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2008/12/13

「学校給食 その1」


学校給食と聞いて、懐かしいと感じる人、
今、うちの子供は学校給食なんだと頭に浮かぶ人、
記憶のかなたにすっかり置き忘れてしまった人、
給食費を払わないでマスコミで取り上げられていたことを
思いだした人、いろいろな受けとめ方をするでしょうね。

給食メニューに至っては、時代によって様変わりしていますから
印象に残っているものを聞いただけで、その人の年齢が分かってしまう
場合もあります。
例えば脱脂粉乳、コッペパン、揚げパン、ご飯、ソフト麺、鯨の竜田揚げ、
アイスクリーム、プリン、ヨーグルト、ゼリー。
どうですか。召し上がったものがありますか?
これらはその時代の代表的な献立の一つです。

私の小学校時代は脱脂粉乳が出ました。味もなく、あまりおいしいものでは
なかった記憶があります。
牛乳やコーヒー牛乳が出されるようになったのは中学生の頃でした。
小学生の頃は自宅で取れた野菜を持って来いというので、
月に1度ぐらいは持っていっていました。
風呂敷に包み、重さに耐えながら運んだものです。
中にはカボチャ1つ、なんて子もいました。
いま考えると、野菜を作っていない家の子供はどうしていたんでしょうね。

日本で初めての学校給食は、明治22年(1889年)に
山形県鶴岡町(現鶴岡市)で出されました。
戦後、都市部で欠食児童対策として出されるようになり、
昭和29年、学校給食法が施行され、全国の学校で出されるように
なったのです。

学校給食法(昭和29年6月3日法律第160号)の第4条に次のような
規定があります。
義務教育諸学校の設置者の責務として「義務教育諸学校の設置者は、
当該義務教育諸学校において学校給食が実施されるように努め
なければならない。」

このように、「努めなければならない」と書かれているとおり、
学校給食を出すか出さないかは設置者の努力なのです。
給食費を払わない保護者の中で「義務教育だから」という
理由を挙げている人がいましたよね。
ですからこの理由は成立しないわけです。
全国では小学校では学校給食は殆ど実施されています。
しかし、中学校では実施されてない学校も結構多いのです。
県によっては実施率が65%、70%のところもあります。

給食費は一食240円から260円ぐらい。
給食室の建設費、維持管理費や給食を作る皆さんの給与は学校の
設置者が負担します。もっとも、そこには国の補助金も含まれますが。
こうしたことから給食費は安いんです。食材費だけです。

給食は親と先生と業者のためのものだ、という陰口もあります。
本当に自分の子供のことを思うのであれば、カロリーや栄養を考え、
見た目にも食欲がそそられ、楽しくなるような愛情がこもった
お弁当を用意すればよいという考え方があるからです。
小中学校では学校設置者が給食を出すのは当たり前であり、
それが義務教育の一環であると勘違いする人さえいます。、
給食は出しません、昼食は保護者が用意してくださいと言ったら、
ブーイングは相当のものでしょうね。

では、なぜ設置者は給食を出すんでしょう。ご存知ですか?
学校給食法の第2条に学校給食の目標ということで
次のように定められています。
第二条 学校給食については、義務教育諸学校における教育の
目的を実現するために、次の各号に掲げる目標の達成に努めなければ
ならない。
一 日常生活における食事について、正しい理解と望ましい習慣を養うこと。
二 学校生活を豊かにし、明るい社交性を養うこと。
三 食生活の合理化、栄養の改善及び健康の増進を図ること。
四 食料の生産、配分及び消費について、正しい理解に導くこと。

以上のことをするために給食を出しているんですが、これを読んで
何かお気づきになることはありませんか?
給食を出さなくても、こうしたことは学習できるということです。
まあ、このことはともかく、第三号の「栄養の改善及び健康の増進を
図ること」を除いて、すべて食育に関わることです。
設置者の側からすれば、「給食は出します。出すからには子供たちに
しっかり食育を学習させてくださいよ」と声高に言いたいですよね。

全国の学校では、身を入れて食育の学習をしているところは少ないのです。
以前、校長先生と食育について話したことがあります。
その時、校長先生は「無理ですよ。先生の中にもきちんと箸が持てない
ものもいます」
私は唖然として訊き返したものです。

給食時間に各教室を訪れたこともあります。
先生は食事をしながら書類に目を通しています。子供たちが騒いでも
食事をしています。
極端な場合には、先生がいない教室もありました。
ということで、食育の学習は殆どしていなかったのです。

食育を進めるための資料づくりということで、アンケート調査を
行ったことがあります。
その結果分かった驚いたことがあります。
テレビを観ながら食事をする、80%、一人で食事(孤食)をする、30%、
夕食後お菓子を食べる、20%。
この結果は、日本全国あまり変わるものではないと思います。

「テレビを観ながら・・・」と「一人で・・・」ということを考えますと、
食事時中に家族のコミュニケーションがないことを意味します。
私が見る子供たちはゲーム機を持っています。現代の子供たちは
群れて遊ばないといいます。
群れて歩いていても、個々にゲームをしています。
そこには会話はありません。
最近の若い人も、携帯電話で一生懸命メールをしています。
子供たちの話から少し飛躍してしまいますが、こうしてみると、
現代は直接的な人との会話が極めて少ない時代ではないでしょうか。
アナログ行動が苦手なのです。
人間関係は希薄になるばかりです。
結果として、人間関係がうまくできない不器用な人間も増えていますよね。
昨今の事件を観ると、思い当ることがあり考えさせられます。

夕食後お菓子を食べる子供たちが20%もいる、信じられますか?
親が放任している、子供に関心がない、なおかつ買い与えていると
したらどんな考えでやっているんでしょう。理解に苦しみます。

学校で食育を勧めることは、努力は当然必要ですが、
進め方はそれほど難しいものではありません。
保護者、学校、学校栄養士、教育委員会などの関係者が集まって
会を作り、先進地の視察、カリキュラム、保護者への連絡、
イベントの開催などについて定期的に話し合って進めることです。
すばらしい食育が必ずできるようになります。

また、あなた自身もこの際ですから食育について学習することも
よいではありませんか。
食事のマナー、食事の意味、食糧、健康など食育に関するものは
驚くほどたくさんあります。
あなたを飽きさせませんよ。
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