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さすらいの一般人の書き下ろしメディア批評コラムです。論評の幅を広げるべく、旧称「テレビ動物園」から改称しました。業界とは縁もゆかりもない無責任一本勝負でよろしくお願いします。

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2009/03/02

テレビ動物園

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          テレビ動物園
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[第51号 2009年3月2日]
 
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■「良くも悪くも変わらないみのもんた」
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『午後は○○おもいッきりテレビ』(日本テレビ)が終わるらしい。正確には番
組名も変え、みのもんたが降板するということらしい。が、みのが降板するなら
ば、「終わる」といって差し支えないだろう。

前に『午後は○○おもいッきりテレビ』(『午後は○○おもいッきりテレビ』の
前身)を見たのはいつだろうか。10年ほど前か。自分一人ではまず見ない番組だ。

当然、当時とはいろいろ変わっていた。セットがあか抜けていた。みのもんた以
外の出演者もすっかり変わっていた。10年ほど前は、ささきいさお、黒沢年雄、
九重佑三子、今陽子あたりをよく見かけたが、もちろん今では粛清されている。

変わっていないのはみのと、ドモホルンリンクル・青汁・婦人用かつら(前司会
者の高橋佳代子が出演)・日本文化センター(CM出演者が変わっていない)の
各CMだけだ。

しかし、悲しいかな、みのは浮いていた。

言うまでもなく、みのは『おもいッきりテレビ』で現在の地歩を築いた。かつて
の『おもいッきりテレビ』の中心にはみのが揺るぎなく鎮座していた。

今のみのはまるでゲストだ。あいかわらず、「お知らせ入れときましょう」とは
言うし、不必要なまでにネクタイをいじってもいる。

「人妻の」などと、オヤジエロを勝手に織り込んでしゃべり、一人で盛り上がっ
ていたりもする。みの自身はほとんど変わっていない。

では、みのは飽きられたのか。そうともいえない。未だに多くのレギュラー番組
を抱える人気司会者であることに変わりはない。

しかし、自分の本拠地であるはずの『おもいッきりテレビ』では浮いている。ど
うしたのか。

問題は調和にある。繰り返すが、みのは浮いているのだ。

相方の月曜レギュラーの眞鍋かをりや局アナはもちろん、ゲストはみなかなり年
下だ。しかも、スタジオ観客の「お嬢さんがた」もかなり年下が多い。みのが
「白髪三千丈」なんてつぶやいても通用しなくなってきている。

説明に使う説明板(フリップ)に貼られたシールをはがすこともない。みのとい
えばシールはがし、シールはがしといえばみのだったが、今や全てがモニターに
表示されるようになった。

すっかり手持ちぶさたになったみの。余計にネクタイをいじるほかない。

番組の新しいスタイルが悪いわけではない。CMが大して変わっていないところを
見ると、視聴者世代だってあまり変わっていないはずだ。

問題はみのが結果的に番組全体の調和を乱していることにある。今の『おもいッ
きりテレビ』ではみのだけが古い。それが問題なのだ。

『徹子の部屋』や『アタック25』や『サザエさん』や『笑点』に共通するのは、
番組が軌道に乗って以降、著しくスタイルを変えていないところだ。

これらのどの番組も古くさいが、その古くさいスタイルは一貫して安定している
ので視聴者は見ていて不安を感じないのだ。

みのも歳をとり、確かに滑舌も悪くはなった。しかし、それが問題ではない。実
のところ、近頃のみのは若い人と絡むのが不得手だ。そして、若い出演者とみの
のそうした微妙なズレは視聴者の不安を大いに呼び起こす。

「人妻」という言葉に妙に萌えるみのを、20代、30代の女性視聴者が理解できる
はずがない。

丘みつ子主演の二時間ドラマを喜んで見ていたかつての女性視聴者ならば、そう
いうみのを渋々理解してやることもできた。しかし、今の若い視聴者には無理だ。
40代だって無理かもしれない。

確かに眞鍋の指示棒の使い方はぞんざいに過ぎる。しかし、それが番組低迷の理
由ではない。番組の内容以上に番組の安定度こそが重要なように思えるのだ。

例えば、録画して結果がわかっているスポーツ中継はとても見ることができない。
番組の内容は生中継でも録画でも変わらないので、問題は視聴者の側にある。こ
ちらの心構えや気分の問題なのだ。

だから、視聴者の気分が安定し、番組に集中できる環境は大事だ。番組の内容と
は関係ないところに、制作者の意図しないノイズが混入してしまうと、視聴者は
番組の気分に乗り切れない。

みのの「白髪三千丈」というつぶやきに今ひとつ反応できない眞鍋が気になって
しまうのだ。

一つ一つのズレは軽微だが、生放送で二時間の長丁場となると、そういうズレの
蓄積はかなりのノイズになる。視聴者はそうしたノイズを何となく感じとってし
まい、「この番組は今ひとつ」という評価を下してしまう。

みのも眞鍋も悪くない。いや、みのはちょっと品がないので、悪いかもしれない。
いや、眞鍋もそれなりに柄が悪くなってきたのでトントンか。いずれにせよ、ど
うでもよい。

(了)


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