手術率も59・6%対28・9% と言うものがある。 結局、手術できる状況の患者の多い大阪では成績が良かったけれど 結果として、全体に手術できないほどの進行した癌の多い群馬では低く出た ということかもしれない。 この地域差というのは実はものすごくある。 同じ市の中でも区が違うだけでかかってくる患者の質? がまるで違うことはよくあること。 これは施設の問題ではない。 例えば病気に対しての意識の高い地域では 市民も医者も小さい早期の癌を見つけようとする。 そうすると肺癌でも大きさ1cm とか 2cm とか というものが見つかってくる。 どころがそんな意識の高くない地域では、 まず、市民が健康診断自体をうけない。 だから勢い癌が進行して何らかの症状が出てから受診する などということが当たり前のように起こる。 また、 癌の進行度と表すのに 分かりやすいのは肺癌だろうか 腫瘍の大きさで IA 期は3cmまでとなっているが 意識の高いところでは、例えば1cmのようなかなり小さいものまでみつかるけれど 意識医の低いところではIA期といえどもほとんどが3cm弱くらいだったりする。 IB期は3cmより大きいものをいうが 意識の高いところでは 3cmをかなり越えるものは少ないだろうが、 意識の低いところでは10cmなどというIB期もあるだろう。 癌も1cmの大きさでは細胞数として10万個から100万個といわれるが 10cmともなると、その1000倍にもなろうか。 つまりそれだけ最初の1つの細胞が癌になってから手術までの時間も違う、 その分手術のあと転移するリスクも増えると言うこと 同じIA期、IB期といえどもかなりの誤差、幅を含むと言うこと。 そんなものをまとめて一緒に論じても実は限界がある。 でもどこかに線を引かなくちゃそれ自体意味のあることか検証すらできない。 つまりは常に修正が大事と言うこと。 また、以前アメリカで言われたのは 手術の死亡率。 アメリカでは各病院の手術成績もオープンで 手術死亡率も発表していた そうすると、 シルクの少ない施設に難易度の高い症例が集まり 次の年の集計では手術死亡率は逆転した。 はたして、 どちらの死亡率を信用して、どちらの施設が良いか。 それはその数字の変化の背景を知らないとわからない。 先ほどの大阪と群馬の例、 はたしてどちらの施設がよいか? 結局、情報が公開されて喜んだのもつかの間 結局情報に振り回されてしまう。 情報を得るのなら 数字だけじゃなくその背景をしっかりと勉強する必要があるってことですね。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 編集後記 と言うようなことも言ってられるのは、 自分医療の世界にいて医療のことをよくわかっているから。 例えば今の世の中世界金融がどうの、、、といわれても どの情報がどうなっているのか、、、 専門外だと何がなんだか、、ということがいっぱい。 物事が複雑になればなるほどに 知らないことがいっぱいになってきますね。 ホームページ作ってます。 現役医師と一緒に特定健診を上手に使ってメタボリックシンドローム予防! http://seiten.xsrv.jp/metabolic/ 痔主とさよなら、現役医師の痔のお話 http://seiten.xsrv.jp/ji-mochi/ 癌の知識、情報、診断、治療、などなど、、 http://www.hokkariko.com/ 病院で話す英会話 http://eikaiwa.hokkariko.com/ よろしくお願いします。 では、また来週お会いしましょう。



