2009/11/27
【平野貞夫の国づくり人づくり政治講座】第39号 2009年11月27日発行
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平野貞夫の国づくり人づくり政治講座 第39号 2009年11月27日発行
筆者 : 土佐南学会代表 平野貞夫
発行 : 一般財団法人 国づくり人づくり財団
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《『政(まつりごと)の心』を求めて》 ― 日本の議会政治の反省(18) ―
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『 再び政治家と官僚のあり方について 』
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念願の本格的政権交代が実現して、鳩山新政権は一ヶ月はまずまずのスタートで
あったが、二ヶ月目に入って内政も外政も難問をかかえて混迷が始まった。原因
は「政治家と官僚のあり方」の問題である。
特に来年度予算の財源をつくるため、「事業仕分け」という作業が行われるよう
になって、テレビやマスコミに公開したうえで、「必殺仕分け人」と鳩山首相か
ら名命された人たちが、検事ばりの顔をして官僚を罪人扱いしている。マスコミ
のコメンテーターは「民主党らしい新しい政治だ」と絶賛しているが、果たして
そうだろうか。
私のところには常識のある人たちから「刷新祭りの公開処刑だ」とか、「仕分け
人はどんな資格か。公務員なら国会議員は兼職禁止になる」など疑問の声が毎日
寄せられている。仕分け人の中には政治家の政務官もいて、省の主張と仕分け人
の間に入って右往左往しているようだ。そこで改めて「政治家と官僚のあり方」
を考えてみたい。
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『 官僚のもっとも問題のあるやり方 』
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官僚のもっとも問題のあるやり方を、私の体験から紹介しておこう。平成5年8
月非自民細川連立政権が発足した直後、与党新生党の参院議員の私のところに、
衆院事務局時代から旧知の古川事務次官と岡光官房長が来訪、「厚生省の利権で
面倒をみるので、与党で協議中の原爆被爆者賠償法案を潰してほしい」という大
変な話をもち込んできた。理由を聞くと「これをやると空襲全体の問題となるの
で膨大な予算がいるから」ということ。むろん断ったが、非自民政権の方が八ヶ
月で潰れたので、これ以上の話はなかった。
ところが厚生省のこの二人は、私に潰せと言っておいて、「自社さ」連立政権の
裏協議でこの法案に協力して、村山連立政権で成立させたのである。これからが
問題だ。その法律の内容が賠償する被爆者の認定者を、都道府県知事とした。そ
れにより外国人などを認定させなくしたのである。こんな悪質なことをやること
が、官僚支配の政治である。この問題は大阪地裁で違憲判決が出され、改善され
た。
こういう官僚政治が族議員をつくり、天下りなどで税金を私物化することになる。
官僚のこういった犯罪的行為は厳重に責任を追求すべきことである。また、倫理
に逆らう行為も正さなければならない。国民に奉仕する官僚制を整備することは
ぜひ必要なことである。
しかし、官僚の全てが悪質なのではない。貧しくとも立派に国民のため尽くして
いる人たちも多数いることを忘れてはならない。民主党の脱官僚政治の主張は、
「官僚性悪説」に立つところに問題がある。
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『 真の政治に目覚めるのは何時になるのか 』
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私の推定だが「政治家の官僚化・官僚の政治家化」という現象が始まったのは、
昭和50年代の後半からである。この時期、明治生まれの政治家が与野党とも死
亡し、政治家の世代交代が行われた。明治生まれの政治家は法律をつくるとき、
制度の目的や理念や理由を論じ、それを合意して官僚に指示して立法の事務を行
わさせていた。
ところが昭和50年代後半になると、政治家への評価が変わる。官庁の係長クラ
スの政策や数字を知っている政治家が専門的で立派だという評価となる。いわゆ
る「政治家の官僚化」である。となると制度の目的や理念を考える政治家が少な
くなり、官僚がその代替として「政治家化」し、今日の「官僚支配の政治」とな
ったのである。
鳩山政権の行政刷新会議でやっている「事業仕分け」は、政治家や有識者が国民
の目線で、国の事業の仕分けをやっているようにテレビで見せているが、実体は
財務省主計局のシナリオに基づいて、政治家が使われている「新官僚支配政治」
といえる。民主党が真の政治に目覚めるのは何時になるのか。
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