2009/11/09
ロン・ピョウ
---------------------------------------------------------- ロン・ピョウ ---------------------------------------------------------- [第87号 2009年11月9日] ---------------------------------------------------------- ■「アイドルの作法」 ---------------------------------------------------------- 先週の日曜日だったか、それとも文化の日だったか、新聞紙上に雑誌広告があふ れかえっていた日があった。こういう日はしんどい。雑誌の見出しが暴力的に目 に飛びこんでくるからだ。 「あべ静江さんのぽっこり腹がペコン!」(『安心』)。 ああ、どうでもよい。これ以上にどうでもよいことなどあるだろうか。そのくら いのどうでもよさだ。 まず、あべ静江の近況に全く興味がない。ぽっこり腹にも興味がない。「ペコン!」 にも興味がない。ゼロ足すゼロ足すゼロはゼロ。どうやっても興味関心が湧かな い。 じゃあ、あべ静江をアイドルとしてチヤホヤしていた世代の人は興味があるのか といえば、たぶんないだろう。 そもそも10代のデビュー時から50代、60代、70代までそのアイドルを愛し続けて いる人は多くない。しかも、あべ静江は現役のアイドルではない。歌い続けてい る加山雄三は現役のアイドルだが、あべ静江はアイドルをやめたのだ。 やめたアイドルにもファンはいる。しかし、やめたアイドルのファンを続けてい る人はよほど根性のある人だ。 加山雄三のファンは「やっぱり歌がいいから加山雄三が好き」というふうに安易 に歌にかこつけて自分を説得することができるが、あべ静江のファンは今の自分 に対して「今のあべ静江を好きな理由」をあえて説明しなくてはいけない。 「由美かおる(58) 入浴シーン200回! 『いまでも恥ずかしいです』」( 『女性自身』)。 由美かおるが「恥ずかしいと思っている」ことを知るのが恥ずかしい。そんな気 分だ。 由美かおるは半ばイジられていることに気づいていないのか。それともあえて無 視しているのか。それがわからないだけに、私は由美かおるに底知れぬ恐怖感を おぼえてしまう。 それにしても200回とはむしろ少ない気がする。しかも、この入浴シーンはもは や接待感がある。需要が少ない中の供給過剰、つまり制作側が由美かおるに「脱 がせてやっている」のではないだろうか。 また、『水戸黄門』(TBS)の由美かおるにツッコむならば入浴シーンよりも網 タイツじゃないのか。 時代考証がぐずぐずなところはもはや『水戸黄門』の味になっているが、それに しても網タイツはないだろうと思う。一番の見せ場、最後のチャンバラで網タイ ツ。そこを問題にすべきだと声を大にして言いたい。 「40代からの『ジャニーズ』お作法」(『STORY』)。 女性ファッション誌を前にすると、「王様は裸だ。みんなだまされてるぞ」と叫 びたくなるときがある。たいていの読者は冷静だろうが、中にはおもいっきり煽 られて雑誌の言いなりになってしまう人もいることだろう。 そういう人は「しっかり、ジャニーズのアイドルを憶えて好きにならなきゃ」と 思うのだろう。 ジャニーズのアイドルはまずグループ名をおぼえ、その構成員の名前をおぼえる ところから始まる。今どきで言えば、初心者はまず嵐というところか。SMAPはも はや対象外だと思う。 ダウンタウンの浜田がかつてTOKIOの城島茂を指して「よう見てみい。これがア イドルか」といったが、その通りだ。アイドルには公称としてのアイドルと事実 =実態としてのアイドルがある。 誰が見てもアイドル、若さあふれる旬のアイドルというのが公称のアイドルで、 デビューしたての人気アイドルがこれにあたる。 事実=実態としてのアイドルは30代以降に「アイドル的にファンを得ている」人 が相当する。加山雄三や郷ひろみ、松田聖子がこれに相当する。SMAPでは一部の 構成員が実態としてのアイドルになることができたが、一部の人はなり損ねたよ うに見える。TOKIOも同様だ。 「なり損ねた」と書いたが、実態としてのアイドルになることがよいことだとは 限らない。ファンは自分勝手で頑固なのでアイドルの活動の幅を狭め、結果とし て足を引っ張ることにもなりかねない。 話を戻す。黒木瞳はかつて新年におこなわれていた堂本光一の座長ミュージカル (?)公演を欠かさず観にいくと公言していたし、真矢みきも嵐のコンサートを 観に行ったそうだ。これは芸能界の付き合いなんだろうか、期せずしてこの二者 は「40代からの」に相当する。 いい歳してのアイドル好みには異性に対する権力欲や支配欲を感じる。ホストに 対するタニマチ感といってもよい。 ホストやホステスに「貢ぐ」という表現があるが、これは王様が臣下に「ほうび を取らせる」という感覚に近いはずだ。本人はおごってやっている感覚なのだ。 「お作法」ということは「いい歳した大人の女なんだから若い男に疑似恋愛的な 権力をふるってみせるくらいお手の物」感を表したいのだろう。 アイドルを好きになるのは勝手だし、そのことをどういう妄想で説明しようと勝 手だが、雑誌を読んでそれを実践しようとするのは恥ずかしい。そんな人、実際 にはいないことを期待したい。 (了) [PR]------------------------------------------------------- お米の魅力を味わいつくす http://click.linksynergy.com/fs-bin/click?id=gkuWB67RDZI&offerid=126733.10002177&type=3&subid=0 ---------------------------------------------------------- ---------------------------------------------------------- メールマガジン「ロン・ピョウ」 発行責任者: tawashi<tawashi@yandex.ru> 登録・解除: http://www.mag2.com/m/0000262007.html 登録・解除は上記サイトにてご自分でお手続きください。 ----------------------------------------------------------


