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2008/10/01

社会人特別選抜で一発合格を目指そう

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第七回 論文を書く       

5 論文を書く
文献の調査も実験も終わると,いよいよ論文の作成となります.論文を作成するには論文の流れを知っておくと便利です.流れには論文そのものの構成に対する流
れと,論文の作成の流れがあります.以下に分けて述べます. 

5.1 書いてみる
論文は先ず書いてみることから始まります.ここで参考にするのが研究計画書です.調査や研究を始める前に通常は研究計画書を書きますが,その内容のほとんどが
論文の内容になります.その研究計画書の項目を使って,まずは「目次」を作ってみましょう.

「目次」は最後に作るのでは??と疑問をもたれるかもしれませんが,仮の「目次」を最初に作っておきます.Maind Map等のソフトウェアーを用いると便利です.

大学院進学の目的である研究計画書の書き方のページでも述べておりますが,研究計画書は提出する分と自分で持つ分の二種類を書いておきたいものです.論文
を書くときは後者である自分で持つ長く書いた研究計画書を用いてください.

正しい「目的」,で「方法」が間違っていなければ,調査・実験で得た「結果」は論文にそのまま使えるはずですから,研究計画書から「目的」,「方法」,
「結果」,「結論」までは書けますので,後は考察を残すのみとなるはずです.

論文を書くときの注意として,他人の論文を「盗作」すること,一部を「剽窃」したり「抜粋」することは慎まなければなりません.ただし考えを継承することは
必要なことです.はじめて論文を書くときはどうしても「助言」や「指導」が必要になります.

身近な人で論文を書いたことのある人を見つけだして助言が可能であるかどうかを尋ねてみましょう.書いた論文を直接持っていってもなかなか簡単にはみてもらえな
いと考えたほうがよいでしょう. 

5.2 論文作成の基準
卒業論文や修士論文は大学あるいは大学院で定められた規定があります.学術論文は各学術雑誌には各々に規定された投稿規定があります.この投稿規定を
無視 すると,内容を読まずに返却されることもありますので,最低限度投稿規定を遵守するように心掛けてください.投稿規定は,雑誌により異なります.

B5一頁に書かれているような短い規定から,A4四頁に及ぶ長い規定まであります.相対的に長く書かれている規定は非常に親切にできています.投稿規定は学術
雑誌ごとに異なっていますので,投稿する雑誌の投稿規定を熟読してください.一つで良いですから英語の雑誌の投稿規定を手にいれて訳してみるか,訳した冊子
を入手して熟読してください.日本の雑誌の投稿規定に比べてとても詳しく丁寧に,そしてやさしい表現で書かれていますので非常に参考になります.

5.3 標準的なならび
論文の構成について述べます.右側の数字は論文を書いていくときの順序を示します.

一 表題 6 
二 氏名,住所,勤務先 7
三 要 旨 5 
四 Key wards 9 
五 本 文 1 
六 謝 辞 8 
七 参考文献 4 
八 図 表 3 
九 図表の説明 2 

論文は雑誌に掲載されたときの順序とは全く異なった順序で書くのが一般的です.また,研究計画を書くときとは違った順序でもあります.次節より第十三節までに詳
しく書いておきますので参照してください.

最も早く論文を投稿する雑誌の規定にあった形で書き上げるのには,その雑誌に掲載されている論文をいかにたくさん読むかにかかっています.読むことによって自
然と書くことも身に付きます.ただ,小説を読むように速読で読むのではなく,隅から隅まで精読してください.論文の標準的な並びと内容の一覧をつけておきます.

5.4 本 文
本文は研究計画書を基に実験した結果とその考察および結論を書きます.本文は「はじめに(緒言)」,「材料および方法」,「結果」,「考察」,
「おわりに(結論)」で構成されています.それぞれについて詳細に説明します.

はじめに(緒言)

研究をするにはその研究がどのように人々に役立ち,学問的にどのような利益があるのかを述べます.これが研究する意義です.これまでの他の人の研究を交え過
去の研究の欠点や,未解決の部分を述べ,その問題を解決しなければならない理由を述べます.そのためには論文の目的を明確 に,しかも分かりやすく書く必要が
あります.

