2008/11/05
【ITエンジニアのスキルアップ&人間力向上マガジン】Vol.8
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■■■ ■■■ 「ITエンジニアのスキルアップ&人間力向上マガジン」 ■■■ Vol.8━2008.11.5(月刊) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ こんにちは。株式会社オイコスの小田美奈子です。 いつもご覧いただき、ありがとうございます。 新しく登録いただいた皆様、これからよろしくお願いします。 このメールマガジンは、スキルアップを目指すエンジニアやプロジェクトマ ネージャ、人事・教育担当の皆様のために、コミュニケーション、コーチング、 リーダーシップ等、チーム力向上に必須のヒューマンスキルやキャリア開発に ついて役立つ情報をお届けします。 __ I ┃N ┃D ┃E ┃X ┃___________________ ━┛━┛━┛━┛━┛ ■ 1. コラム〜ITエンジニアのキャリア開発のヒントVol.3 「コミュニケーションは出会いと経験から」 平鍋 健児さん(株式会社チェンジビジョン代表取締役社長)前編 ■ 2. ITエンジニアのためのお役立ち書籍 『プロジェクトを成功させる 現場リーダーの「技術」』 『受託開発の極意―変化はあなたから始まる。現場から学ぶ実践手法』 岡島幸男(著) ■ 3. 新メルマガ発刊のお知らせ 「IT系のためのネゴシエーションスキル向上講座」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 1. コラム〜ITエンジニアのキャリア開発のヒントVol.3 「コミュニケーションは出会いと経験から」 平鍋 健児さん(株式会社チェンジビジョン代表取締役社長)前編 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 今回のコラムでは、「ITエンジニアのキャリア開発」と題して、株式会社チェ ンジビジョン代表取締役社長・平鍋健児さんに、自らの体験をもとにエンジニ アとして身に付けるとよいスキルや考え方、求められるエンジニア像について 伺いました。 <平鍋 健児氏(Kenji Hiranabe)プロフィール> 株式会社チェンジビジョン代表取締役社長、株式会社永和システムマネジメン ト副社長。 1989年東京大学工学部卒業後、3次元CAD、リアルタイムシステム、UMLエディ タJUDEなどの開発を経て、オブジェクト指向技術、アジャイル型開発の実践す る「見える化」コンサルタント。アジャイルプロセス協議会副会長、要求開発 アライアンス理事。 著書『ソフトウェア開発に役立つマインドマップ』、翻訳『アジャイルプロジ ェクトマネジメント』、『リーンソフトウェア開発』など多数。 「ハート駆動型コミュニケーション」をモットーに、人に感動を与えられるコ ンサルタントを目指している。福井県大野市在住。お酒と映画とJazzを愛する。 株式会社チェンジビジョン http://www.change-vision.com/ 平鍋健児さんのブログ「An Agile Way」 http://blogs.itmedia.co.jp/hiranabe ■ エンジニアに必要な「コミュニケーション力」 日頃から多くのエンジニアと交流されている平鍋さんに、エンジニアに身に付 けてほしいスキルや、求められているエンジニア像について伺いました。 【ソフトウェア開発では、技術はもちろん、プロジェクトマネジメントも大事 ですが、この2つが全てだという風潮が強いんですね。特に、日本だと組織の 中に、ISOなどのマネジメントのシステムを入れて回していく、そこにしっか りとした技術を持っていればうまくいくように思われがちです。 でも、僕はこの2つではすっぽり抜けるものがあると思っていて、人間力、も っと言うとコミュニケーションやモチベーションの部分、人の気持ちを理解す ることが大事だと思っています。ソフトウェア開発で人の気持ちを理解するこ とを抜いてしまったら、そもそも成り立たない。「ソーシャル工学」、人と人 との関係力学と言えると思います。相手を理解することや、どういう話し方を するかなどは大きく、50%に近いのではないかと思っています。技術20%、マ ネジメント30%位のイメージです(図1参照)。 