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2008/12/06

地     価  その2


地価というのは資産価値を表すとも言えますが、他方、
地方圏では自治体の通知表とも言えるでしょう。
大都市圏では地価は日本の経済状況に左右されます。
地方圏では住んでいる市町村の行政によって左右されるのです。
良い行政であれば人は集まってきます。
だから自治体の通知表とも言えるのです。

市町村が、地域活性化のための町づくりや子供のための施策を行えば
市町村を超えて、あるいは県境を越えて人は集まり住みつきます。
また、自治体外からの投資も行われます。
人が集まり住みついたり、自治体外からの投資が行われれば、
地価は下がらないまでも横ばい状態を保てます。

地域活性化のための町づくりとは企業誘致、道路、公園、
下水道などのインフラ整備、美しい街並みづくり、観光地の整備、
ワーキングホリデーやクラインガルテンなどの構築、地域の文化、特性、
風土を活かした街づくり、こうしたことを政策として実施し、それが
魅力あるものであれば人は集まります。
子供のための投資とは、義務教育以外の補習授業の実施、放課後対策の充実、
中学生までの医療費の無料化、英語教育の充実、幼稚園、保育園の充実
などが上げられるでしょう。
他市町村との差別化や他市町村にはあり得ない一流のものを
構築する必要があります。

こうしたことは一朝一夕ではできません。ある程度のスパンが必要でしょう。
財政的に厳しいなどということは言い訳になりません。
どこの自治体も同じです。
現在、地価が下落しない地域は先人たちの努力がありました。

自分の資産が目減りしたり、住んでいる地域が衰退することを喜ぶ人がいる
でしょうか。そんな人はどこにもいないでしょう。
特別の理由がない限り、住んでいる市町村の首長や職員の無能力さと
やる気のなさによってこうしたことが起きるのです。
特に県下1地価が下落した自治体に住んでいる人は悲劇です。
首長や行政の職員に対して損害賠償請求を出したいくらいです。
そうかと言って、ダメな首長や議員を選んでしまった住民にも多少責任はあります。
昔、東京都中野区で教育委員の公選制があり、その時のキャッチフレーズが
「出たい人より出したい人を」ということでした。
出したい人は出たがらないという現実はあるかもしれませんが、
改めて考え直してみる必要があります。

地価にはいくつもの種類があります。ご存知でしょうか?
地価公示価格、固定資産税評価額、路線価、実勢価格があります。
地価公示価格とは国土交通省が国土法に基づき、1月1日現在の
土地価格を公表したものです。
公表する場所は基準地と呼ばれ、2人の不動産鑑定士が各々別々に
現地を調査し、最新の取引事例、その土地からの収益見通し、
公共的施設からの時間と距離などを調査・分析して評価を行います。
さらに、地点間や地域間の状況やバランスなどを検討し、国土交通省の
鑑定委員会が公示価格を決定しています。
自治体においては、公共用地の取得に当たっては地価公示価格を
念頭に置いて取得しています。

固定資産税評価額については、94年度の評価基準の告示により
地価公示価格の7割程度とすることになりました。
しかし見直しは3年に1度であるので、それを補完する措置として
毎年当該年度の課税標準額と翌年度の評価額を比較して、
評価額が上回る場合はそれより低い負担水準を算出し、
前年度課税標準額に乗ずる方式に変更されました。
こうしたことから、3年に1度の見直しした年であれば地価公示価格の
7割として見ることができますが、それ以外の年においては地価公示価格と
多少ずれが出てくることとなります。

路線価は分かりやすく言うと、相続税や贈与税の計算にあたって
使用する地価のことです。
毎年1月1日時点の地価公示価格の8割を目安に決定しています。
ただし、地価公示価格と路線価では、平均変動率の計算方法が異なるので、
単純に地価公示価格の8割とはいえない面があります。
地価公示価格は基準地の変動率を単純平均していますが、路線価は
地価の平均値を求めてから前年との変動率を計算します。
ですから、地価公示価格と比較して変動が大きくなります。