材料および方法

研究論文の最も大切なことは,論文を読んだ人が同様の研究を追試できることにあります.そのためにはこの「材料および方法」に上げることがらはすべて明確に列
挙する必要があります. 実験の場合,材料はどこから手にいれたか,装置はどこの会社のどの装置を用いたかなど,できるだけ具体的に上げておくのがよいでしょ
う.

調査の場合においても,調査方法はどの手法を用いたか,そのための資料はどのように集めたかなど,できるだけ具体的に上げておくのがよいでしょう.

方法を書くのは簡単なようでわりと難しいものです.書いてあるとおりに実験や調査が他人によってなされることが可能でなければなりません.

結果

実験あるいは調査にて明確になった事実のみを書き,意見などは一切含みません.結果を長く書く必要はありません.できたら図や表を用い,できるだけ具体的に短く
書きます.

考察

考察は論文本文の中で最も重要なところであり,この考察のみにおいて著者の意見を述べることができます.他のところは事実のみを書きます.論文を書いていて
行き詰まるのは,たいていがこの考察です.先ず,考察に書くことはなにか?から始まります.

研究方法や材料に関する問題点や研究のコンセプトにかかわる問題点等を掲げて,その解決方法や取り組みが正しいことを述べることも考察の大事な一面です.

また,過去の研究結果との比較で違いが現れたときの正当な理由を述べることも必要ですし,他の同様の研究に比較して,より精度が上がっていることを述べるの
も良いでしょう.

おわりに(結論)

結果をふまえ,その結果から目的に対してどのようなことが導きだされるかを書きます.目的が達成されたのかどうか?達成された場合はどのような貢献があるのかな
どを書きましょう.

5.5 参考文献
参考文献は論文の本文を書いていくときに参考にした事柄の掲載されている書物や雑誌を,投稿する雑誌の投稿規定に示されている書き方を厳守して書きます.
卒業論文や修士論文の場合は前年度の論文を参考にするのが良いでしょう.

参考文献の掲げ方には2種類あります.一つは著者の氏名を「あいうえお」順に掲げる方法で,二つ目は論文本文で参考にした順です.一般的には後者の方が多い
ようです. カンマ(,)やコロン(:)の使い方まで規定されていますし,著者の氏名の人数も規定されていますので,細かいところまで投稿規定を読んで下さい.

一編の論文に用いる参考文献の数は10編程度が標準的で,少ない場合は3編程度です.参考文献の種類によって論文の価値もおのずと決まってきますので気を
付けて引用してください.

使用する参考文献の年代にも気を付けます.同様の内容を述べている論文でしたら,できるだけ新しい年代に発行された論文を用います.10年以内に発行された論
文でしたら申し分ありません.

口述発表の抄録は参考文献にはなりません.理由は,発表当日口頭にて発表した内容と抄録の内容がことなる場合が多々あるからです.また,口述発表では抄録
の訂正ができるからです.

5.6 図 表
科学論文の投稿では,最近は電子投稿が殆どになってきましたし,卒業論文や修士・博士論文においても殆どが印刷済みの仕上げたものを提出することになりま
す.
そのため, 図,写真およびグラフ(まとめて「画像とします)も電子版で提出あるいは投稿することになります.

画像については解像度(1インチあたりの点の数),大きさ(縦x横 cm),濃度分解能(白から黒までの間を何段階に表現するか),ファイル形式(ファイル名の'.'
以下の3から4文字)が規定されている場合が殆どです.

解像度は300dpiから1200dpiの画質が必要とされることが多く,写真とグラフでは解像度の規定が異なる場合があります.これも投稿規程で規定されております.

大きさはキャビネ版程度の大きさが主ですが,これも投稿規程で規定されております.

濃度分解能は普通8ビットで256段階が一般的です.また,まだ殆どの場合白黒の画像が基本となります.

