帰去来亭からの便り  RSSを登録する

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2009/08/22

『人口減少』  1

日本では少子高齢化と言われて久しいですが、それが顕著になってきました。
また、全総計画が策定され、実施されていたころは『国土の均衡ある発展』という言葉が
もてはやされていましたが、ここにきて一極集中が顕著になってきました。
全総計画とは国土総合開発法に基づき地方の過疎や社会資本の遅れに対して、
都市と同じように地方も共に発展させる目的で10年ごとに策定された計画でした。
全総計画は第5次(1998年)まで策定され終焉を迎えるのです。
終焉を迎えた理由は日本の人口減少が見えてきたからです。
現在のように地方が疲弊してきたのは、小泉内閣時代に地方交付税が削減
されたことばかりではないのです。
全総計画の策定が廃止されたことも大きいのです。
それに安い労働力、高い法人税などから、日本企業が海外に工場を移転したことも
大きいでしょうね。

世界でも類をみない速さで少子高齢化が進展している日本は、これからどういう
方向に向かうのでしょうか。
折しも総選挙、政治の力によって国民の意識は変わるのでしょうか。

わたしが人口のことを書くのは恒例のことです。
昨年もこの時期に書きました。
8月11日、総務省は住民基本台帳に基づく今年3月末の人口調査を発表しました。
それによると、日本の総人口は1億2077万人。昨年比0.01%増。
増加した原因は社会増によるとのこと。世界的な不況で日本企業が海外事業を
縮小した結果、帰国者が多かったと総務省は分析しています。

08年度の出生者数は108万8488人、他方、死亡者数は過去最多の
113万4402人、これにより自然減は4万5914人、07年度の2万9119人
から大幅に増えています。

年少人口(0~14歳)は1720万6715人、生産年齢人口(15~65歳)は
過去最低の8165万1549人、65歳以上の老年人口は過去最多の
2821万7916人でした。
このように日本の人口は少子高齢化が顕在化してきたのです。

住民基本台帳に基づく人口と増減率
都道府県    人口(万人)    増減率(%)
北海道       554         ▲0.51
青森        141                ▲0.93
岩手        135        ▲0.84 
宮城        233        ▲0.17
秋田        111        ▲1.07
山形        118        ▲0.75
福島        206        ▲0.57
茨木        297        ▲0.08
栃木        200        ▲0.14
群馬        200        ▲0.16
(東京圏)
埼玉        709        0.14
千葉        612        0.55
東京       1254        0.69 
神奈川        884         0.57 
         (3461)       (0.58)  
新潟        240         ▲0.47 
富山        110         ▲0.43
石川        116         ▲0.18
福井         81         ▲0.36
山梨         86         ▲0.50
長野        216         ▲0.36 
静岡        377         ▲0.05
(名古屋圏)
岐阜        208         ▲0.29
愛知        721        0.45
三重        185         ▲0.12
          (1116)       0.22
滋賀        138        0.32 
(関西圏)
京都        255         ▲0.11
大阪        867        0.07
兵庫        558        0.07
奈良        141         ▲0.33
        (1823)       (0.02)
和歌山       103         ▲0.69
鳥取         59         ▲0.65 
島根         72         ▲0.73
岡山        194         ▲0.23 
広島        285         ▲0.17
山口        147         ▲0.55
徳島         80         ▲0.64
香川        101         ▲0.27
愛媛        146         ▲0.49
高知         77         ▲0.89
福岡        503         0.02
佐賀         86         ▲0.30 
長崎        145         ▲0.73
熊本        183         ▲0.29
大分        121         ▲0.36
宮崎        115         ▲0.45
鹿児島       172         ▲0.60  
沖縄        139         0.47

住民基本台帳に基づく人口と増減率を見ると、多くのことが分かってきます。
人口の減少率が高いのが、1位、青森県、2位高知県、3位岩手県、4位山形県と
続きますが、ほとんどの県が減少しています。
減少している県は自然減ということではなく、社会減です。
なぜ社会減になるかと言いますと、その地域に仕事がないからです。
求人倍率が低いからです。

東京圏、名古屋圏、関西圏では人口が増加しています。
これら三大都市圏の合計人口は、2年前から日本の総人口の50%を超えています。
仕事を求めて地方から人々が流入しているのです。
これも先述したことですが、地方から工場が撤退していることが、その理由です。
工場の撤退や閉鎖については、景気低迷によるものと企業が安い労働力を求めて
海外移転したことが理由としてあげられます。

三大都市圏以外では滋賀県、福岡県、沖縄県の人口も増加しています。
滋賀県が増加しているのは関西圏の衛星都市となっているからです。
今風にいえばベットタウンです。
福岡県は九州1の大都市です。
周辺県からの人口の流入です。
沖縄県については、最近、南の島で暮らしたいという考えの人が多く、
移住したい人が増えたのが増加した理由です。

こうして人口が減少していく過程で地方が疲弊して、大都市に人口が集中するという
事態は政治家や国の官僚は十分予知していたことです。
だから全総計画を廃止し、平成の大合併を促進したのです。
平成の大合併により、全国で3千以上あった自治体数が現在では1800台に
縮小しています。
地方ではいまだに道路を造れ、リニアモーターカーのルートを迂回させて駅を設けろ
といった声が聞かれます。
叫んでいる人々の声は真剣ですが、こうしたことで本当に地方は活性化するんでしょうか。
疑問の残るところです。

米国に次いで世界第2位の経済大国を誇った日本、2009年中に
国内生産(GDP)は中国に追い越される可能性が高いという報道がありました。
先述したように生産年齢人口は減少しています。
来年の3月末には団塊の世代700万人が退職します。
こうしたことから日本の経済成長は極めて難しいのです。
国内の経済情勢を見越した企業は、グローバルに視点を据えて
果敢に海外戦略を推し進めています。
最近のキリンビールとサントリーの経営統合、デパートや小売業の海外進出も、
その例の一つです。

少子高齢化の影響を最も受けるのが社会保障の問題です。
年金、医療、介護ですね。
年金については世代間の給付と負担の不公平感、年金は大丈夫だろうかと
いう不安や疑問、年金記録など多くの問題があります。
医療は勤務医が絶対数足りないことから救急車のたらいまわし、小児科や産科が
足りないことから、益々少子化に陥ってしまうのではないかという心配があります。
介護については増加する高齢者の世話をする介護職の人数が足りません。
少なくとも現在の団塊の世代の人々が死ぬまで高齢者は増加し続けますから、
今後25年間ぐらいは増加するでしょう。
社会保障給付費は09年度ベースで98兆円ですが、25年度には141兆円に
膨張する見込み。
増加する費用を消費税の引き上げでという声が高いですが、どうするんでしょう。

現在の国の借金は860兆円、国民1人当たり674万円の借金を抱えている
勘定です。
しかも、地方の借金を加えると1000兆円を超えてしまいます。

8月30日は衆議員議員総選挙の投票日です。
選挙は義務ではなく権利です。
国の行方を占う総選挙、こうした時こそ権利を行使しましょう。
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