実勢価格というのは実際の取引価格です。
土地の取引は相対です。その土地が欲しいということであれば、
地価公示価格を度外してでもお金を払います。
反対に欲しくないのに買ってくれということになれば買いたたきます。
こうしたことは極端な例ですが、いずれにしても相手を観ながら土地の
売買交渉は行われているといえましょう。

以上述べましたように、地価には4種類あります。
しかし、実際には土地の売買にあたって、大都市圏では次のような地価の決め方で
取引が行われています。
地価の設定は不動産会社が行います。
不動産会社は国土交通省の外郭団体である(財)不動産流通センターが
出している「価格評価マニュアル」を利用し価格設定するのです。
価格評価マニュアルの考え方は、当該土地の近傍類似価格を調べ、
最近の動向を加味して価格を決めるものです。

最近ではこれとは別に「収益還元法」があります。
これは外資系のファンドが持ち込んだ考え方です。
土地を基本として運用することで得られる利回りで、地価をつけるのです。
マンションやアパートの売買にあたっては、最近では日本全国ほとんどこの方法が
採用されています。
しかしこの方法には問題があります。
購入者の才覚次第で収益の上がり具合が違うということです。
やはり、基本的には地価公示価格をベースに考え、収益還元法は
参考程度に考えるべきことだと思います。

土地購入の目的はインカムゲインやキャピタルゲインを得るために
購入することがあります。
このほかに自分の家や別荘を立て、そこで自らが生活したり、楽しむために
購入する場合もあります。

インカムゲインとは経営することにより土地から収益を得ることです。
貸しビル、会社、アパート、マンション、お店などの経営、田んぼ、畑、
牧場などから作物を収穫したり、あるいは家畜を放牧して育てるなどして
収益を得るのです。

キャピタルゲインとは値上がり益を得ることです。
バブルの崩壊以降こうした皆さんはいなくなったと思ったんですが、
最近また復活していたのです。
ファンドの皆さんが主でしたが。
物件をキャッチボールしながら収益を得ていくのです。
まるでババ抜きです。
今回のミニバブルの崩壊によりババをつかまされた人はどんな人だったんでしょうか。
顔を観てみたいですね。
収益の裏付けがなく公的な地価からかけ離れた場合、所詮はバブルなのです。

キャピタルゲインねらいというのは、投資ではなく投機です。
平成元年12月、土地を投機の対象としてはならないなど、土地に対する
基本的な考え方と今後の土地対策の基本方向を定めることを主なねらい
として国は「土地基本法」を制定しました。
キャピタルゲインを目的として土地を購入していた人がいたということは、
この法律が機能していないことを意味しています。
また、バブルの崩壊時に経営危機の銀行の預金者の保護、
大手都市銀行に1000億円ずつの資本注入、長期信用銀行、
日債銀には3兆円ずつ資本注入して銀行の建て直し、こうしたことは
すべて私たちの税金でまかなわれたのです。
忘れてしまったのでしょうか。

都市部に参りますと、夜の部屋の明かりがまばらなマンションが見受けられます。
週末だけ訪れるリゾートマンションと同じです。
キャピタルゲイン目的で購入したのです。
少し資料が古くて恐縮ですが、国土交通省の「マンション総合調査」(03年度)
によれば、住戸の賃貸化率が20%を超えるマンションは27.8%であり、
99年度の16.15から大幅に増加しています。
あき部屋率や賃貸化率が高まれば、管理組合の役員の成り手が減少し、
将来はだれも住まないゴーストタウンになることを意味しています。

07年から日本の総人口の50%を超える人々が三大都市圏に集中しています。
求人倍率の高い地域に人は集まるのです。
逆に低い地域は過疎化が進んでいます。
高速交通網を整備し一極集中を排除しようとした多極分散とは幻想だった
のでしょうか。
過疎化が進む地域はさらに地価が下落し、土地を維持するために所有者の
負担は増加していきます。
自治体も倒産や合併を余儀なくされていきます。
食料自給率が40%を割り込み将来の食糧危機が叫ばれている現在、
国土を有効に活用することを考えていく必要性があります。

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