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2008/07/23

理系受験生のための基礎物理    第46号

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◆◆◆==== Basic physics ====================

         理系受験生のための基礎物理    第46号

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 ■ 「光波」について  (2)

波は振動が伝わる現象でしたが,波(振動)を伝える元になるもの
を媒質といいます。
水面波の媒質は水ですし,音波の媒質は空気です。
では光波を伝える媒質は何かというと,これがよくわかっていま
せん。
光は真空中でも伝わるからです。
かつて光を伝える媒質として,宇宙には「エーテル」という目に
見えないものがあると考えられたこともありましたが,そうする
と地球はエーテルの中を動いている(公転している)ので,エーテ
ルの風やゆらぎができてしまい,光の伝わる速さが変わることに
なりますが,マイケルソンとモーレーの実験により,光の速さは
どの方向にも一定であることが示されました。
現在でも光波を伝える媒質は不明です。
また光はエネルギーの塊のような「粒子」の性質も示し,人間が
想像する次元を超えたものです。


さて,受験の物理のお話を始めましょう。
ある媒質1(例えば水)と媒質2(例えばガラス)が接しているとします。

   (媒質1)
  ――――――――――――――――
   (媒質2)

このとき,媒質1の中を光が進んできて境界面に斜めに当り,媒質2
に入ると,一般的に進行方向が曲がります。
この現象を「屈折」といいます。

境界面に対して垂直に立てた線(これを法線といいます)から入射光
の角 iを「入射角」といい,


      (入射光)
        \   |
         \  |
          \i|
   (媒質1)     \|
  ――――――――――――――――
   (媒質2)

  (フォントの設定がプロポーショナルだと図がくずれます)



法線から屈折光のまでの角 r を「屈折角」といいます。

   (媒質1)
  ――――――――――――――――
   (媒質2)     |\
           |r\
           |  \
           |   \ 
               (屈折光)

(テキスト形式では微妙な斜めの線を表現できませんが,角 r は
 角 iより小さいと思って下さい)

このとき,屈折角 r の正弦に対する入射角 i の正弦の比を
「媒質1に対する媒質2の相対屈折率」といいます。
つまり相対屈折率 n12 (12は小さい字の添え字)は

      n12 = (sin i)/(sin r)    です。

これを「屈折の法則」といいます。
この法則を発見した人はスネルという科学者で,屈折の法則を
「スネルの法則」ということもあります。

とくに媒質1が真空のときは,媒質2の「絶対屈折率」または
単に「屈折率」といいます。
一般に屈折率は1より大きい値です。
真空の屈折率が1,水は約1.3,ガラスは約1.5ぐらいです。

光がある方向に進むとき,逆方向から光を当てると同じ経路を
たどります。
これはみなさんが小学校の頃から当たり前のこととして習って
きましたが,これにはきちんとした名前がついています。
あまり知られていませんが,これを「光の逆行の原理」といい
ます。

いま,真空から屈折率 n の媒質に当てる光の入射角を大きく
すると,屈折角も大きくなります。
(でも(sin i)/(sin r)の値は変わりません)
では逆に,屈折角のほうから光を当てると,逆行の原理により
同じ経路をたどって真空中に出ていきます。
媒質中から当てる光の角度を大きくすると,真空中へ出ていく
角度も大きくなり,いつか境界面上を伝わる光になります。


   (真空)
  ―――――――――――――― →(屈折光)
   媒質      /|
   (n)     /φ|
         /  |
      (入射光)


このときの角 φ を「臨界角」といいます。
臨界角より大きい角で光を当てると,光は全て境界面で反射
してしまい,反対側の媒質(図では真空)には入っていかなく
なります。
この現象を「全反射」といいます。

では臨界角 φ での関係を考えてみましょう。
逆行の原理より,光が境界面上を伝わってきて屈折角 φ で
屈折したとします。
(現実にはそんなことは起きませんが,臨界角でも逆行の原理
 が成り立つと考えます)
            |
   (真空)      |90°
  ―――――――――――――― ←(光)
   媒質      /|
   (n)     /φ|
         /  |

このときの入射角は90°で,屈折角が φ になります。
したがって,屈折の法則は

      n = (sin 90°)/(sin φ)   です。

ここで,sin 90°は 1 ですから,sin φ について解くと

     sin φ = 1/n   となり,

臨界角の正弦は媒質の屈折率の逆数になります。
(上の媒質が真空でないときは,相対屈折率の逆数になります)


入試では「全反射」についての問題が,ひとむかし前から割り
と出題されるようになってきました。
これは現代社会を反映していまして,近年はインターネットの
普及が急速に高まり,以前の電話線は金属線を使っていたので
すが,通信速度を上げるため,また大量のデータを同時に送る
ために光ファイバーケーブルに変わってきました。
光ファイバーケーブルの内部構造は,光が伝わるコアという部
分があり,それを被覆材で覆っています。
そのコア内を光が全反射して伝わっていきます。




不幸中の災害 (← ?)


今回はここまでです。


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