ファイル形式も投稿規程で規定されていますが,特に雑誌によって異なりますので,気をつけてください.一般的にはeps, jpeg, pdf, tiff等があります.

表は文章の一部として書きますが,これも投稿規程で詳しく説明されていますので,投稿する雑誌の投稿規程を遵守してください.

5.7 図表の説明
図や表の表題と説明は,日本語の論文の場合,日本語と英語が必要な場合と,英語の場合とがあります.実際に掲載されるときは英語のみで掲載されます.

その理由は要約と同様に日本語を理解しない人々が,その論文を読んだときに英語で書かれている要約と,図と表の説明を読んだだけで意味が理解できるといいう
ことです.そのためには要約と図表の説明のみで論文が理解できるように書いておきます.

図の説明は図そのものを説明しますので,図と説明文とは別なものと考えます.そのため文頭に「Fig. 1.」と言うように書きます.「Fig」は「Figure」の略で,
そのすぐ後の「.」は「ure」を略したとの意味です.「1」は図の番号で,その後の「.」は文の終了を示すピリオドです.

ところが,表は文章の一部ですので書き方が図の説明とは異なります.「Table 1」の様に書きだし,「.」を用いず説明文を書きはじめ,その後に表を書きます.
表の略語などに「§」などを付け,説明をします.実際には投稿する雑誌によっても異なってきますので,投稿規程をしっかりと読むことを希望いたします.

投稿する雑誌によって,図表の説明を非常に短く書かなければいけない場合と,結構長く書いてもかまわない場合もありますので,これも投稿規程を読む必要があり
ます.

5.8 要 旨(要約)
要旨はかならず書いておかなければならない幾つかの項目があります.目的,方法,結果,結論の4項目です.

要旨は本文の内容を忠実に表現する必要があります.本文にないことは書かないのが原則です.

ほとんどの日本の雑誌では日本語と英語(Summary or Abstract)の要旨または要約の著述が必要です.要約は日本語以外の言語を使用する外国人に対して,日
本語の論文であってもその内容が理解できるようにするためのもので,かならず英語で書きます.

英文で書くにはいくつかの方法があります.まず,日本語で書いたのち英訳するのが一般的です.英語がにがてな人は,英語が得意な友人に翻訳をしてもらうことも
可能だと思います.また,翻訳を専門とする会社もありますので捜してみてください.雑誌によって文字数がことなり,規定のないところから200文字程度の所まで
あります.

4.9 表 題
表題は本文の内容を明確に表していることが必要です.本文の内容を適切にしかも端的に表していることが条件となります.また,余りにも長い表題は読む気を無く
させますので要注意です.

日本の雑誌に投稿するときは日本語と英語が必要です.日本語の表題を英語に訳すときに注意することがあります.日本語ではよく「〜の研究」と言うような表題
を付けます.研究論文を研究専門雑誌に投稿するのですから,研究が当たり前であるという考えが英語雑誌への投稿では当然と考えられており,一般に研究を英
語にしたstudyやinvestigate などの単語を表題に使用することはほとんどありません.

表題は研究課題とは違うと考えてもらうのが良いと思います.研究課題はあくまでも仮の論文題目であると認識するのが良いと思います.研究を進めていったり,論
文の作成を進めると,どうしても初期の研究課題から内容や,目的がずれてしまいますので,論文の表題は最後で最終的に決定してください.

5.10 氏 名
著者名も日本語と英語で書きます.要約の英文であるSummaryと同様に氏名,施設名,所属と住所はデーターベースに登録されるからです.論文の内容を良く
理解した人のみを書くべきです.ただ校閲しただけの人は謝辞に入れるべきでしょう.

氏名は大変重要ですし,共同研究では研究者の名前を掲げるのに順序があります.一般的に論文の著者(本人)を筆頭に書きます.次に,共同研究者の重要度
から2番目,3番目と書きます.日本の論文では最後に教授の名前や上司の名前を書いたりしているのが多いようです.

