2008/12/20
学校給食 その2
学校給食を提供する形態としては、自校調理場方式、共同調理場方式、 外部委託方式があります。 自校調理場方式というのは各学校に調理室があり、そこで給食を作ります。 共同調理場方式は、数校の子供たちのために1か所の調理場で 給食を作り、できた給食をそれぞれの学校に車で配送します。 外部委託方式というのは、民間の業者に給食を作ることを委託します。 この三つの形態があるわけですが、学校の建て替えなどの時に 改めて検討課題となることがしばしばあります。 どこの学校でも、元来は自校調理場方式で給食を作っていました。 それが徐々に共同調理場方式に変わっていき、 現在では外部委託方式もわずかですがあります。 やはり、財政面から考えたことがきっかけだったと思います。 また、財政面だけでなく、保温容器の質の向上、車の発達なども 後押しすることになったのは事実です。 学校給食を提供する形態を行政課題として検討することに なったときは、住民に大きな影響を及ぼす他の行政課題の 方向を決めるときもそうですが、行政単独で決定すべきではありません。 行政単独で決定すると、少なからず住民の間にわだかまりが残ります。 自治体によっては、行政と住民若しくは行政とPTAの間で対立を生む 場合があります。 どちらかというと、住民側が感情的になり、話し合いをしても 歩み寄れない場合もあります。 住民に大きな影響を及ぼす可能性のある施策は、最初から 第三者機関を設立し、微に入り細に入り、大所、高所から十分検討をし、 方向を出すのが好ましいでしょう。 この第三者機関の検討したことは常に透明にし、検討したことを 外部に公表していけば、住民の間でも関心が高まり、様々な意見が 生まれますが、結果としてこの第三者機関が出した結論に理解を示し、 納得することになるのです。 では、どういう手順で第三者機関が検討を進めていくかといいますと、 最初に行うのは学校給食の意味、目的といった議題を設定する のがよいでしょう。 こうした基本的なことから検討し、給食のことを理解してもらうのが よいのです。 次に行うのが、自校調理場方式、共同調理場方式、 外部委託方式の内容の理解です。 これに関しては視察も取り入れるべきです。 実際に行っている現場を訪れ、施設を観たり、関係者の話を聞く 必要があります。 また、自校調理場方式、共同調理場方式には文科省で定めた 「学校給食衛生管理の基準」があります。 この基準には「施設の汚染作業区域と非汚染作業区域の区分の基準」、 「作業動線図」、「施設・設備」、「配送・配食」、「食品の検収・保管等」、 「調理過程」、「検食・保存等」など、かなり細かなところまで決められて います。 この基準をしっかり頭に入れる必要があります。 次の段階では住民の皆さんからそれぞれの方式の優れている点、 劣っている点に関して意見聴取を行うのがよいでしょう。 田舎では外部委託方式は行っている自治体が極めて少ないので、 自校調理場方式と共同調理場方式に限定して行ってもよいです。 住民の皆さん全員から意見聴取するわけにもいきませんので、 PTA対象で行ってもよいと思います。 もちろん、第三者機関の委員からも意見も聴取しましょう。 これと並行して、設計士に学校衛生管理の基準に沿って施設を 建設した場合、どんな施設ができて、どれほど予算がかかるか マクロのものでよいですから委託しましょう。 現在、自校調理場方式で行っている自治体においては、 給食施設が学校衛生管理の基準に適合していないと思いますので、 基準に適合して増改築をした場合の施設と予算についても、 併せて委託しておきましょう。 寄せられた意見を読みますと、どちらかというと自校調理場方式を 支持する意見が多いようです。 しかし、こうした意見は現場に行って検証してみると、現実とは 異なる場合が多いことが明らかになります。 子供の言うことを仄聞して考えたり、想像で考えたことや思い込み が多いのです。 また、共同調理場の建設費と学校給食衛生管理の基準に適合 させるために行う自校調理場の増改築費とさほど差がないことに驚きます。 いずれにしても、第三者機関では寄せられた意見や集まった資料を 基に、公正かつ厳正に検討する必要があります。 学校の設置者が市町村であれば、第三者機関で出された結論は 教育委員会に提出されます。 教育委員会ではそれを基に検討し、どの方式がよいか結論を出します。 教育委員会ではその結論を意見具申として首長に伝えます。 最終的に首長が決定し、住民に公表します。 今日は学校給食を提供する形態について簡単に申し上げましたが、 こうした機会に遭遇する方も少ないと思います。 というのは、すでにうちの地域では給食センターで子供たちに 給食を作っていますよ、という方が多いと思います。 多分、そうした方でも、なぜ給食センターに決めたかという 検討過程については理解していないと思います。 学校給食を提供する形態をどうするかということは、一つの例です。 市町村は多くの大きな課題を抱えています。 可能な限り住民に情報を提供するという行政側の姿勢、 行政にはできるだけ関心を持つという住民側の意識、 この二つがそろわなければ、その地域はよくなっていきません。 自分や家族が住む町は、よい街であって欲しいとだれしも思っています。 こうした時こそ、行政と住民が協同して町づくりに取り組んで もらいたいものです。



