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さすらいの一般人の書き下ろしメディア批評コラムです。論評の幅を広げるべく、旧称「テレビ動物園」から改称しました。業界とは縁もゆかりもない無責任一本勝負でよろしくお願いします。

  • 発行周期 週刊
  • 最新号 2009/12/07
  • 部数 29部
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2009/09/21

ロン・ピョウ

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          ロン・ピョウ
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[第80号 2009年9月21日]
 
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■「スポーツ報道に飽きた」
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プロ野球が好きだ。いや、好きだった。実は飽きてしまった。

今でも新聞を開けばスポーツ面から読むし、仕事で旅行に行けばご当地
のスポーツ新聞を買いもする。しかし、飽きた。

より正確に言えば、報道の仕方に飽きた。

野球場で見る野球はいい。野球場は静かでいい。全体が見渡せてよい。
しかし、拘束時間の長さに飽きた。短くても三時間、長ければ四時間超
とは長すぎる。

ナイターの夜更かしは朝型の体にこたえるようになった。郊外に住んだ
ため、デーゲームも一日仕事になってしまう。

こうして野球場から足が遠のいた。そうなると、ひたすらテレビラジオ
で野球を見聞きするわけだが、最近はそれも飽きた。

報道の様式が変わらなすぎる。

テリー伊藤によれば、未だなお野球中継は優良番組だという。何十年も
同じコンテンツで全く代わり映えしないまま、落ちたとはいえ視聴率十
パーセント前後。これは奇跡だという。

そう思う。ただ、視聴者としては飽きた。その代わり映えのなさに飽き
た。

飽きたことには数年前からうすうす感づいていた。今年、テレビをやめ、
最近はラジオすら聞かなくなってきてはっきりわかった。私はプロ野球
中継にすっかり飽きてしまった。

制作者は努力していると思う。しかし、こうも変わらないのか、と思う
ことは多い。

女性が実況することはない。解説者といえば偉そうなプロ野球OB。アナ
ウンサーの絶叫。センターからのテレビカメラ。

本当に深く知りたいのなら、まだまだ雑誌メディアが優れている。野球
雑誌やスポーツ専門雑誌はテレビラジオやインターネットをはるかにし
のぐ情報量だ。

印刷と流通のコストをかけてまで生き残っている以上、情報の質は高い。

インターネットもがんばってはいるが、雑誌ほどの良質な情報は少ない。

また、インターネットは雑誌ほど簡単に情報にアクセスできない。パソ
コンやケータイを起動するだけでよいと思いきや、満足ゆく情報にたど
り着くまでの検索が大変すぎる。

雑誌はただ買えばよい。図書館に行けばよい。私はスポーツ情報は紙メ
ディアに依存している。こちらのほうがはるかに満足する。手間を惜し
むと情報の質は下がる。

テレビラジオの野球中継の話に戻ろう。カネをかけずに変えられること
などいくらでもある。

例えば、解説者にジャーナリストを招いてはどうか。若手ならプロ野球
OB大物ほどカネはかからない。

思い切って他局のアナウンサー、新聞記者を招いてもおもしろい。これ
もカネがかかるとは思えない。

淡々と試合経過だけを報じる実況はどうか。クールな実況であればある
ほど、こちらは盛り上がるかもしれない。選手の私生活など興味がない
人も多い。

女性アナウンサー起用はない方がおかしい。おかしいということに気づ
かない方がおかしい。

テレビなら、球場の中、通路や高所からの映像を織り交ぜて球場全体の
雰囲気を伝えるのはどうか。野球場の雰囲気自体が好きだというファン
も多いだろう。

実況音声すらなく球場の自然音だけを流し、必要な情報は画面表示だけ
でもよいだろう。また、カメラも右バッターなら一塁側、左バッターな
ら三塁側から撮ってもよい。

この回はひたすら内野手の動きに注目して伝えるというのもよい。

番組制作に携わっている人にとってその仕事は日々の糧を得る仕事であ
り、忙しさに追われていることだろう。

疲れていれば新機軸を提案したり、実行したりすることは難しいだろう。

これはどの仕事でもいえることだ。ただ、視聴者はわがままにも飽きて
しまうものだ。私はわがまま承知でいうが、すっかりテレビラジオの野
球中継に飽きてしまった。

野球自体に飽きたというよりは報道の様式に飽きてしまった。どうにか
してほしい。

サッカーも好きだ。しかし、テレビラジオでは日本代表の試合くらいし
か見られない。

2002年のワールドカップを体験してしまってから、通常の親善試合はぬ
る過ぎるように感じて本気で見られなくなってしまった。だから、サッ
カー中継もあまり見なくなった。

熱心なファンなら当たり前だと思うだろうが、ふだんのJリーグのリー
グ戦の方が選手の雰囲気も観客の雰囲気も熱い。それは実際にサッカー
場にいっても感じる。

ひいきのチームの試合が見たければ、野球もサッカーも有料放送を見よ
ということなのか。だとすれば、なおさら普通の地デジなど見ない。

テレビを見ない理由ばかり増えていく。それはよいことだが、少しさび
しくもある。

(了)


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