にほんの場所たち “Japanese CUTTERS” RSSを登録する

日本の「あれこれあちこち」歩きまわった先々の「場所」で、出会ったヒトや観たトコロや聴いたオトや感じたコト、などなどについて綴っていきます。

最新号をメルマガでお届けします    
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。
2008/06/02

にほんの場所たち “Japanese CUTTERS”vol.0004

この記事を取り寄せる

===================================================================

           Japanese CUTTERS      by  site_roof     2/6/2008

*******************************************************************

[Message from Site on the Roof]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
http://www.geocities.jp/siteontheroof/ 

 金曜日に、仕事で東京名古屋を往復するという用がありました。

 このメルマガでお送りしている西国旅行のお話、始まってまだたったの4回
目というところで申し訳ないのですが、今回はちょっとお休みして、その東京
名古屋往復の「旅」、といっていいのかどうか微妙なところなのだけれど、と
にかく、「閑話休題」を送らせていただきます。

「…といっていいのかどうか微妙なところなのだけれど」といった辺りを、特
に…

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


"にほんの場所たち" 0004


<新幹線(閑話休題)>


 8時40分発の「のぞみ 111号」に乗りこんだのは8時半だった。ちょうど隣
に停車中の新幹線の車内に、修学旅行に向かう高校生たちらしい集団が見え、
「どこに行くのだろう? やっぱり京都奈良かな?」などと思っていると、不
意にその子たちの姿が後方に流れはじめ、いや、動きだしたのはぼくが乗っ
た新幹線のほうだということに気がつくのに、一瞬時間が必要だった。

 思いださないでいられないのは、インドのデリーからコルカタまで旅したと
きの、あるいはベトナムのサイゴンからハノイまで向かった急行電車。あの、
とんでもない音と揺れとそして魅力にあふれた列車たちの行き着くところが、
この、まったく音と揺れのない(あわせて魅力も消えた?)発車のカタチなの
だろうか。

 新横浜を過ぎた辺りから急に、まるで「本気」を出しはじめたかのようにス
ピードが上がる。景色も変わる。樹が増えはじめ、ところどころに田んぼがち
らほら、それからトンネルの隙間を縫うように海が見えて「新幹線ってこんな
に東京湾沿いを走るっけ?」と思っていたら、海岸にホテルが建ちならぶ見覚
えのある景色は熱海だろう、予想以上の速さ、東京湾かと思っていたのは湘南
の海だったらしい。

 ずっと冷たくて重い曇り空に覆われていたのが、箱根のトンネルを抜けると、
青空が見えた。静岡平野。お茶畑。食品工場。化成工場。製紙工場。物流セン
ター。富士川。港は田子の浦辺りだろうか?

 田植えを終えた直後らしい水田地帯を抜ける。ちょぼちょぼの苗と、泥水に
照りかえる日の光。明るく開きすぎているせいもあるのか、田んぼと住宅と工
場の合間にぽつんと佇む神社に、出雲で感じたような「神さま」の姿は見えな
い。

 名古屋は晴れていて、そして蒸し暑かった。昼を挟んだ4時間余りで仕事は
終え、再び復路に着く。15時41分名古屋発「のぞみ 126号」。

 往路とは反対の窓側に席を取った。眩しく光る浜名湖は、相当に大きい。す
っきりと遠くまで空気は晴れていて、一方で「東京は寒い」という情報、この
穏やかな天気がどこかで変わるのだろうか? 

 大井川を越える。なんだか秋の雲のような空が広がる。地平線には山の稜線
がくっきりと続き、対照的に新幹線の走るところは平野地帯。少しずつ山が迫
ってきて、というか、平野が狭まりはじめる。

 やがて姿を現した富士山には、ほとんど雲はかかっていなかった。筋のよう
な、縞のような雪が、縦に何本か線を引いたように残っている。静岡側から見
る、どこか無骨な感のある富士山を、ぼくは結構好きだ。

 富士山が後方に消えていった辺りから雲が増えはじめ、そして箱根のトンネ
ルを抜けると、景色はすっかりまた重たい曇天に覆われていた。名古屋の蒸し
暑さを思いだし、これだけ気候が違う距離を、2時間しないで移動するという
のはやりすぎな気が、ぼくはした。カラダをついていかせるのが大変そう。

 往きも帰りも、車内のほかのお客さんたちは実はほとんど寝ていて、ずっと
窓に顔をへばりつけている人間はたぶん、ぼくだけだったと思う。そうまでし
ても余りのスピードのせいで、通りすぎていく駅の名前を見ることができない。
結果、自分がどこにいるのかなかなかわからない。

 車内には液晶のテロップが流れていて、内容はニュースとCM、「今**を
通過中」のようなことを知らせてくれればいいのにとも思うのだけれど、たぶ
んこの新幹線というのは、「旅」をするための電車ではなく仕事のための「移
動」をするためのもので、いってみればただの「通勤電車」なのだろうという
ことが、今回ぼくにはよくわかった。だからあのテロップにJRは、東京の山
手線のテロップと同じ意味しか、きっと持たせようとしないのだ。

 結論としては、「新幹線はあまりに速すぎる」というのがぼくの印象。「速
い」といえば飛行機は、「空を飛ぶ」という点で自分の中に納得とあきらめを
つけさせることができるのだろうか。対して、曲がりなりにも地上を移動する
交通機関として、あのスピードは、日ごろ懸命に技術開発に携わっているので
あろう現場の人たちには申し訳ないのだけれど、少なくともぼくにとっては、
「やりすぎ」。

 まだこれ以上速いモノつくろうとしているという話をきくと「もういいじゃ
ない」と思わざるをえない、のだけれど、「仕事」の「通勤」に使うのであれ
ば、それもまた、仕方がない?

 そういっているぼく自身、「仕事」で使ったわけだし…


<新幹線(閑話休題)おわり>


                      (2008‐05‐30)


──────────────────────────────────

 新幹線に乗るのは久しぶりだったので、仕事とはいえその行程は結構楽しみ
にしていて、そして本文↑にはいろいろと書いたけれどもそれでも、ぼくは本
当に「旅」好きな人間なので、一応それなりに楽しむことができました。

 というような呑気なことをいっていられるのも、「久しぶり」という言葉を
使える程度に乗る人間だからであって、毎月、あるいは毎週毎日のように利用
するようになったら、もう窓際にへばりついたりすることもなく、通路側の座
席でひたすら寝て過ごすという「通勤電車」へと、ぼくの中の新幹線も落ちつ
いていったりするのでしょうか?


                            Japanese CUTTERS  0004/2/6/2008


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

配信の登録、解除、アドレス変更
http://www.mag2.com/m/0000262092.html

ご意見・お問い合わせ
site_roof@yahoo.co.jp
http://www.geocities.jp/siteontheroof/

当メールマガジン全体の内容の変更がない限り、転送は自由です。
転載については許可が必要です。

この記事を取り寄せる
最新号をメルマガでお届け
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。

最近の記事

上へ戻る