2009/01/03
熱海 その1
私は毎年、寒い時期に伊豆にゴルフに出かけます。 ゴルフ場と泊まる場所は年ごとに変えるようにしています。 やはり変えたほうが楽しめるからです。 今年の泊まりは熱海のホテル。 朝6時ごろ起きてお風呂へ行きました。 既に何人か入っているようです。脱いだスリッパが並んでいます。 温泉に泊まると、お風呂に3回は入ります。 旅館に着いてすぐに、 次に就寝する前、そして朝。 私は日帰り温泉には殆ど行きません。なぜかといいますと、 温泉から出ても休まらないからです。 確かに休む場所はありますが、そこで休んでも落ち着かないのです。 できたら、サマーベットとタオルケットを用意しておいていただければ ありがたいと思います。 そこで1時間ぐらいお昼寝ができたら最高です。 それか、部屋を用意していただければありがたいですよね。 お金を払う分でも使いたいと思います。 先に入っている皆さんにあいさつをして湯につかります。 目の前には海が見えます。 コールタールを流したような黒々とした海。 水平線は分ります。海ほど空が黒くないからです。 皆、一様に黙っています。元気がありません。 朝はこんなもんでしょう。 皆さんは湯に漬かったときに感じたことがありますか?しびれです。 体が温まると血液の流れがよくなり、心地のよいしびれが最初に足の先、 手の先に感じ、次に体中に行き渡っていきます。 これは快楽といってよいでしょう。 目をつむりこの快楽に身を任せます。 海を眺めていると、水平線がはっきりしてきたような気がします。 ほのかに明るくなったような気がしたのです。 やはり、明るくなってきました。 水平線がはっきり分かるようになってきたのです。 水平線の中央付近から光が差してきました。 わずかな光です。 空がオレンジ色に染まっています。 雲も照り映えています。 放射状の陽光が水平線から出てきます。 気がつくと、皆そちらを見つめていました。 静かで、時間の流れがいらだつほど遅く感じます。 重苦しく、いくぶん緊張して見つめます。 やがて、太陽が少しずつ顔を出してきました。 黄色みがかった光の球体です。 まぶしいけれど正視できます。 海面も明るくなってきました。 時間の経過とともに黒い海面が変わってきます。 太陽の正面は朱色が細長くこちらに向かって伸び、 その周囲は黄金色。 明滅する無数の光が海全体を光の海に変えていきます。 きらびやかで荘厳な情景。 時の流れが止まっています。 いつの間にか、漁船が太陽に向かって進んでいました。 逆光の中、影絵のように見えます。 ほとばしる光の海を切り裂くように、白い航跡が長くゆっくりと続いていきます。 私は息がつまるほど見つめていました。 熱海は何回か訪れていますが、ご来光を見るのは 初めてだったのです。