コミュニケーションができる人をたくさん生まないと、ソフトウェア開発は回 らないですよね。わたしはこれを、プロジェクトファシリテーション(*1) と呼んでいます。 《技術》《マネジメント》《コミュニケーション》の全部を包括する人が、 リーダーとして必要なんです。日本では、年齢が上がると、《技術》ができて、 《マネジメント》に異動して管理をして、となります。技術も分かり、マネジ メントも分かって、人と話してその人をやる気にさせたりすることが大事です。 相手の問題は何かを見つけたり、その仕事をする動機を与えたり、「なぜあな たはこの仕事をしているんですか?」といった仕事の核心部分の話ができる人。 モチベーションを引き出しながら、全体を前に進める力を持った人が求められ ていると思います。】(平鍋氏、以下【】内同じ) <図1:ソフトウェア開発の要素> 《技術》20% 《マネジメント》30% <ソフトウェア工学> <プロジェクトマネジメント> ---------------------------------------------------------------- 《コミュニケーション・モチベーション》50% <ソーシャル工学> 相手の理解 プロジェクトファシリテーション *1:プロジェクトファシリテーション プロジェクトの現場を活性化し、モチベートし、協調関係を作るために必要な 技術。 http://www.objectclub.jp/community/pf/ ■ コミュニケーションスキルを高めるには? 50%を占めるという《コミュニケーション》の部分、平鍋さん自身は、どのよ うにしてそのスキルを高めていったのでしょうか。 【もともとは苦手なんです。技術が大好きで、技術はOK、負けないと思ってい る時期がありました。でも、製品を売るとか、作ったものをお客様に使っても らう場合、うまくいかない時に、「いいものを作ったのに売れないのは営業の せい」とか、人のせいにしがちなところがあるんです。自分が愚痴を言うので あれば、自分の世界で足りていないところ、ここがこうなればいいなとか、売 れたらいいなと思うなら、自分自身が変わってそこに行くべきだというのが持 論です。 コミュニケーションが重要と目覚めたのは、《技術》から出て、ソフトウェア 開発の全体を見た時に、技術だけだと価値が届かないことが分かった時です。 自分のモデルとなる人がいなかったので、自分の会社の中でどうやったらいい のかを模索しました。 コミュニケーションは、ジャングル(笑)。これは経験によるところが大きい です。 《技術》は本を読むと、ある程度できるのですが、《コミュニケーション》は、 本を読んだだけではできません。経験が必要です。人とたくさん会ったり、こ の人すごいなと思う人と会うことで、この50%の力は身に付けられると思いま す。 一人でものを作っている時はいいんですよ。自分のためにやっている時はいい。 それは日記みたいなものです。作ったものを誰かに届けて、人がそれを使って 嬉しいとか、それを使って自分の仕事が楽になったというようにするには、自 分がソーシャルな力をつけて、話をしながら思いを伝えること、思いを聞き取 ることです。】 コミュニケーション力を高めるには、経験が大事という平鍋さん。コミュニ ケーションの「一回性」についてお話いただきました。 ■ 感動は人生の「一回性」に関係している 【科学は再現性や正しさを求めています。未来を予測できることです。ただ、 コミュニケーション力の根底にあるものは、生の経験や感動という本来再現性 がないものなんですよ。人生の一回性(onceness=その人の人生の中で一回し か起こらない)と強く関わっているんです。人生は一回しかない、現在あなた が関わっているプロジェクトは一回しか起こらない、その中でいきいきと仕事 をしたい。 過去からヒントを得て、うまくいかせようとすることはできるけれど、いいプ ロジェクト(=お客様から喜んでもらえたり、一緒にやってよかったと思える プロジェクト)や、人生を豊かにしていくものは、再現性や普遍性とは違う一 回性のところにあります。経験と強く結びついている。感動とかコミュニケー ションは、人生の一回性と関わっているのです。 キャリアは、定式化されたことを覚えていくのではなくて、感動して、経験し て、理解しながら、自分の中でもやってよかったと思えることが大事。そうす ることで、コミュニケーションやモチベーションが理解できて、人を含めたシ ステムをうまく回せるリーダーシップが身についていきます。 