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物理の「なぜそうなのか?」を分かり易く説明します。なるべく数学を使わない定性的な物理です。物理の基本を理解したい受験生や曖昧に覚えている箇所を正しく軌道修正したい受験生のためのメルマガです。力学、波動学、電気学の順に配信し、9月からは磁気学、熱力学です。

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2008/07/07

理系受験生のための基礎物理    第39号

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◆◆◆==== Basic physics ====================

         理系受験生のための基礎物理    第39号

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 ■ 「波の性質」について  (2)

前回は一方向に進む1つの波についてお話しました。
今回は,2つの波が重なる場合を考えます。
(今回も抽象的な話であまり面白くありません)


図のように,「右に進む波1」と「左に進む波2」があるとき

          波1            波2
・・・(谷)(山)(谷)(山)→ ←(山)(谷)(山)(谷)・・・

これらの波が達するところに注目してみます。


波1の(山)と波2の(山)が同時にたどり着いて大きい山になります。

   波1  (谷)(山)(谷)(山)→  
               ←(山)(谷)(山)(谷)  波2
     
   (フォントの設定がプロポーショナルだと山の位置がズレます)

合成すると  (谷)(山)(谷)【山】(谷)(山)(谷)
 
   (【山】は山どうしが重なり合って大きい山の意味です)


その後,波1の(谷)と波2の(谷)が同時にたどり着き,深い谷になります。

波1  (谷)(山)(谷)(山)(谷)(山)→
            ←(山)(谷)(山)(谷)(山)(谷) 波2

合成すると
    (谷)(山)(谷)【山】【谷】【山】(谷)(山)(谷)


このように同位相の波が同時にたどり着くと,山どうしになったり,谷どう
しになったりして「強め合う」ことが起きます。



では今度は,下図のように「右に進む波3」と「左に進む波4」があるときを
みてみましょう。

          波3            波4
・・・(谷)(山)(谷)(山)→ ←(谷)(山)(谷)(山)・・・

これらの波が達するところに注目してみます。

   波3  (谷)(山)(谷)(山)→  
               ←(谷)(山)(谷)(山)  波4

合成すると (谷)(山)(谷)【打ち消し合う】(山)(谷)(山)

波3の(山)と波4の(谷)が同時にたどり着くため,互いに「弱め合い」
ます。


その後,

   波3  (山)(谷)(山)(谷)(山)→  
            ←(谷)(山)(谷)(山)(谷)  波4
合成すると
(山)(谷)【打ち消し合う】【打ち消し合う】【打ち消し合う】(山)(谷)

波3の(谷)と波4の(山)が同時にたどり着き,再び弱め合います。


このようにいくつかの波が重なると,「強め合ったり」または「弱め合ったり」
することが起きます。
この現象を「干渉」(かんしょう)といいます。

また,波をグラフの線で表すと,波が重なるときはy座標どうしを足した状態に
なります。
これを「重ね合わせの原理」といいます。


では,干渉による「強め合う条件式」や「弱め合う条件式」を考えてみます。
いま下図のように,点Aと点Bから同じ波長の波が送り出されているとき,
点Pでの「強め合い」「弱め合い」をみてみましょう。
波を送り出すもととなるものを「波源」といいます。
(スピーカーや懐中電灯は波源です。歳をとるとハゲになります)

 ●(谷)(山)→         ●     ←(山)(谷)●
 A                P            B

波源Aからは谷が送り出された直後です。次は山を送り出します。
波源Bからも谷が送り出された直後です。次は山を送り出します。
波源Aと波源Bは同時刻に同位相の波を送り出しています。


このようなとき,点PがAから3波長,Bからは2波長の位置にあるとします。
   →              →   ←        ←
 ●(谷)(山)(谷)(山)(谷)(山)●(山)(谷)(山)(谷)●
 A                  P            B