人数はあまり多くないのがよいでしょう.雑誌の投稿規定に人数を規定している場合もあります.一般的には6名までと考えておくのがよいでしょう.住所と施設名お
よび所属は確実に届く住所を確実に書いておきます.雑誌の編集係に送った論文の受取書が送られてきます.論文が掲載されるまでには数回のやり取りがあります
ので,職場が変わったときには気を付けてください.

5.11 謝 辞
この謝辞は色々手伝ってもらった方や,金銭的助成をしてもらった所への感謝を表すために謝辞があります.謝辞で最も難しいのは第十節の著者名の欄に書くべき
かこの謝辞に書くべきかと言うことです.例えば,研究助成金により研究がなされたとき,写真やグラフの作成,統計解析,ワープロ入力など,共同研究者ではない
が重要な役割をはたした人達に感謝し ましょう.図や表の作成を手伝ってもらった人,あるいは文章を校閲してもらった人などはこの謝辞に入れるべきだと
考えます.

5.12 キーワード
自分勝手のKey wardを書かないことが基本です.Key wardは論文をデーターベースに登録するときに一緒に登録し,文献検索のとき,このKey wardを用いて検索し
ます.自分勝手に考えたKey wardを書いておくと,検索時に検索できないことになります.Key wardsは総て英語で書くのが基本です.Key wardsは基本的に5個以
内です.そして大きな研究範囲から小さな研究範囲の順に書いていきます.さて,Key wardsはどのようにして決めればよいのでしょうか.やはり何かを基準にし,
それを参考にして書くべきです.Key wardsを英語で書くことにヒントがあります.世界で基準となる英語のKey wards集を手にいれることです.

5.13 ヘッダー,フッダー
最後の仕上げです.電子投稿が増加していますが,まだまだ原稿を送付する場合もあります.このとき,ヘッダーには,もし原稿がバラバラになった時のことを想定し
て,
一連の論文が何について書かれているのかを明確に書いておきます.例えば表題を短くして書いておくのが最も一般的です.匿名にて査読するのが一般的ですから
このヘッダーには著者名は書かないようにします.次にフッダーです.ほとんどの場合ここには頁を書きます.1頁の始まりは本文の「はじめに」の項になります.
つまり,表題,氏名,要約には頁をふらないのが原則です.

6 論文仕上げ

6.1 論文の投稿
学術雑誌には雑誌固有の投稿規定があります.定められた枚数,部数,書式を守って提出してください.原稿を送付するとき,かならず簡易書き留めで送付してくださ
い.

電子投稿の場合,完全に仕上げて,印刷のレディー版をpdfファイルで投稿する必要もありますので,pdfファイルを作成するソフトウェアーは入手しておきましょう.

6.2 論文の査読と訂正
査読結果は次の4つの結果の一つが書かれてきます.

1. すぐ掲載する.

2. 一部書き直して掲載する.

3. 書き直してもう一度審査する.

4. 掲載を拒否する.の段階で返事があります.

「すぐ掲載」の時で約3ヵ月,「一部書き直して掲載する」の時は,掲載されるまで6ヵ月程度,「書き直してもう一度審査する」の時は1年程度掲載まで時間が
かかると考えるとよいでしょう.

加筆訂正 加筆訂正を要求されたときは,査読者の意見を参考にして書き換えることを進めます.また,著者主張が査読者に上手く伝わっていない場合は,ほとんど
が著者の書き方に原因が有るように思います.分かりやすいように書き換えるのが良いと思います.

7 まとめ
論文を書くことは根気がいることですが,一編の論文を書くことにより,研 究課題を見つけてから論文が掲載されるまでの手順が理解できます.複雑な規定ではあり
ませんので一度理解するとつぎの研究が簡単に実行できると思います.そこには研究課題を見つけるインスピレーションのみが研究者が見つける問題です.そして根
気良く問題解決に臨んでください.そして,できるだけ多くの人に意見を聞き,論文の完成度を上げてください.


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夢に向かって全員合格:大学院受験
発行責任者:ラドテク
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