《技術》や《マネジメント》という普遍性をめざした体系(熱が冷めたもの) も大事なんですが、そればかりだと、自分は人生で本当は何をやりたかったの か(熱い思い)を見失ってしまいます。経験が大事ということは言いたいです ね。】 <後編に続く・・・> ★ ITエンジニアのキャリア開発のヒントVol.3 「コミュニケーションは出会いと経験から」 平鍋さんのお話を元に、エンジニアのキャリア開発のヒントをお伝えします。 ここでの「キャリア開発」の定義は、「仕事を中心とした人生を、総合的・体 系的に発展・成長させていくこと」とします。 平鍋さんのメッセージは、【ソフトウェア開発でリーダーシップをとって、全 体をまとめている人は、必ずコミュニケーションができる。これを体系化する ことは難しいが、基本的には経験が大事】というお話でした。 平鍋さん自身、《技術》だけだと価値が届かないと分かった時に、コミュニ ケーションの重要性に目覚めたとのことです。営業や人にたくさん会う経験を 積むことで、コミュニケーション力を磨いていきました。 お客様や一緒に働くメンバー、または社外のコミュニティなどで、積極的に自 分の思いを伝えること、相手の思いを聞くことが、コミュニケーション力を高 める近道ですね。 -------------------------------------------------------------- ★ 株式会社チェンジビジョンからのお知らせ ★ ■「JUDE/Share」10月30日に発売となりました。 http://jude.change-vision.com/jude-web/product/share.html ■「JUDE」の公式ガイドブックが11月5日に出版されました。 「JUDEで学ぶシステムデザイン」 http://www.seshop.com/detail.asp?pid=9860 本書は、単なるリファレンスマニュアルでなく、JUDEを初めてお使いになる初 級者の方や、JUDEをこれまで使ってきた方で、さらに効果的な使い方を知りた い中級者にも読み応えのある内容です。 JUDEの使い方をハンズオンで習得しながら、UMLだけでなく「マインドマッ プ」や「業務フロー」「ER図」「データフロー図」などを使った実践的なシス テムデザインの方法を習得することができます。 本とセットになった簡単なセミナーも開催されます。 平鍋さんが、JUDEのこれまでと今後のお話をされるとのこと、ご興味ある方は ぜひどうぞ! ■ セミナー「JUDEが拓くモデリングの今後」 日時:11月13日(木)13:00〜、15:30〜(2回) 場所:翔泳社1Fセミナールーム http://www.seshop.com/info/support/jude_technical_seminar.asp ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 2. ITエンジニアのためのお役立ち書籍 『プロジェクトを成功させる 現場リーダーの「技術」』 『受託開発の極意―変化はあなたから始まる。現場から学ぶ実践手法』 岡島幸男(著) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ITエンジニアにおすすめの本を平鍋さんに紹介していただきました。 平鍋さんと多くのプロジェクトに関わったという、株式会社永和システムマネ ジメントの岡島幸男さんの2冊です。現場リーダーやプロジェクトマネージ ャー経験が豊富な岡島さんの実践的な本です。 ◆『プロジェクトを成功させる 現場リーダーの「技術」』 岡島幸男(著)、ソフトバンククリエイティブ http://www.objectclub.jp/technicaldoc/bookguide/ 「現場リーダーの仕事は3つしかない」という案内に惹かれ、読み始めました。 リーダーの仕事と心構えについて、ここまで具体的に分かりやすく紹介されて いる本は初めて読んだ気がします。リーダーの3つの仕事、及びリーダーが持 つべき3つの価値観は、改めて肝に銘じたいことであり、この部分を知るだけ でも、リーダーとしての心構えが違ってきます。まさに現場リーダーのバイブ ル的存在だと思います。リーダーがメンバーと共に、気持ちよく働くために必 要な知恵がたくさん詰まった一冊です。 〜平鍋さんからの紹介〜 IT業界の混乱は、形式的なプロジェクトマネジメント手法や開発技術では乗り 切れない。