この後,PにはAからの波とBからの波が同時に「山どうし」「谷どうし」と
たどり着き,PではAとBの波が干渉して強め合います。

このようにAとBから同位相の波が送り出されてPで強め合いが起きるのは,
上の場合だけでなく,BがPから1波長の位置にあってもかまいません。

   →              →   ←  ←
 ●(谷)(山)(谷)(山)(谷)(山)●(山)(谷)●
 A                  P      B

ここでは,Bは谷を送り出した直後で,次に山を送り出します。
AとBは同位相で波を送り出しています。

また,BPの距離は2波長のままで,APが2波長のときをみてみましょう。

         →        →   ←        ←
       ●(谷)(山)(谷)(山)●(山)(谷)(山)(谷)●
       A            P            B

Aは谷を送り出した直後です。次は山を送り出します。
AとBは同位相で波を送り出しています。
このときもPでAとBからの波が干渉して強め合いが起きます。

他のいろいろなパターンを調べてみてもわかるのですが,AとBから同位相
の波が送り出されているとき,APとBPの距離の差が波長(λ)の整数倍で
あるとき,Pで強め合いが起きます。

つまり,AとBから同位相の波が出ているとき,点Pで強め合う条件式は

    |AP−BP| = mλ   (m=0,1,2,3,・・・)
  (APよりBPの距離が長い場合もあるので絶対値にします)

または
    |AP−BP| = 2m・(λ/2)  (m=0,1,2,3,・・・)
   (APとBPの距離の差が半波長の偶数倍)

                   となります。



では今度は,点Pで弱め合う条件を考えてみましょう。

点Pが波源Aからは3波長,波源Bからは2波長半の位置にあるとします。

   →              →   ←           ←
●(谷)(山)(谷)(山)(谷)(山)●(谷)(山)(谷)(山)(谷)●
A                  P               B
  
AとBは谷を送り出した直後で,次は互いに山を送り出します。
AとBは同位相で波を送り出しています。
Pに,Aからは山の先端がきていますが,Bからは谷の先端がきています。
この後,PではAからの山とBからの谷が同時にたどり着き,打ち消し合
います。
その後Pには,Aからの谷とBからの山が同時にたどり着き,再び打ち消し
合います。
このようにして,Pにはつねに逆位相の波が同時にやってくるため,全く
波ができないことになります。
つまり「弱め合い」ます。

Pで弱め合うことが起きるのは,AとBがこの場所だけではありません。
BがPから1波長半離れた位置にあるときをみてみましょう。

   →              →   ←     ←
●(谷)(山)(谷)(山)(谷)(山)●(谷)(山)(谷)●
A                  P         B

AとBは互いに谷を送り出した直後です。次は山を送り出します。
AとBは同位相です。
このときPには,やはりAとBから逆位相の波がたどり着き弱め合います。

またBPの距離は2波長半のままで,APの距離が2波長のときをみてみま
しょう。

      →          →   ←           ←
      ●(谷)(山)(谷)(山)●(谷)(山)(谷)(山)(谷)●
      A            P               B

このときもAとBは同位相で波を送り出していますが,やはりPには逆位相の
波がたどり着き,弱め合います。
他のいろいろなパターンについて調べてみてもわかりますが,AとBから同位
相の波が送り出されているとき,APとBPの距離の差が半波長(λ/2)の奇数
倍であると,Pで弱めあうことが起きます。

つまり,AとBから同位相の波が出ているとき,Pで弱め合う条件式は

    |AP−BP| = (2m+1)・(λ/2)   (m=0,1,2,3,・・・)
  (APよりBPの距離が長い場合もあるので絶対値にします)

または
    |AP−BP| = (m+(1/2))・λ   (m=0,1,2,3,・・・)
   
                    となります。



このように波の干渉によって,「強め合い」「弱め合い」が起きますが,
これの実際の現象は,光を使った「ヤングの実験」や「回折格子」などで
現れ,光が強め合って明るくなったり,弱め合って暗くなったりして明暗
の縞ができたりします。



ショック中毒 (←?)


今回はここまでです。


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