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さすらいの一般人の書き下ろしメディア批評コラムです。論評の幅を広げるべく、旧称「テレビ動物園」から改称しました。業界とは縁もゆかりもない無責任一本勝負でよろしくお願いします。

  • 発行周期 週刊
  • 最新号 2009/12/28
  • 部数 30部
  • メルマガID 0000262007
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2009/06/01

ロン・ピョウ

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          ロン・ピョウ
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[第64号 2009年6月1日]
 
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■「水嶋ヒロと生島ヒロシ」
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今号からメルマガ名を『ロン・ピョウ』に改めました。テレビ以外のこ
とも少しは語りたいと思っての改名です。今後もよろしくどうぞ。

さて、『MR.BRAIN』(TBS)の本編を見た。予想通り、第2回の放送直前
に初回の再放送をしてくれたので、それを見た。

それにしても、この番組、5分間の番宣番組を一日2回ないし3回も未だ
に毎日続けている。番組開始後だというのにこれだ。この様子じゃ、お
そらく番組が終了しても番宣だけは続くかもしれない。

初回だけかもしれないが、映画並みの出演者が揃っていた。主役ないし
準主役級をちょい役でふんだんに使っている。戸田恵子に広末涼子にユー
スケ・サンタマリアに津田寛治。みんな端役だ。

前から繰り返している通りだが、これは「目の錯覚」を狙ったトリック
なのだ。

「大物を端役で使うとは木村拓哉も大物だ。やっぱり木村主演のドラマ
は違う」というのは正確でない。

「『やっぱり木村主演のドラマは違う。木村拓哉は大物だ』ということ
を非言語的に説明するために、大物を端役で使っている」。これが正解
だ。

だまされてはいけない。これは木村さん主演ドラマの常套手段だ。因果
関係が逆転していることに気づこう。

人気ドラマ『踊る大捜査線』(フジテレビ)の既視感も上手く利用して
いる。空撮の警視庁映像に始まり、『踊る…』俳優のユースケ・サンタ
マリアとくる。

『踊る』的な暗い警視庁の会議室、行進曲みたいな音楽。既視感、既聴
感というべきか、やれることはなんでもするようだ。

主題歌はヴァン・ヘイレン。20年以上前の大ヒット。みんなの頭の中に
残っている歌を使ってくる。そういえば、木村さんのドラマではSMAPの
歌は使わない。

使える他人のふんどしは誰のふんどしでも使う。鉄橋を叩いて渡らない
くらいの手堅さだ。

木村さんの同僚役に揃えた面々に、まあ、美男のいないこと。わざとだ
と思う。相対的に木村さんを美しく見せるための配慮なのかもしれない。

そうでもしなければ、木村さんのまわりに現れる女の人が次々と木村さ
んに惚れてしまう設定など無理だからだ。

ちなみに初めて動いている画を見た水嶋ヒロ。河相我聞そっくりだ。我
聞、どうしているんだろう、最近見ない。

ドラマの内容はおもしろかった。私は正直楽しめました。でも、木村さ
んが披露する「脳科学の知識」が陳腐すぎるようにも思う。

木村さんの今回のネタは主として「右脳左脳」ネタだったのだが、最近
私が読んだ本によれば、木村さんが劇中で披露していたような「右脳左
脳」ネタはすでに過去の知見とみなされて修正されているそうだ。

これは木村さんの責任ではない。もっとも、俗流科学的な、わかりやす
く単純化された知見の方が好まれるのは当然なので、あまり責めても仕
方がない。私だって専門家じゃないし、楽しめればそれでよいのだし。

話は全く変わる。水嶋ヒロで思い出したが、今、生島ヒロシが静かなブー
ムを呼んでいる。水嶋ヒロと音が似ているからだと、勝手に思っている。

世の中にはあらゆるマニアがいるもので、安住紳一郎の話によれば、
「生島ヒロシ」マニアというものもいるそうだ。

私にとっては、生島ヒロシの生態そのものよりも、「生島ヒロシ」マニ
アが存在するというそのこと自体がおかしい。

生島ヒロシの活動の場は主にTBSラジオの早朝の帯番組だ。この番組中
での、およそアナウンサーらしからぬヒロシのグダグダな振る舞いがラ
ジオの聞き手の注目を集めているのだ。

生島ヒロシに初めて注目したのは、同局TBSラジオの伊集院光のラジオ
番組だと思う。生放送中にくしゃみはするわ、「運気」を「ウンコ」と
読み間違えるわ、薬を飲んでむせるわ、人の話は聞いていないわ、生島
はまるで男子小学生だったのだ。

数年たち、ようやく生島ヒロシブームはテレビに届きつつある。

木村さんのドラマは生島ヒロシブームの正反対にある。どちらも同じ
TBSなのだが、かかっているコストがまるで違う。もちろん、生島ヒロ
シブームは万人受けしないのだが、私にとって、満足度は等しい。

おかしいもの、おもしろいものは作るというより、発見するものだと思
う。ていねいに探し、見つけて、育てるものだ。

実は木村さんのドラマを見る前に、私は『刑事コロンボ』を見ていた。
30年以上前のアメリカのドラマだが、完成度はこちらの方が上だ。

知っている人も多いだろうが、『古畑任三郎』や『相棒』の元ネタのか
なりの部分がここにある。功を焦らず、ていねいに作って育てたドラマ
は時空を超えておもしろい。

私は自分のテレビを地デジ化するかどうか、今、考え中だ。テレビがこ
のままなら、アナログ放送終了と共にテレビ人生を終えてもいいと思っ
ている。

選ぶ権利、世間についていかない権利はあるのだ。どのみち、緊急時、
災害時にはラジオしか聞かないだろうし。

(了)


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