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2008/06/27

理系受験生のための基礎物理    第34号

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◆◆◆==== Basic physics ====================

         理系受験生のための基礎物理    第34号

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 ■ 「単振動」について  (3)

前回まで単振動について考えてきました。
単振動する物体には,つねに中心からの変位 x に比例して,もとに
もどそうとする力(=復元力)

         F = −Kx  がはたらき,

このような運動をする質量 m の物体の周期 T は

         T = 2π√(m/K)  でした。

       (Kはばね定数のkではありません)

今回は,この単振動を応用した物体の動きを考えてみます。


長さ l(エル) の糸に,質量 m の物体を取り付けて,吊り下げます。

       _____
         |
         |
         |
         | l(エル)
         |
         |
         ○ m

この物体を少しずらして放すと,左右に揺れる振り子になります。
このような振り子を「単振り子」といいます。

この単振り子のふれ幅が小さいと,物体の動きは近似的に,水平方向に
単振動していると考えられます。
(実際には弧を描く往復運動です)
今回の目的は,この単振り子の周期を求めることです。

物体をつりあいの位置から少しずらしたとき,糸と鉛直線のなす角をθ,
水平方向の変位を x とします。 (右向き正です)

     _____
       |\
       |θ\  
       |  \
       |   \ l(エル)
       |    \
       |     \
        ――――――○ →+x
           x   |
              |
              |
              |
              ↓ mg (mgは物体にはたらく重力です)
    
   (フォントの設定がプロポーショナルだと図がくずれます)

上図は極端に描いてありますが,θ は非常に小さい角です。
このとき,物体に重力 mg がはたらいていますが,この重力を「糸方向」
と「糸と直角方向」に分解します。

「重力の向き」と「糸方向の分力」のなす角は,平行線の同位角より θ
 ですから,

         ○
        /|\
       / |θ\
         |  \
         |
         ↓
         mg


「糸と直角方向」の分力は mgsinθ です。
この分力は水平方向ではありません。
弧の接線方向です。
でも, θ が非常に小さいときは,この分力は近似的に水平方向の力です。
この分力 mgsinθ が,単振り子を中心にもどそうとする復元力になって
います。

右向きを正(プラス)方向として,θ が正のときの復元力 F は
(向きを考慮して)

      F ≒ −mgsinθ     ・・・・・・・・(*)
                      となります。

ここで,糸の長さ l(エル) と水平方向の変位 x についての三角形に
注目すると,

       |\
       |θ\
       |  \
       |   \ l(エル)
       |    \
       |     \
        ――――――
           x


 sinθ = x/l となりますから,この分数を(*)式に代入すると,


単振り子の復元力は

     F = −mg (x/l)

      = −(mg/l) x  と表せます。


この式で, m , g , l(エル) はそれぞれ一定ですので,
 (mg/l) は一定値です。
つまり,この単振り子の復元力は,単振動の復元力 F = −Kx の
形そのものです。
そして, K に相当するのが (mg/l) です。

ということは,単振動の周期の公式 T = 2π√(m/K) の K に
 (mg/l) を代入すると
単振り子の周期が求まります。

     T = 2π√(m/K)


      = 2π√(m/(mg/l))


      = 2π√(l/g)     となります。


この結果からわかるように,単振り子の周期は物体の質量 m には
関係しません。
振り子の長さ l(エル) と重力加速度 g だけに関係します。

この公式は,振れ角 θ が小さいときだけですが,実験的には20°
くらい振れても成り立つようです。

最近の振り子時計は,電動で強制的に動かしているものばかりです
が,昔のゼンマイで動く振り子時計は,おもりを上下に微調整し,
長さ l(エル) を変えることで時刻の進みや遅れを直していました。


今回で,力学分野はとりあえず終了です。
ですが,後日配信します「電気分野」や「磁気分野」にも力学が
しばしば登場しますので,忘れないようにしましょう。
次回からは「波動分野」についての配信です。




最後に小話をひとつ紹介します。


小さな男の子と女の子が話しています。

男の子『ボクの腹時計は正確なんだぞ』
女の子『あら,アタシの腹時計も正確よ』
男の子『君の腹時計は止まっているよ』
女の子『どうして?』
男の子『だって,振り子がついてないもん』


エッチなオチでした。





今回はここまでです。


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