そこには、人間力のあるリーダーが必要である。本書には、「才 能」としてのリーダーではなく、彼が現場での「悩み」から後天的に得た「技 術」、そして「勇気」のエキスが生の言葉で書かれている。 ◆『受託開発の極意〜変化はあなたから始まる。現場から学ぶ実践手法』 岡島幸男(著)、技術評論社 http://www.objectclub.jp/technicaldoc/bookguide/ ソフトウェア業の約85%を占めるという受託開発。自らも受託開発に関わる岡 島さんが、受託開発という仕事を自分でできるようになるための手ほどきを示 した本です。 特に印象的だったのが、ソフトウェア開発を「生業(なりわい)」と感じてい る人の共通する特徴の部分です。この一つに、「主体的であること。業界の構 造や会社の問題をあれこれ悩んで止まってしまうより、自分の行動や考え方を 変えて先に進むことを重視する」とあります。これは、どの職種にも当てはま る普遍的なものだと思いました。副題に「変化はあなたから始まる」とある通 り、自分と向き合い、自分をより良く変えていくことで、組織も改善していく ヒントが得られる一冊です。 〜平鍋さんからの紹介〜 ・プロフェッショナルな仕事をしたいですか? ・楽しく仕事をしたいですか? 本書は、この2つの問いに「Yes」と答えた人のための本です。それには、受託 開発現場の考え方を変えること、やり方を変えること、組織を変えること、そ のすべてに先立って、あなた自身が変わること。本書の読者が、お客さまから 「あなたがいてくれたから成功できた」、後輩から「先輩と仕事ができてよか った」と言ってもらえる、そんな現場が日本に増えることを願います。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ 3. 新メルマガ発刊のお知らせ 「IT系のためのネゴシエーションスキル向上講座」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 株式会社オイコスでチーフメンター(講師)を務める大坪タカが発行する、新 しいメールマガジンです。 ネゴシエーション(交渉)に興味がある方は、ぜひご覧ください。 ↓バックナンバー・登録はこちらから http://archive.mag2.com/0000273237/index.html 案内文はこちら 「スキルアップを目指すエンジニア、プロジェクトマネージャ、人事・教育担 当の皆様へ。IT企業向け研修事業を行うオイコスでチーフメンター(講師)を 務める大坪タカが、ネゴシエーション(交渉)のスキル、人間関係や仕事がう まくいくノウハウをお伝えします。」 最後までご覧いただき、ありがとうございました。 メルマガのご意見・ご感想はこちらまでお寄せください。 宛先:小田美奈子 E- Mail:nakocafe@nifty.com ---------------------------------------------------------------- 「ITエンジニアのスキルアップ&人間力向上マガジン」 http://www.mag2.com/m/0000262285.html ■ 発行元:株式会社オイコス http://www.oicos.co.jp/ 株式会社オイコスは、主にIT企業向けの教育研修を通じて、人と組織が活きる 共同体づくりをサポートしています。「オイコス」とは、ギリシャ語で棲み家、 家庭などの有機的な組織(共同体)を表します。現代社会は、様々な単位の共 同体「オイコス」から成り立っています。 私達はこの有機的な組織の構築に、相互のコミュニケーション力の向上を通じ て貢献していきます。 152-0003 東京都目黒区碑文谷5-14-13 グレースビル2F TEL:03-5722-4691(月〜金 9:00−17:00) Mail:ando@oicos.co.jp ■ 発行責任者:安藤 雅旺 ■ 編集者:小田美奈子 ■ 購読・解除の手続きは、ご自身でお願いいたします。 http://www.mag2.com/m/0000262285.html ■ 転送は自由です。転載を希望される際は、ご一報ください。 Copyright (C) 2008 OICOS Corporation. 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