給与が払えない、取引先の支払いが足りない、銀行に返済できない、ひょっとすれば手形が不渡りになるかも・・・資金繰り悪化が現実になってしまった。
そんな時は・・・
まずは、地方都市で建設業を経営されていて一時は倒産危機に陥ったもののその後の努力で回復した会社のケースをご紹介しましょう。
建設業にとって、本当に厳しい経営環境になってしまったようです。
建築基準法が改正されてから、建設業のお客様が増え続けています。売上も減り、利益も激減し、将来の目処が全くたたないようなのです。
和歌山の地方都市で総合建設業を経営されるBさんは、私の友人の紹介でご相談に来られました。
Bさんのお父さんは、地元では有名な立志伝中の人物で、今でも隠然たる力をお持ちです。
Bさんが代表取締役をする会社も地域一番の総合建設業で、Bさん自身も建設団体の役員を務めるほどの有力者です。
そんな歴史と力を誇る企業でも、この環境は厳しすぎるようなのです。
数年前に土地を購入し、自社で開発をして売却しようとした計画が頓挫したのです。
土地の購入費用は大半が借入ですから、その返済負担が資金繰りを圧迫し続けてきました。
さらに、談合問題の噴出で、公共事業は叩き合いの利益の薄い受注しかできず、原油高で建設原価が高騰し、予算管理をしても利益を圧縮します。
そんな状況に追い討ちをかけるように、建築基準法の改正による新築着工の激減とサブプライムローン問題による金融機関の不動産融資の削減が続きました。
さすがにBさんも最悪の結果を覚悟されたのです。
お話をお伺いすると、借入は地元の地方銀行だけからであり、本業は今でも立派な黒字を確保されており、今後も必ず営業黒字を維持する自信があるとのことです。
これなら、事業再生が十分に可能です。借入の返済負担が大きいために、資金繰りが成立しないだけですから、返済を減らせばいいだけの話です。
Bさんには、借入時の契約どおりに返済しなければすぐに法的手続きをされて会社は倒産し資産も全て失うしかないという間違った知識しか持たれてなかったのです。
しかも、Bさんの会社と地方銀行は非常に良好な関係にありますから、所有する不要不動産の一部でも売却して返済に充てれば、交渉も難しいとは思われません。
基本的な処理スキームを打ち合わせたのち、Bさんはすぐに地方銀行とリスケジュール交渉を始められ、その対応は、こちらの予想以上の良いものでした。
Bさんの会社の破綻は、地域経済に及ぼす影響が大きすぎ、地方銀行の抱える他のお客様も経営破綻してしまう可能性まであったのです。
それは地方銀行のもっとも恐れるところだったようです。
何度かのリスケジュール交渉の結果、駐車場にしている土地を売却して返済に充てることを条件に元金を1年間据え置き金利だけ支払うことで了解してくれました。
そして1年後には再度交渉することとなりました。元金全てを1年間据え置きは、こちらの予想以上の結果です。
Bさんは、1年の間、資金繰りの悩みから開放され、今は、計画が頓挫した開発計画の処理に全力を傾けておられます。
今のBさんなら、間違いなく事業再生は実現されるでしょう。
さて、これはほんの一例です。業種、企業規模に関係なくこういったご相談が最近とみに増えてきています。
以下によくあるご質問を列挙してみましょう。
Q.銀行への返済が足りないので、新たに融資してもらっていいですか?
A.返済のための借入は、経営危機への入り口です。返済目的の新規借入は避けるべきです。
ただ例外として、返済原資となる入金が返済日に間に合わなかった場合には、一時的に借りるという選択肢も無いわけではないですが。
Q.新規の融資が無理な場合はどうすればいいですか?
A.新規の融資を断られるということは、実体として債務超過に陥っていると金融機関が判断していると考えるべきです。
新規融資が無理ならば、現状の資金で資金繰りをするしかありません。
もしこれで資金繰りが成り立たない場合は、腹をくくって次のステップに移る準備を進めるべきです。
Q.返済できない場合はどうすればいいのでしょうか?
A.金融機関から借入をした以上、返済余力があれば返済するのは当然のことです。
しかし返済余力が無いのに、返済を優先して続けていればいずれは倒産してしまいます。
返済余力が無い場合は、素直に金融機関と交渉して返済条件の変更(リスケジュール)を求めるべきです。
Q.債権者にも種類があって優先すべき順位がありますか?
A.債権者と言えば、どうしてもお金を借りた相手を思い浮かべがちですが、債権者には従業員や取引先等の支払いを必要とする相手も含まれます。
経営者として優先すべき順位も当然にあり、1.従業員 2.取引先 3.金融機関の順で考慮すべきです。
従業員は給与で生活しており、この給与が得られなければ生活ができません。取引先も、入金が無ければ倒産するかもしれません。
でも、金融機関は貴方から返済されないからといって経営が傾くとは考えられませんからね。
Q.得意先への支払いが足らない場合はどうすればいいのですか?
A.取引先の経営状況にもよりますが、金融機関と違い、難しいと考えてください。
建設業界などで、強引に値引きや支払延期を一方的に通達する会社がありますが、信用不安を広めてしまう可能性があり得策とは言えません。
余裕のある取引先に、手形のジャンプか支払延期を素直に依頼するしかないと思います。
ただ、留意すべき事項もありますので注意してください。
Q.会社の営業はどうればいいですか?
A.どんなことがあっても経営は維持して、断固として黒字を達成してください。
経営者が諦めてしまわない限り、案外と経営は維持できるものです。黒字さえ確保できれば、事業の再建の可能性は高いと考えてくだい。
Q.金融機関への返済が遅れた場合にはどうすればいいですか?
A.返済が1回遅れたぐらいでは、債務者としてのランクが少し下がるぐらいで大きな問題にはならないと考えてください。
ただ、放置しておくのは問題があり、できるだけ早く説明に行く必要があります。
Q.このままでは倒産して資産をすべて失うのでは、というところまで来ていますが。
A.確かに、何も対策を講じずに経営者の責任を放棄してしまえば、会社は倒産して資産も全て失ってしまい、路頭に迷ってしまうでょう。
しかし、しっかりと対策を講じて最大限の努力を続ければ、簡単に倒産はしませんし、事業や人生の再生は十分に可能です。
Q.経営者としてどのように考えればいいのですか?
A.当然、経営危機の状態により差はありますが、共通して言えることは、慌てずに諦めずに取り組むことです。
会社は直ぐに潰れるわけではありません。正しい情報を集積して知識を持って、明るい前向きな気持ちで取り組むことが大事です。
本メルマガでは・・・・
給与が払えない、取引先の支払いが足りない、銀行に返済できない、ひょっとすれば手形が不渡りになるかも、資金繰り悪化が現実になってしまった。
そんな経営者の方々のために、役立つ具体的な情報を提供していきたいと思います。