2009/03/23
テレビ動物園
---------------------------------------------------------- テレビ動物園 ---------------------------------------------------------- [第54号 2009年3月23日] ---------------------------------------------------------- ■「本音度全開」 ---------------------------------------------------------- 仕事で大阪に行った。私にとって関西といえばサンテレビ。つけっぱなしで見た。 東京には厳密な意味でのローカル局がない。テレビ東京にして年々洗練されてき てしまっている。 ローカル局はダサイだの、野暮ったいだの言われて茶化されがちだ。しかし、ロー カル局は絶対に必要なものだ。 それはスーパーマーケットが必要なのと似ている。旅先ならばコンビニがあれば 十分だろうし、最近のデパートはスーパーマーケット的な性格を持ちつつある。 しかし、それでもやはり、スーパーのない街には住みづらい。 メディア環境には生活感は必要だ。虚飾はほどほどで足りる。本音度の高い、普 段着のテレビ番組のユルさは環境音楽のようにくつろぎ感を供給してくれる。 環境音楽だから正直なくてもいい。しかし、全くないのは物寂しい。わがままだ が、私にとってローカル局とはそんな存在だ。 で、サンテレビ。正確には兵庫ローカルなんだろうが、東京人の私にとっては 「(広義の)大阪と言えばサンテレビ」という気がする。 サンテレビはCMも番組も生活感丸出し。だから、異邦人の私にとってはサンテレ ビで見ること聞くこと全てが目新しい。 細かく見ていけば、関東の各県ローカル局でも放映されている番組もあるようだ。 しかし、東京都内でそれを見ることはない。だから、やっぱり全てが目新しい。 私が見たなかでは『生×カラ!TV』(サンテレビ)が特に印象に残った。視聴 者参加のカラオケ番組だ。 何といっても一見さんお断り的な感じがよい。この日の審査委員長は歌手の三門 忠司。もちろん知らない。 しかし、どうやら番組のカリスマらしい。もう、のっけから、自分がよそ者であ ることを自覚させられてしまう。もっとも、われながらそういう場違い感をマゾ 的に好んでしまうのだが。 レギュラー審査員として登場するもう一人の歌手がせつ子シャルマン。もちろん 知らない。 見れば見るほど、よそ者扱いされる自分。 しかも、四人の素人参加者が歌う歌は揃いも揃って三門忠司のヒット曲らしい。 これももちろん知らない。 三門忠司先生は明らかにヅラっぽい。もうぞくぞくしてくる。番組のカリスマが ヅラ。だからこの話題はアンタッチャブル。キャラ立ちすぎだ。 この番組はローカル過ぎる。しかし、まさにそれゆえに、二回も見れば、すっか り番組常連になれること請け合いだ。飲み屋なんかと違ってテレビ番組は簡単に 常連になれる。そして常連になればすぐ、その内輪感に心地よいくつろぎをおぼ えるようになる。 このくつろぎがよい。下駄履き感といってもよい。スーパーはサンダル履きで行 き、自転車で乗り付けるものだが、デパートとなるとそうはいかない。 改めて梅田やなんば界隈を歩くと、大阪の食べ物の本音度の高さを思い知る。 「早い安い旨い」は当たり前。正直で気取っていない。「東京はカッコつけてい る」という過剰な非難も何となく理解できる。 確かに東京の食べ物屋ははやりすたりに過敏で、横文字看板が多い。そして高い。 東京にローカル局がないのも同じ理由だ。東京のテレビはカッコつけすぎる。 もちろん本音度が高すぎるきらいもある。サンテレビのラブホテルCMには驚く。 サンテレビで乳首丸出しのキャバクラCMを見たこともある。 今回は高須クリニックによる高須クリニックのための番組『美しくなりま専科』 (サンテレビ)も見た。内容は「高須院長の世界交友録」とでも言うべきもので、 高須院長自身が世界各地の美容整形医の友人を紹介し、彼らの人となりや豪華な 邸宅や美容学会報告を紹介するというものだ。もはや公共性ゼロ。 本音度や内輪度が高まると、ローカルな視聴者がくつろげるようになる反面、公 共性は低まる。予算上の制約が高須クリニックを招き、やはり公共性は低まる。 もとより公共性の定義は難しいのだが、ローカル局では特にその振幅が激しい。 もっともそうした不安定さはさすらいのテレビ視聴者にとって魅力だったりもす る。本音度の高さという潔さも、公共性があるのかないのかわからなくなってい る程のローカルさも好きだ。 サンテレビではベッドの上で半裸の女性が色気を発散させているだけの「ハナテ ン中古車センター」のCMが有名だ。中古車販売の会社なのに車の映像は一秒も出 さず、30年ほども徹頭徹尾お色気にこだわっているそうだ。 その理由はずばり「顧客たる男性視聴者の注目を惹くため」(『カミングアウト バラエティ 秘密のケンミンSHOW』の調査による)。何という徹底的な目的合理 性。恐れ入った。私はサンテレビが好きだ。 (了) [PR]------------------------------------------------------- 産地・材料・人にこだわって、安心のおいしさをお届けします。大丸通信販売 Dmall.jp【おいしさ自慢】(大丸ホームショッピング) http://click.linksynergy.com/fs-bin/click?id=gkuWB67RDZI&offerid=126733.10000002&type=1&subid=0 ---------------------------------------------------------- ---------------------------------------------------------- メールマガジン「テレビ動物園」 発行責任者: tawashi<tawashi@yandex.ru> 登録・解除: http://www.mag2.com/m/0000262007.html 登録・解除は上記サイトにてご自分でお手続きください。 ----------------------------------------------------------



